【インタビュー】predia「いちばんカッコよくて勢いのあるままprediaを残したい」
6月5日の東京・立川ステージガーデンを最後に解散するprediaが、ラストシングル「DRESS」をリリースする。大人アイドルとしての凛としたメッセージが印象的な華やかなダンスナンバーとなったタイトル曲は、選曲会でメンバー全員が「この曲を歌いたい」と選んだもの。全員が交互にラップするセクションが盛り込まれたカップリング「MUSIC」は超エネルギッシュなナンバーに仕上がった。BARKSでは沢口けいことまえだゆうにインタビュー。レコーディングやミュージックビデオの裏エピソードや、メンバーへの想い、prediaを全員が大切に思っているからこそ解散という結論を出したことについてたっぷり語ってもらった。
■“ゴメンね...”は大人っぽくウィスパー気味に言いました
■歌詞の意味あい的にも一番しっくり来ました
──ラストシングル「DRESS」は華やかでセクシーでメッセージ性のあるダンスナンバーだと感じましたが、沢口さん、まえださんが初めて曲を聴かれた時の印象を教えてください。
沢口けいこ(以下、沢口):初めて聴いたのはメンバー全員でラストシングルを決める楽曲会議で、いつも50曲ぐらいの候補曲を一気に聴くんですよ。それぞれが歌いたいと思う曲を頭の中にピックアップしておいて「どの曲が良かった?」って言い合うんですけど、「DRESS」は「最後のシングルは絶対、この曲を歌いたい!」って6人全員の気持ちが一つになったんです。
──全員一致だったのはprediaらしい曲だったからですか?
沢口:そうですね。これまで歌謡曲路線の曲が多かったんですが、歌謡テイストもありつつ守りすぎずにちょっと攻めているサウンドでもあり、そのバランスがちょうどよく感じたんです。
まえだゆう(以下まえだ):最後もprediaらしい歌謡な曲を歌いたいとはリクエストしていたんですけど、候補曲の中から選んだ「DRESS」を作ったのが偶然、いつもprediaの曲を作ってくれている方だったんだよね。
沢口:そう! Jazzin'parkさんっていう昔から私たちの曲を作ってくださっていた方だったんですよ。やっぱり心惹かれるものがあったんですね。
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──「DRESS」というタイトルをどのように受け止めました?
まえだ:毎回、ドレスを着て歌って踊るグループなので、prediaにピッタリだなと思いました。私たちのことをよく知ってくださっているJazzin'parkさんだから、この曲を書いてくださったんだなと。
沢口:愛を感じましたね。
まえだ:そう、50曲の中からウチらが選んだのも通じ合っているなって。
──ゴージャスなシルバーの衣装はグループ名とかかっているんですよね?
沢口:そうですね。“pre”と“diamond”で“ダイヤの原石”という意味を持つグループ名なので、ダイヤの輝きを放った衣装というか、最後にpredia自身がダイヤモンドになれたよっていうメッセージを込めてくれたのかなって。衣装もいつも作ってくださっている方にお願いしたので、私たちのラストシングルに賭ける意気込みを感じとってくださったんだなと思いました。
▲まえだゆう
──みなさん、少しずつデザインが違う衣装になっていますが、お二人の注目してほしいポイントは?
まえだ:一人一人のスタイルに合った衣装を作ってくださるんですが、今回は片方だけ肩がパーンと。
沢口:パワーショルダーね。スーパーイカリ肩(笑)。
まえだ:そう。肩パットが入ったスタイリッシュな感じに仕上げてくださっているのがお気に入りのポイントです。あと左手は腕を見せてますね。アシンメトリーな感じで。
沢口:今回、全員の衣装の胸元に宝石みたいなビジューがいっぱい付いているんですよ。私はカチューシャにも付けてもらったんですけど、全部、手縫いで一つ一つ縫ってくださったことにも愛情を感じました。ステージ映えもするし、すごく気に入っています。
──キラキラの宝石みたいな衣装ですものね。では曲の話に戻って、「DRESS」の歌詞で共感したところがあったら教えてください。
まえだ:いっぱいあるけど“悪いけどブレない BEAUTY”っていうところはprediaっぽいなって。自分たちの生き方を出してきたグループなので、こういう言葉がラストシングルに入っているのは嬉しいなと思いました。
沢口:強いイメージの女性像を歌ってきたからね。私はサビの最後の“酸いも甘いも 私の証”という箇所です。11年間、グループを続けてきてホントに酸いも甘いも経験してきたからこそ、この歌詞が説得力を持つというか、長く続けてきた人たちにしか歌えないなって。“過去も未来も 私は私”というワードもすごく好きです、イベントとかで歌うとグッときちゃいますね。
▲沢口けいこ
──“未来はいつだって私次第ね”という歌詞もいいですよね。
沢口:後ろ向きじゃなくて前向きなのがいいですよね。
まえだ:prediaは不倫だったり、悲しい恋だったり、大人な恋愛の曲も多く歌ってきたので、最後はハッピーで前向きにしたかったんです。
──歌入れの時のエピソードも教えてもらえますか?
沢口:私たち、コロナ禍の前は自分の歌録りが終わっても、みんなの歌も聴きたいから、スタジオで残って見守るスタイルだったんですけど、今は自分の番が終わったらすぐに帰るんですね。ただ、いつものJazzin'parkさんのチームだったので、ソロパートも「もっと自分らしく」とか「自分の色を出してください」って抽象的なアドバイスをされても、すぐに「こういう部分を出したら私らしくなるな」って各自わかるんですよ。具体的な言葉がなくてもやりとりが成立する関係性になったことも幸せだなぁと思いました。例えばちゃんころぴー(まえだ)はカッコよく歌うのも得意だけど、アクティブな明るさが魅力なので「もっと、ちゃんらしく歌ってよ」って言うと通じるみたいな(笑)。
まえだ:確かに最近、メンバー個々のキャラを歌で出せるようになったところはあるかもしれない。
──6人のキャラが歌に反映されるようになったみたいな?
沢口:そうですね。今まではprediaの“大人っぽさ”に焦点を当ててレコーディングしていたんですけど、長くやってきて軸ができた分、“このメンバーはかわいいのが得意、カッコいいのが得意、元気なのが得意”っていう各自の個性を出してもブレなくなった。
まえだ:「あ~、これ、けいたん(沢口)っぽい」とかね。「DRESS」には、けいたんの“ゴメンね...”っていう台詞が入っているんですけど、キュートでかわいい感じのけいたんの声じゃなく、大人セクシーな“ゴメンね”だったから「こっちで来たかぁ」って、ちょっとドキッとしました。
沢口:“ゴメンね...”だけで10テイクぐらい録ったんですよ。最初は普通に“ゴメンね”って謝っている感じだったんですけど、その前の“そんな女で SORRY not SORRY”っていう歌詞からの“ゴメンね...”なので、「これ結局、ゴメンねって思ってないよね」っていう話し合いをして、ちょっと軽めに言った方がいいんじゃないかとか、もっとあざとく言った方がいいんじゃないかとか、いろいろ試したんです。私は最年少だし、今まではかわいい面をアピールしてきたけど、最後は大人っぽさ全開でウィスパー気味に言ってみようって。歌詞の意味あい的にもいちばん、しっくり来ました。
──“ゴメンね...”を追求しまくったんですね。
沢口:(笑)いちばん時間がかかりました。
まえだ:メンバーもドキッとしたので、ファンの人はもっとドキってするんじゃないかと思います。
──注目ですね。ミュージックビデオはどんな雰囲気に仕上がっていますか?
沢口:これまではダンスシーンとストーリーの両方を絡めた映像が多かったんですけど、「最後は歌とダンスで勝負だ!」っていう感じになって、すごくシンプルです。今まで頑張って磨いてきたパフォーマンスにフォーカスしようって。
──直球勝負ですね。
沢口:はい。ごまかしがきかない感じで。
まえだ:だから、ダンスはホントに緊張しましたもん。ちゃんころぴーの場合、メンバーの中でいちばん間違えたり、クセの強いダンスをしてしまうので、本番前にメンバーに「この部分はこうした方がいい」、「ここの角度はこうだと思う」ってアドバイスしてもらったので、ダンスはバッチリです(笑)。
沢口:ダンスシーンって通して踊って回数を重ねて撮るパターンと何度も確認してその都度、修正しながら撮るパターンがあるんですが、今回は後者で踊っては確認していて、ちゃんころぴーは「同じところで間違えてる?」ってすごく怒られてました(笑)。
まえだ:ははははは。
沢口:サビの“LacchaLaccha ”っていうところでね。
まえだ:“そこ、そこ”って。
──ははは。カップリングの「MUSIC」はエネルギッシュで振り切れているカッコいい曲ですね。
沢口:初めて聴いた時は度肝を抜かれましたね。
まえだ:最初はもっとラップが多かったよね。
沢口:そうだね。
まえだ:初めて聴いた時に、新しいprediaをこの曲で見せたらもっとカッコいいんじゃないかと思ったので、さらにprediaらしく作り直してもらったんですけど、交互にラップするのも初めての経験で。もともとは、どのパートを誰が歌うか決まってなかったんだよね。
沢口:そう。ラップのところだけパートが決まっていなくて、レコーディング当日の頑張り次第で歌える箇所が決まるみたいな。
まえだ:そうだ! だから、すごく集中していましたね。
沢口:それだけにみんなの歌の気合がすごいんですよ。
──そのパワーは歌から十分、伝わってきます。
沢口:低音から攻めていく感じのサウンドもカッコいいですよね。
▲「DRESS」BOXセット BOX1
▲「DRESS」BOXセット BOX2
──恋愛ソングにも捉えられるけれど、「MUSIC」にはファンへのメッセージや、音楽、ライブへの想いが込められているのかなと感じました。
沢口:そうですね。“君と Music”という歌詞が出てくるし、ライブで聴いてほしい曲でもありますね。「DRESS」と「MUSIC」ってprediaをタイトルで表現しているなって。歌詞からも強さが伝わってくるしお気に入りです。ライブで聴いたらもっとパッションを感じると思います。
まえだ:ライブをメインに活動しているグループなので、カップリングはライブで盛り上がる曲を選ぶことが多いんです。それでいてまた新しいprediaを見せることにチャレンジしているので。
──まえださんが感じた「MUSIC」の新しさとは?
まえだ:曲調も新しいし、ここまでみんなが力強く歌っている曲もなかなかなかったと思うんですよ。predia史上、最強に盛り上がる曲になったと思います。
沢口:出だしから爆上がりで、最初の“Hey!”も若手のアイドルと大人アイドルの私たちでは“Hey!”の圧が違うというか(笑)。
──迫力がありますからね。
沢口:そうですね。腹から出す“Hey!”というか。完成した曲を聴いて「頑張って良かったな」と。タイミング難しくなかった?
まえだ:うん。全員で歌うのも揃えるのが大変でしたね。
沢口:語尾を伸ばすのか切るのかとかね。
──ヴォーカル全体も発音の仕方だったり、シャウト気味なのも男前というか、カッコいいですもんね。自分で歌っていて勇気づけられるフレーズは?
沢口:私はラップのところが好きかもしれない。“そう前向きに Going”とか背中を押されますね。“何もかも意味がある So! Yes!”っていうところも。
──そこ、いいですよね。
沢口:嬉しい! 私も歌い方も含めて好きなんです。今までの経験を含めて全てに意味があるって、心強い勇気づけられる言葉だなって。
まえだ:ラップがいちばん気合いを入れたので思い入れは強いですね。全員のパートが大好きなんですが、メインヴォーカルのあかねん(湊あかね)がいちばん最後に歌い上げる“君と Music”を聴いた時には「うわあ、prediaカッコいいな」と思いました。
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