坂本龍一、「映画にせよ音楽にせよ、健康じゃないと楽しめない」

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4月7日、坂本龍一が恵比寿ガーデンプレイスで行なわれた映画『レヴェナント:蘇えりし者』の試写会にトーク・ゲストとして参加。音楽制作でのエピソードや、8日から同所で開催されるイベント<commmons10 健康音楽>について語った。

◆坂本龍一 映画『レヴェナント:蘇えりし者』試写会 画像

MCのサッシャから、音楽を担当することになった経緯をまず訊ねられると、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の“右腕”というスタッフから「明日からLAに来てくれ、と。やるともやらないとも言ってないのに(笑)。翌日はさすがに行けませんでしたけど。」と、突然、電話がかかってきたことを明かして客席を驚かせた。

そんな映画『レヴェナント:蘇えりし者』の音楽は、音楽と効果音の境目が良くわからない作品。風の音などの自然の音も効果音のように聴こえるが、実際は制作された音。事前に監督とピアノは使わないようにと相談し、弦を直接叩くなどして、不思議な音を作ったなど苦労したエピソードを、ステージ上のピアノで実際に音を鳴らしながら披露。またイニャリトゥ監督は、メキシコでラジオのDJをやっていた事があり、「音楽に対する感覚とセンスがめちゃくちゃいい。」と坂本は評し、そんな精度の高い耳で様々な注文出してくるので、足掛け6ヶ月に及んだ音楽制作は「細かくて参りました!」と苦笑い(「監督しては大変だけど、友達としては非常に面白い(笑)」とのこと)。しかし完成試写を見て、「音楽が大きかった。予想よりも(笑)。映画によってはこっちが思っていたよりも小さく使われて、こっちが聴いてほしいところが聞こえなかったりするんだけど、今回はデカい。」と、予想してたより音楽が大きな音で使われてたいた事に驚き、心配しつつも、楽曲を制作した身としてはちょっと嬉しくもあることを語っていた。

続いて、サッシャーからピアノ演奏を求められると、グランドピアノを目の前にして「これはなんだろ?」ととぼける仕草を見せて客席を笑わせつつ、映画に使われた音楽をピアノで3曲を演奏。2曲目に演奏した楽曲は「監督は大絶賛してたのに、本編では使われずエンドロールで流れたのみ」とこぼし「やろうかな、悔しいから!」と披露していた。

坂本龍一は8日から始まる<commmons10 健康音楽>のホストを務める。このイベントは、「音楽」「食」「運動」「笑」「知」をテーマに恵比寿ガーデンプレイス内の各所で3日間繰り広げられる。坂本は「人生初の大病をして、おかげさまで治って、こんなハードな仕事ができるようになったんです。」と、闘病生活を経て、体重が10kg減ったことを明かす。さらに、「昔から、健康とか気を使ってくらしてきたんですけど、病気になってしまったんですけど、治ったからといって以前と同じような生活をするのではなく、気を使って生活しています。映画にせよ音楽にせよ、健康じゃないと楽しめないんですよ。健康と音楽は大切な結びつきなんだなって身を持って知りました。」と、免疫力上げるために三遊亭圓生のDVDBOX買ったエピソードを披露。そんなお笑いや健康に関するワークショップなども用意される<commmons10 健康音楽>への参加を呼びかけていた。



photo by 南賢太郎

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