【ライブレポート】倉木麻衣、シンフォニックコンサートツアー東京公演で「気持ちを重ねて一緒に歌えたら」

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倉木麻衣が12月10日、東京国際フォーラム ホールAでシンフォニックコンサートツアー<billboard classics Mai Kuraki Premium Symphonic Concert 2023>の東京公演を開催した。同ツアーはデビュー記念日の12月8日を跨いで12月16日の大阪公演まで、福岡、宮城、東京、大阪といった4都市で開催されたものだ。シンフォニックコンサートとしては宮城、福岡、大阪は初開催となる。セミファイナルとなった東京公演の模様をお届けしたい。

◆倉木麻衣 画像

フルオーケストラがスタンバイする中、会場の照明が徐々に落ち、ゲストピアニストである榊原大や指揮者の藤原いくろうが登場し、コンサートの幕が開いた。オープニングは現在から過去へとタイムスリップするように倉木麻衣のヒット曲をメドレー形式で演奏した「Mai-K’s Time Machine」。オーケストラの豊かな音色に癒されていると、拍手の中、純白のドレスにティアラをあしらい、ファンタジーの国から飛び出してきたような倉木麻衣がステージに登場した。

大ヒット曲「Secret of my heart」、続いてシンフォニックコンサートでは本ツアーが初披露となる「Secret, voice of my heart」とアニメ『名探偵コナン』シリーズのテーマ曲となった2曲が優雅な音色に寄り添うように届けられる。


「みなさん、こんばんは。お元気そうで嬉しいです。この会場に遠方からも駆けつけてくださって本当にありがとうございます。<billboard classics Mai Kuraki Premium Symphonic Concert 2023>東京公演、たくさんのみなさんにお越しいただいて、とても嬉しく思います。今日はじっくりフルオーケストラの美しい音色を体感していただきながら、ペンライトを振っていただいてもいいですし、一緒に合唱して楽しんでいただけたらいいなと思います」──倉木麻衣

ひと言ひと言を丁寧に伝え、東京公演を担当した東京フィルハーモニー交響楽団、そして「毎回、ハートフルであたたかい演奏を届けてくれる」とピアニストの榊原大、「メドレーを特別に作っていただき、世界中で大活躍されている」と倉木麻衣のシンフォニックコンサートでお馴染みの編曲家兼指揮者である藤原いくろうが紹介された。

劇場版『名探偵コナン から紅の恋歌 (ラブレター)』 主題歌に起用された「渡月橋 〜君 想ふ〜」では和の世界とオーケストラの音色が心地よく溶け合い、榊原のピアノで始まった「冷たい海」ではステージの照明が暗くなり、倉木の歌と演奏が情景を浮かび上がらせた。ヒット曲が次々に披露されていくセットリスト。劇場版『名探偵コナン 迷宮の十字路』 主題歌「Time after time 〜花舞う街で〜」では第1ヴァイオリンの首席奏者がフィーチャーされ、香港発映画『画皮 あやかしの恋』の日本語主題歌となった「儚さ」ではオリエンタルでミステリアスな世界観で魅了。デニース・ウィリアムスとナット・キング・コールの名曲のメドレー「free〜smile」では倉木の透明感のある歌声に浄化されるようだった。

「引き続き、ゆっくりお楽しみください」と客席に伝え、第一部が終了した。


20分間の休憩を挟んで第二部がスタート。まるで映画音楽のようにゴージャスな「Prelude for Mai-K」が奏でられた後、倉木は鮮やかな赤のドレスにロング丈のグローブ、頭にはクラウンというキュートな装いで登場した。ペンライトが揺れる中、歌われた「Stay by my side」はオーケストラにふさわしいドラマティックなアレンジだ。

そんな客席の風景を見ながら歌っていることに対して倉木は「星空の中にいるよう」と表現。シンフォニックコンサートではたくさんのリクエストをファンからいただいていることに触れ、「次の曲ではスペシャルなゲストをお呼びしてお届けしたいと思います」と呼び込まれたのは2015年のコンサートにおいて「SAFEST PLACE」で共演している東京ベルオーケストラの面々だ。ステージ上手にグリーンのテーブルがセットされ、メンバーたちの鳴らすベルがクリスマスムードを高める中、歌われたのは「白い雪」。なんとも贅沢だ。

「あたたかいベルでした。どうもありがとうございました。ゆっくりお楽しみいただけていると思いますが、お水とか飲まれてかまいませんので。乾燥してますよね。自由にお楽しみください」──倉木麻衣


気がつけばコンサートも後半戦。NHK連続テレビ小説『オードリー』主題歌としてヒットを記録した「Reach for the sky」は軽やかさを活かしたサウンドの中で届けられた。第一部がしっとりとしたナンバーが中心なら、第二部はリズミカルな楽曲がセレクトされたようだ。デビューシングルにしてミリオンセラーのセールスとなった「Love, Day After Tomorrow」(1999年)では途中からハンドクラップ、「ひとりじゃない」は倉木の声がけで途中からシンガロングとなり、歌いながら笑顔がこぼれ、国際フォーラムの空気もどんどん解放へと向かっていった。

「みんなで、この楽曲に気持ちを重ねて一緒に歌えたらいいなと思います」──倉木麻衣

本編最後の曲は倉木のライブでは大合唱になるナンバー「chance for you」。「どんな環境でも必ずみんなにチャンスはあると伝えたかった曲」だという大切な曲で締め括られた。


盛大なアンコールに応えて再びステージに。「2023年も残りわずかとなりました。いろいろな時を乗り越えてみなさまに次の楽曲をお届けできることを嬉しく思います」と挨拶し、ラストナンバーは劇場版『名探偵コナン 天国へのカウントダウン』主題歌に起用された「always」。多くの人たちの背中を押してきたこの曲では倉木も上手下手とステージを動きまわりながら歌い、大合唱。エンディングでくるくる回って見せたのもチャーミングだった。

オーケストラのメンバーや指揮者、スタッフに感謝し、「いろんなことを乗り越えて、ここに集まってくれたみなさまに大きな拍手をお願いします」と伝えた倉木。デビュー25周年イヤーに突入したこと、デビュー記念日の12月8日に全439曲がサブスク解禁されたこと、昨年から温めていた曲「Y☺︎u & I」がTVアニメ『名探偵コナン』のエンディングテーマとして12月22日に配信リリースされることも告知された。

TikTok用に「みなさんの素晴らしい歌声を収めたい」と「always」の大合唱になる場面もあり、国際フォーラムはすっかり熱い空間に。

スタンディングオベーションの中、カーテンコールに応えて二度もステージに姿を現し、“L.O.V.E.”のハンドサインに大声援。最後は藤原いくろうと共に上手から下手、センターで感謝の意を表し、東京公演は満ち足りた空気の中、幕を閉じた。

取材・文◎山本弘子

■<billboard classics Mai Kuraki Premium Symphonic Concert 2023>セットリスト

11月19日(日) 福岡・福岡シンフォニーホール
11月23日(木/祝) 宮城・東京エレクトロンホール宮城
12月10日(日) 東京・東京国際フォーラム ホールA
12月16日(土) 大阪・フェニーチェ堺大ホール

【1部】
01. Mai-K's Time Machine
02. Secret of my heart
03. Secret, voice of my heart
04. 渡月橋 ~君 想ふ~
05. 冷たい海
06. Time after time 〜花舞う街で〜
07. 儚さ
08. free ~ smile
【2部】
09. Prelude for Mai-K
10. 白い雪
11. 福岡:Be Proud 〜we make new history〜
  仙台:あなたがいるから
  東京:Stay by my side
  大阪:明日へ架ける橋
12. Reach for the sky
13. Love, Day after tomorrow
14. ひとりじゃない
15. chance for you
encore
en1. always
※東京公演のみM10とM11の順番入れ替わり

出演:倉木麻衣
音楽監督・指揮:藤原いくろう
ピアノ:榊原大
▼管弦楽
福岡公演:九州交響楽団
宮城公演:仙台フィルハーモニー管弦楽団
東京公演:東京フィルハーモニー交響楽団
大阪公演:京都フィル・ビルボードクラシックスオーケストラ

■『名探偵コナン』エンディングテーマ「Y☺︎u & I」

2023年12月22日(金) 配信開始
主要音楽ストリーミング&ダウンロードサービスにて
※読売テレビ・日本テレビ系全国ネット土曜よる6:00放送『名探偵コナン』エンディングテーマ




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