【速レポ】＜SATANIC CARNIVAL＞The BONEZ、「残りの人生、最高に楽しんでください」

EVIL STAGEの折り返し地点に登場したのは、昨年に引き続きの参加となったThe BONEZだ。

◆The BONEZ 画像

拳を高くつきあげて登場したZAX（Dr）に続いて、T$UYO$HI（Ba）とNAKA（Gt）が姿を現わすと、JESSE（Vo＆Gt）は、ノーマイクで叫び声をあげ、「SATANIC、そんなもんか聴こえねえぞ！」とオーディエンスを挑発。けたたましいフィードバックノイズが鳴り響く中、「Revolution」からライブをスタートさせた。ほぼワンコードでありながらも、あらゆるものをなぎ倒す、すさまじい破壊力を誇るグルーヴで熱気をぐんぐん高めて行くと、続く「Place of Fire」では、オーディエンスのクラップを求めながら、ポップネスあふれるメロディーを響かせる。そこからなだれ込んだ「Louder」では、ギターを置き、ハンドマイクに切り替えてステージを縦横無尽に暴れ狂っていたJESSEが、それだけでは飽き足らず、果てはフロアに降りてオーディエンスの狂騒を煽るという、白熱のコミュニケーションを繰り広げた。また、楽器隊のコーラスから幕を開けた「Leaf」では、ポップパンク色の強いハッピーなサウンドでフロアを彩るだけでなく、「残りの人生、最高に楽しんでください」と、ドラマティックなアンサンブルを魅せつけ、さまざまなことが巻き起こる人生を想起させるものとして、会場全体に響き渡っていた。

彼らの楽曲は、90'sオルナティヴロックを感じさせる骨太なサウンドが特徴的だが、それを爆音でかき鳴らしながらも、どこか優しさや温かさを感じさせるものがある。「目に見えない何かを音楽を通して本気で伝えようと思っている」と、JESSEは自らの想いをまっすぐにフロアへ向けて話していたが、ステージとフロアを交互に見ていると、その目に見えない何かが、確実にオーディエンスに伝播していくのがはっきりと伝わってきた。そして「知り合いから友達になりませんか？（JESSE）」と「Friends」へ。フロアに語りかけるように歌えば、手を大きく左右に振って応えるオーディエンス達を焚きつけるように、「みんなボロボロになっても捨てられない“Tシャツ”を持ってると思うんだけど、俺らのライヴに来てくれたらたとえ破れても直してやるから！　その“Tシャツ”捨てんじゃねえぞ！」と、ラストナンバーの「Thread & Needle」へ突入。後ろのほうで観ていたオーディエンス達も、シンガロングしながら前のほうへと歩み寄っていく中で、JESSEは「熊本、九州のために！」と声を求める場面も。バンドとオーディエンスが、確実に目に見えない何かで繋がって行くのを感じさせる、ドラマティックなエンディングとなった。

取材・文◎山口哲生
撮影◎Teppei Kishida