【インタビュー】ゴホウビ、とにかくウキウキできるクアトロピッツァのようなEP完成「私たちはこういう音楽やってます」

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ゴホウビが、4月3日に1st EP『GOHOBI QUATTRO -sweet-』をリリースした。

◆撮り下ろし写真

“男女混声豆腐メンタル4人組バンド”と自称する彼らが放つ初のEPは、まさにゴホウビそのものが詰まった作品となっている。楽しく気分を上げてくれる楽曲から、メンタルの深層に染みる楽曲、パッケージデザインに至るまで“らしさ”をたっぷり楽しむことができる。

本作のリリースに寄せて、BARKSではインタビューを実施。作品の細部に迫った。なお、本インタビューはゴホウビのYouTubeトーク&セッション番組「HOBI LABO」でも一部を公開。生インタビューの様子を知れる映像ともあわせて読んでいただけると幸いだ。



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◼️これからはこのEPが名刺代わりになる

──今回、インタビューの模様を映像でも配信するということで、YouTuberらしい喋り姿を今目の前で見させてもらいましたけど(笑)。

cody(Vo, G):ドキドキしました(笑)。

──動画配信、始めてみてどうですか?

スージー (Vo, Key):めちゃめちゃ楽しいよね。YouTubeに関しては、むんちゃが中心になって考えてくれてるんですよ。 編集も、むんちゃがやってて。

むんちゃ(Dr, Cho):他の人に手伝ってもらいながら何とかやってます。この4人の中で私が唯一YouTube Premiumに入ってるのかな。そのくらい、元々YouTubeとか動画配信が好きで。自分たちでやることになってからもう1回いろいろな動画を観たんですけど、勉強になりますね。考えないといけないことがたくさんあるなって。

──この4人はゴホウビを組む前にメジャーレーベルでの活動を経験していますが、ゴホウビとしてメジャーデビューしてからもう2年目になりましたね。この環境で活動を重ねてみて感じていることを教えてもらえますか?

cody:リリースを絶えずさせてもらって、大事なワンマンを2回できて、バンドとして筋力がついてきたなと思ってます。だけど、「もっとできたな」「もっとこういうことがしたいな」ということも、1年経験したからこそ出てきてますね。

スージー:私は5~6年前にソロでメジャーデビューを既に経験していて、その時に「もっとこうしたらよかったな」「こういうことはしなきゃよかった」ということを散々感じたんです。その経験があるからこそ乗り切れることもたくさんあるだろうと思っていたし、もちろんそういうこともあるんだけど、結局当時と同じことで悩んでいる自分に気づいて。そこが自分の弱さだなって思いました。

──例えば?

スージー:数字に踊らされたり、自分の周りのアーティストがちょっとでも先に行っているように見えたら落ち込んでしまったり、メンバーとかスタッフとか、周りの人の目を気にしすぎて自分の色を出せなかったり。そういうところは結局変わらないなと思いました。それで「私って何が好きで歌を書いてるんだろう?」と思い返したら、メンバーにデモを聴かせたら「すげえいいじゃん」って笑ってくれた瞬間とか、ライブで歌ったら目の前のお客さんが泣いてくれたり喜んでくれたりした瞬間とか……もっと遡れば、高校時代に友達や当時好きだった人に「曲作ってみたんだ」って聴いてもらった時に笑ってくれた瞬間とか……そういう顔が見たいから歌を歌っているし、曲を作っているんだった!って思ったんです。それなのに、なんですぐ「売れない」とか思っちゃうんだろうな、と。もっとシンプルな考えで音楽をやろうと思いました。


──スージーさんが思い悩んでるようだと察した時、お三方はどのように接するんですか?

むんちゃ:私は静かにしてる。

スージー:codyは「スージー、大丈夫?」って声かけてくれるよね。で、405は、傷に塩を塗る(笑)。

405(B):それだと、俺めっちゃ性格悪いみたいだけど(笑)

スージー:言い過ぎた(笑)。まあ、それはお互いにというか。私、405が落ち込んでたら「何そんなことで落ち込んでんの? くだらない」とか言っちゃうタイプなので。

──そういう存在も必要ですよね。

スージー:そうですね。「そんなんでいいのか?」って喝を入れてくれるというか。なので、3人とも味方でいてくれますね。

──5~6年前と同じことで思い悩んじゃうという話でしたけど、立ち直るのが早くなったとか、そういう変化はありましたか?

スージー:昔の私は、落ち込むのが好きだったんですよ。表現者は不幸であればあるほどいいという思い込みがあったから、常に落ち込んでたんです。普通の感覚だったらそこまで落ちないようなことでも、底が見えるまでほじくって、「私はもうダメだ」みたいに言いたがっていたというか。だけど、それは不毛な時間だと最近分かったんですよね。当時は不幸がることや憂鬱がることを美徳としている自分がいましたけど、今はシンプルに、幸せを感じたいというマインドになっていて。そうすると、自分が好きなもの、楽しいと思えるものを自然に選び取っていくので、 毎日が楽しくなるんです。そのなかで、もしも自分の苦手なことに直面して落ち込むことがあっても、性格的に一瞬どうしても「自分ダメだ」って思うんだけど、最終的には「まあ、そもそも、そんなできた人間じゃないし」「何を自分に期待しすぎてるんだろう」「できないんだから、できないなりにやったらいいじゃん」と思うことができる。そうやって開き直るスピードは、確かに昔より速くなってるなと思いますね。

cody:あと、引っ越したタイミングから明るくなったよね。憑き物が落ちたかのように。

むんちゃ:(前の家に)なんかいたんか?(笑)

スージー:405から「独房みたいな家に住んでるね」って言われたようなところに、7年住んでたんですけど(笑)。


──どんな家だ(笑)。

スージー:今は前より広い部屋だし、 島根に住んでるむんちゃが東京にいる時はうちに来てくれるので。そういうのも含めて、 今までにない生活に……って、“アーティストとして”とか“ミュージシャンとして”じゃなくて、“人間として”みたいな話になってきてるけど(笑)。

cody:(笑)。でも、前より明るいスージーになったなって思うよ。

──あと、前はソロだったけど今はバンドだという違いも大きいんじゃないんですか? 4人でいたら、ずっと閉じているわけにはいかないだろうし。

スージー:そうですね。やっぱ1人で考えていると意固地になるし、昔は外部からの刺激をとにかく避けようとしていたんですよ。自信も今よりもっとなかったから、誰とも関わりたくないなって。だけど今は、常に刺激がありますから。人と喋っているだけでも……それが別に大した話じゃなくても、 人と繋がりを持つ、コミュニケーションを取ることで、自分の中に新しいものが取り入れられている感覚が常にあって。曲=外部から刺激を受けて書くものに変わったから、前までは「 私が」という主張しかなかったけど、今は主張は持ちつつも、「こういうふうに表現した方が人に伝わりやすいかも」みたいなこともすごく考えるようになったんですよね。



──今回のEPに入っている6曲にも、「誰かに届けたい」という気持ちが詰まっているなと思いました。メジャーに来てから初めてのCD作品ですが、このタイミングでまとまった作品を出そうと決めたのにはどんな経緯があったんですか?

スージー:もっとゴホウビを広めたいなと思った時に、盤があれば歌いに行けるなと思って。

──インストアライブができるようになるということですよね。あと、バックヤードで他のアーティストに会った時、挨拶しながら渡せるものがあると便利だろうし。

スージー:はい。今までは「CDないの?」と言われても「すみません、ないんですよね……」という感じだったけど、これからはこのEPが名刺代わりになるから、「どうもゴホウビです」っていろいろなところに挨拶に行けるなと思って。そのきっかけを作りたかったんです。

cody:「これぞゴホウビ!極上ポップス召し上がれ!」と帯に書いてあるんですけど、「ゴホウビを知ってもらうには、どの曲がいいかな?」とメンバーやチームのみんなで話し合いながら内容を決めていって。その結果、本当にカラフルというか、「こういう一面もあるよ」というところまで見せられる内容になったと思っています。だからスージーも言った通り、本当に名刺みたいなEPになったなと。ジャケットもすごくこだわったし、手に取ってほしい1枚になりましたね。

▲デラックス盤ジャケット

──ジャケット、かわいいですよね。ピザの上に4人が座っているイラスト。

スージー:なんでピザなのかと言うと、私たち、11月15日に渋谷CLUB QUATTROでワンマンライブをやるんですよ。渋谷CLUB QUATTROは、私たちにとって史上最大キャパ。埋まるのかと言われたら、正直頑張らなきゃという感じなんですけど……でも、ゴホウビは常に自分たちを奮い立たせるような挑戦をしてきたので、安牌なところで活動するんじゃなくて、このタイミングで挑戦しようと決めたんです。で、QUATTROでのワンマンライブが決まったあとに「4月に盤を出そう」という話が出たので、じゃあこの1年は「Road to QUATTRO」というテーマで行こうじゃないかと。それで『GOHOBI QUATTRO -sweet-』というEPのタイトルがまず決まったんです。

──なるほど。

スージー:クアトロといえば、4種のチーズのピザ・クアトロフォルマッジ。学生時代にみんなで集まって宅配ピザを頼む時のワクワク感やときめきは、私たちが活動する上でのテーマともすごく合っているし、私たちも4人で1つのバンドだから、いいんじゃない?という話になりました。今までリリースしてきた曲に新曲の「MOKE MOKE」をプラスして、聴いていてとにかくウキウキできるような、まさにクアトロピッツァのようなEPになったと思ってます。

──因みにみなさんは、何味のピザが好きですか?

むんちゃ:私はプルコギ。

405:俺はチーズにハチミツをかけたやつ。

スージー:私はルッコラと生ハムのピッツァ。

cody:それ、こないだ食べたやつ?

スージー:そう。

cody:じゃあ一緒だ。こないだアー写を撮影した時に、スタッフさんがピザを頼んでくれたんですよ。その時に食べたルッコラと生ハムのピザが本当に美味しくて。今まではマルゲリータが一番好きだったんですけど、その時1位が変わりました。



──じゃあこの流れで、収録曲の中から推し曲を1曲だけ選ぶとしたら?

スージー:私の推しは「ラブシャッフル」ですね。男女混声バンドとして5年間やってきましたけど、男女で歌っている意味が一番ある曲ができたなと思っていて。最初から男女で歌うような構成になっているし、サビは1番は男性、2番は女性がそれぞれのキーで歌っているし。めちゃめちゃポップで、プラス男女混声の構成が活かされた、非常によくできた作品だと自画自賛できる1曲になりました。

──歌詞はどのようなことを考えながら書きましたか?

スージー:どちらかの一方的な気持ちを歌うんじゃなくて、歌いながら、お互いの凸凹を分かり合えるような曲にしたいなと思いながら書きました。“好きな人の過去に嫉妬しちゃったソング”と呼んでいるんですけど、それってあるあるだと思うし、相手になかなか伝えられない気持ちだとも思うので。それを歌詞に落とし込んだことで、お互いが思っていることを楽しく伝えられる曲になったんじゃないかなと。ぜひ恋人同士、パートナー同士で歌ってほしいですね。

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