【速レポ】<SATANIC CARNIVAL>ジャパハリネット、「昼の一番暑い時からありがとう」
EVIL STAGEにぎっちぎっちに詰まった大観衆を、TOTALFATがあれだけ盛り上げた直後だ。今回、<SATANIC CARNIVAL>初参加。しかも、2015年10月に7年ぶりに再結成したジャパハリネットにしてみれば、相当やりづらかったにちがいない。中盤、城戸けんじろう(Vo&G)が言った「<SATANIC>初めて出るし、バンド名がカタカナは俺達だけだし。不安だった」という言葉は、ジョークでも照れでも何でもなく、本心だったのだろう。
◆ジャパハリネット 画像
「SATANICのために昨日、松山から来ました」(城戸)と自己紹介したとおり、愛媛県松山を拠点にしている4人組。2015年再結成するまで、7年間のブランクがあることを考えると、今回、彼らのライヴを初めて見るという若い子達も少なくないのかも。そういう筆者もジャパハリネット初体験。かなりハードルの高いシチュエーションでどんなライヴを見せてくれるんだろうかとEVIL STAGEに臨むと、“マイクのリハーサル。マイクのチェック。ワンツー! マイクのチェック…のパンツー!”という本番直前の城戸のサウンドチェックに早速歓声が上がる。そして、メンバー4人が向かい合い、城戸がメンバー一人一人を指で差し、それぞれの気合を確かめてから、「行くぞ。ジャパハリネットです!今日は~(と歌って)、EVIL STAGEでやるぞな~もし」と朗々とした声を響かせ、演奏は「LOVE ME DO 」でスタート。ロックンロール風味もあるパンク・ロックにステージ前の観客は即、反応。手を上げ、手を振り、バンドを歓迎。そこにダッシュで駆けつけた観客が次々に加わる。
そんなジャパハリネットの魅力は、どこか郷愁を刺激する日本語のパンク・ロック。世の中の不正に対する不良少年の精一杯のメッセージや青春の喜怒哀楽を歌った言葉の数々がフォーキーな味わいもあるメロディーとともに胸に突き刺さる。そんな曲の数々を、みんな大暴れせずにじっと耳を傾けている。
各席の反応に自分達の歌が確実に届いていることを確信したのか、中盤、城戸は「不安だった」という言葉に続け、「熱烈に歓迎してくれてありがとう」と感謝の言葉を述べる。「再結成して1年目のバンドです」という彼の言葉から、筆者はこの機会を謙虚に受け止め、誠実に演奏に向かおうというバンドの想いを読み取った。
クラウドファウンディングで地震の被害に遭った熊本の人達に送る義援金を集める新曲「レフィ」、ジャパハリネットの魅力の真骨頂と言えるデビュー曲「哀愁交差点」を続けて披露する頃には、ステージ前のファンだけではなく、会場全体で拳が挙がった。
そして、ラストの「物憂げ世情」は、なんと最前列のファンのシンガロングでスタート。筆者は改めて、彼らの根強い人気を知った。熱演の最後、「昼の一番暑い時からありがとう。歌いにきて本当によかった」と改めて感謝の気持ちを述べた城戸は、「どこかの夏フェスで会おうぜ。松山でも待ってるから遊びにこいよ!」と付け加え、今後の活躍を予感させた。
気持ちのいい余韻を残した熱演が、この日、初めて彼らのライヴを見た人達に与えた印象はかなり大きかったはず。少なくとも筆者は、今日、彼らに出会えたことに感謝しながら、これまで気づかなかったことを後悔……そんなことをしみじみ思っていたら、城戸が最後の最後にバク宙をキメ、ダメ押しで会場を沸かせた。
取材・文◎山口智男
撮影◎YOSUKE KAMIYAMA
【ジャパハリネット セットリスト】
1.It's a human road
2.少年バット
3.烈の瞬
4.リフェ(新曲)
5.哀愁交差点
6.贈りもの
7.物憂げ世情
■<SATANIC CARNIVAL'16>
<出演者ラインナップ>
【SATAN STAGE】
10-FEET
Crossfaith
dustbox
HEY-SMITH
Ken Yokoyama
MAN WITH A MISSION
MONOEYES
SiM
WANIMA
【EVIL STAGE】
04 Limited Sazabys
ATATA
The BONEZ
Crystal Lake
Dizzy Sunfist
G-FREAK FACTORY
ジャパハリネット
NAMBA69
SHANK
TOTALFAT
[O.A.] bacho
チケット料金:¥8,500
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