【コラム】化石のようなロックT~BARKS編集部の「おうち時間」Vol.031

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「せっかくのゴールデンウイークなんだけど外に出られない。ならばこれをチャンスに…」と、家の中の整理整頓に手を付けてみた。要は「いつか使うはず」「思い出だもの捨てらんない」「これはダメだよお宝なんだから」と、根拠なきマイルールで家を狭くしていただけのメランコリーアイテムにメスを入れるという、ま、ただの断捨離なんですが。

私は興味を持つとズボズボとのめり込んでしまいがちで、そんなオタク気質の災いなのか、探るとガラクタがわらわらと出てくる。息子のベッドの下とか押入れの最深部とかタンスの裏とか、まさかの謎スペースからギターの細々したパーツとかエフェクターとか、大量の真空管とかが発掘されたけど、ナショナルのクーガNo.7が出てきたときは「うわ」っと声が出ました。


これ、何だか知っていますか?ラジオです。クイーンの「ボヘミアン・ラプソディ」をリアルタイムで聴いていた殿方であれば、知っていますよね?ベリカード集めたっしょ?クーガNo.7発売が1973年だからクイーンデビューと同い年なわけです。ジャイロアンテナ、かっけー。中学生だった私はこいつを布団の中に忍ばせて深夜に「セイ!ヤング」とか「オールナイトニッポン」を聞くんだけど、すぐに寝落ちして朝起きたらこのミリタリーな凸凹跡が顔にくっきり、という毎日でしたっけ。

閑話休題、で、今回大量に処分したのがロックTシャツ群。「からすさんが毎日来ているロックT、インスタに上げたら?」って言われて2019年6月にやってみたものの、着た/着ていないの把握もおっくうになり、狙いのTシャツもタンスの中で見当たらず、続ける気持ちが2ヶ月しか持たず。という黒歴史があります。




ということで、今回の#stayhomeで数百枚ものロックTを断捨離しました。なんだコレというものだらけでとにかく捨てた捨てた。「よく取ってあったな」と褒めたい自分だったけれど、それじゃ断捨離にならんので、ここは涙のご紹介。

ほら、名機ZOOM9002。ヘッドフォンアウトから卓に突っ込んでレコーディングなんかしちゃたりして「アンプシミュレータってすげえや」って思ったっけ。1990年発売だった。デジタル楽器の進化は恐ろしい。


どでかくXって何?え?こんなデザインのX(X JAPAN)ってある?と思って背中を見たら、レーサーXでした。Li-sa-Xも大きくなったよね…なんて思いながらよく見ると、ん?ポール・ギルバートのレーサーXじゃなくて、『マッハGoGoGo』の映画『レーサーX』のTシャツじゃねーか。んもう紛らわしい。でもレーサーXというバンド名も『マッハGoGoGo』が由来なんだから、ま、いっか。




Xといえば、YOSHIKI(X JAPAN)のプロデュースで2000年にデビューしたBEASTの、2000年冬のツアーTを発掘。



Xつながりで言えば、hide発掘のZEPPET STOREのTシャツも出てきた。んー、いつ頃のものだったかな。1990年代だったけど。


続きまして、ANGELってことは、え?43年ぶりの来日が決まっていたあのエンジェル?と思いきや、胸元には小さくBLUE ANGEL。あ、浦江アキコ率いるロカビリーのブルー・エンジェルね。



レアというところでは、山田優「REAL YOU」、高中正義『AQUAPLANET』、BAHO『BAHO de Tremendous』、リッチー・ブラックモアズ・レインボー『孤高のストレンジャー』リリース時のものとか、DOG FIGHT、SHEEN、STILL ALIVE、GOLDBRICK、ストロベリー・スローターハウス、アリス・イン・チェインズ、シンフォニーX、ASH、ザ・クークス、D-A-Dといった、解散して現存しないバンドや未だ現役、メンバーが違うやんというバンドものもたくさんあった。元JUDY AND MARYの五十嵐公太(Dr)を擁するトリオバンドnaja(ネイジャ)も、YURIのボーカルが好きだったなぁ。
















アーティストものだけじゃなく、企画やイベント、コンテストのTシャツも大量に処分したけど、今のサブスクサービスが市民権を得るまでは、音楽のデジタル化やダウンロードサービスにもいろんな紆余曲折がありまして、こんなTシャツも我が家に残されておりました。



最後には、バンド時代に最もお世話になった日清パワーステーションの懐かしのTシャツを。風営法の問題もあって1998年に営業をやめてしまったのだけど、美味しいディナーも楽しめるライブハウスで、いつも満杯・活況でとてもいい会場でした。たくさんのバンドが巣立っていった名ライブハウスのひとつでもあり、かのXも<Xと仲間たち><静かなX><変なX>という極めて企画性の高いライブを開催してました。このときにTOSHIがフォークソングの弾き語りを披露して、その歌の上手さに感激したという思い出があります。


素晴らしいライブが毎夜のように繰り広げられてきたけれど、時代の流れとともに形も変わればあり方も変わるもの。歌は世につれ、世は歌につれと言われるけれど、ライブエンターテイメントはこれまでのサヤに戻ることはなく、コロナ騒動が収束したら、新たな音楽エンターテイメントの姿形が、みんなの心に喜びや刺激・感動を加速させることでしょう。今はまさに変化・進化を遂げているとき。大きな時代の断捨離です。

文◎烏丸哲也(BARKS / JMN統括編集長)

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