【密着レポ】藍井エイル、ツアー2公演目のさいたまで「なまら熱い!」

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藍井エイルが3月21日(月・祝)、HEAVEN'S ROCK さいたま新都心 VJ-3にて全国ツアー<Eir Aoi LIVE TOUR 2016 “D'AZUR-EST”>の2公演目を開催した。同ツアーは2015年6月に発表された3rdアルバム『D'AZUR』を掲げて行われるもの。日本武道館初ワンマンやワールドツアーなど、そのリリースから現在までに様々な経験を得た藍井エイルが、“最上級のステージを見せたい”という想いを“D'AZUR-EST”というタイトルに込めて開催する自身最大規模の全16公演 (+追加公演NHKホール) となる。

◆藍井エイル 画像

春分の日の振替休日となるこの日、東京では桜の開花宣言が行われてすっかり春の陽気。取材班が到着した13時すぎには、ファンクラブ“エイルランド”会員限定グッズを買い求める長蛇の列がさいたま新都心VJ-3の周囲を取り巻いていた。


会場内に入るとサウンドチェックの準備が着々と進められており、エイルバンドのメンバーもそれぞれのセッティングに余念がない。楽屋で準備中の藍井エイルが笑顔で出迎えてくれた。「身体中が痛いんです(笑)」とは本人の弁。これは酸欠状態の激戦が繰り広げられたツアー初日@宇都宮公演の勲章のようなもので、ステージ上の楠瀬タクヤも「一昨日の痛みが今も(笑)。ライブは全身運動だということがよくわかる!」と、メンバーお揃いのボディストレッチ用品“のび~るフィットネス”で身体をほぐす一幕も見受けられた。


藍井エイルの本番リハーサルは密度が濃い。サウンドチェックを経て、「よし、やってみますか!」というバンマス重永亮介のひと言からスタートしたリハーサルは、たとえば重永から「この曲はしっとりしたナンバーだけど演奏自体はパワー感を持たせて」とか、タクヤから「この3曲のブロックはダークに内向的に、だよね」などの指示が冒頭に発せられ、そのイメージに沿ったサウンド&プレイが繰り出される。曲間のつながりや演出上の決め事はもちろん、細かく言えば、左右チャンネル間でのシーケンスのパン速度、楽曲エンディング時のサスティンの長さ、フロアに人が入った状態で藍井エイルの姿が客席後方からどの程度見えるかなど、繊細なサウンド表現やパフォーマンスの動き方まで、舞台スタッフの指揮も実に事細かで的確だ。

初日を経たところで、新たな試みや変更が出てくるのは当然のことであり、ツアー序盤には“ならでは”の緊張感がある。「この曲、私の歌、走ってるかな」と藍井エイルがメンバーにアドバイスを求めれば、「いや、演奏があえて後ろで取ってるから問題ないよ」など詳細な意思疎通が繰り返されて、単なる流れのチェックだけではないリハーサルがますます熱を帯びていく。たったひとつの演出も、自分たちの納得がいくまで何度も試して妥協がない。アーティストとしてのこだわりや、最高のステージを見せたいという想いがひしひしと伝わってくるようで、シビアなプロの現場をみることができた。

一方で、リハの合間にタクヤが叩いたフィルフレーズを重永が瞬時にシンセでコピー再現する微笑ましい掛け合いや、雑談も飛び交うなど、バンドメンバーやスタッフと和気あいあいとした雰囲気はいつもどおり。ギタリストの新井弘毅はヌーノ・ベッテンコートの超絶フレーズを飛ばしまくって楽しげだ。開場時間ギリギリまで続いたリハーサルは2時間半を超えるロングサイズのもので、そのラストは「今日はツアー<”D'AZUR-EST”>2日目。絶対にいいライブになります! 素晴らしいライブを作り上げましょう!」という藍井エイルの言葉に続け、「えいえいるー!」の掛け声で士気を高めた。


開演までの時間は、藍井エイルもメンバーそれぞれも楽屋で準備を整えながらのリラックスムード。「衣装が毛羽立たないように、スタイリストさんがスプレーをいっぱいかけて、押さえてくれました」とステージ衣装に着替えた藍井エイルが教えてくれた。エイルバンドとしては今回のツアーが初参加となるギタリストの篤志は「実は今日俺、靴下が青なんです」とメンバーの一員としての意気込みを表し、ローリンことベーシストの黒須克彦も青いリストバンドを着用して準備万端だ。そして、いよいよ本番2分前。「空間を大きく。もはや武道館を通り越して、ここはさいたまスーパーアリーナだと思って、今日は大成功のライブを絶対にします! せーの!“えいえいるー!”」とメンバー全員でハイタッチをして、いざステージへ。


開演時刻の17時。ツアー<Eir Aoi LIVE TOUR 2016 “D'AZUR-EST”>は100人規模のライブハウスから3000人規模のスタンディングホール、そして自身初となるNHKホールまで会場規模もさまざま。キャパシティ約350人のさいたま新都心 VJ-3は前々日の宇都宮公演に比べれば倍以上の大きさがあるが、最後方までギュウギュウのすし詰め状態だ。場内が暗転すると、客席一面に輝く青いペンライトが美しい。逆光の中にエイルバンドの5人のシルエットが浮かび上がり、藍井エイルが続いて登場、左手を高々と掲げるとライブが幕を開けた。

「最後まで楽しんでいくぞ!」

オープニングナンバーのインターで荒々しく会場を煽った藍井エイルは、その後も立て続けにアッパーチューンで会場を温め続けた。ツアータイトルに冠されているようにセットリストはアルバム『D'AZUR』収録曲を中心としながら代表曲の数々やレア曲が披露されていくもの。中盤のMCで藍井エイルは今回のツアーについてこう語っている。

「おとといツアー初日を迎えて、今日もなまら熱いですね、すごい! “D'AZUR-EST”という名前のツアーは、3枚目のアルバム『D'AZUR』を掲げたものです。『D'AZUR』は今までの藍井エイルらしい部分と、新しいサウンドを取り入れた藍井エイル、その2つが共存しています。ライブでもその2つの表情を楽しんでいただきたいと思っています」

『D'AZUR』は硬質なサウンドとハイトーンボイスによる本来のクールなイメージはそのままに、デジタルサウンドや人間味溢れるバンドサウンドをフィーチャーするなど実に振り幅の広いアプローチで構築されたアルバムだ。結果そのステージは、変化に富んだ演奏メニューが自身の音楽的多彩さに加え、どんなジャンルの楽曲であろうとあくまでも藍井エイル色に染め上げていくことを印象付ける。まだツアー序盤なので、これからライブをご覧になる方のためにも具体的な演奏曲目や演出、衣装の詳細ついては触れずにおきたい。が、ひとつ特筆したいのは『D'AZUR』収録曲の中でもデジタル要素の強いダークなヘヴィチューンだ。

今回のエイルバンドに、ギタリストの土屋浩一に代わって参加している篤志は、エイルファンには“DJスタイル”でお馴染みのミュージシャンだろう。夏フェス<イナズマロックフェス 2015>やワールドツアー最終日となるシンガポール単独公演では藍井エイルと2人で数千人、数万人を熱狂させてきた。ちなみに篤志はポルノグラフィティの新藤晴一や湘南乃風のSHOCK EYEと音楽プロジェクト“THE野党”を結成しているギタリスト&サウンドクリエーターであり、アルバム『D'AZUR』には数曲の作詞作曲や編曲で参加している。そのシルエットがクローズアップされたのは、この夜の中盤セクション。ダウンチューニングが施されたギターや、DJスタイルのエフェクト/サンプラーでデジタルサウンドを操るなど、ライブサウンドに奥行きと広がりを加え、それらダークで定位の低いサウンドをバックにした藍井エイルのボーカルが、ゴリゴリのサウンドに負けない存在感を放って浮遊する。新たなギタリストを迎え、藍井エイル本人が多様なバンドサウンドを存分に楽しむという図式は、セットリストに大きなウネリを与えて気持ちいい。

ライブはこの後も、激しいナンバーを連発。シンガロングやコール&レスポンスもたっぷりに、フロアとステージ上の興奮を限界まで高め、駈け抜けるように本編を終了した。


アンコールのメンバー紹介では、ギタリストの新井が埼玉出身であることを明かして、地元話に花が咲く。開演前の楽屋で「絶対に客席のみんなは知ってるはず」と新井が教えていた埼玉ご当地CMフレーズ「風が語りかけます。うまい、うますぎる!」を藍井エイルが語り、客席にマイクを向ければそれに続けて「十万石饅頭!」とフロアが絶叫。この絶妙なコール&レスポンスに爆笑と大きな拍手が沸いた。

藍井エイルのさいたま新都心初ワンマンは、ステージとフロアが渾然一体となった“えいえいるー!”で終了。最後の最後に全員との記念撮影を行なって幕を閉じた。溢れる笑顔で楽屋に戻ってきた藍井エイルとメンバーは「今日もよかった!」と、無事ステージを終えた喜びと安堵感が入り交じった表情をみせてくれた。リハーサルで垣間見たプロ意識の高さ、そして楽しみ切ったステージ。<Eir Aoi LIVE TOUR 2016 “D'AZUR-EST”>は、この余熱を持って仙台、名古屋へと続く。

取材・文◎梶原靖夫(BARKS)



●12thシングル「アクセンティア」

2016年3月2日リリース
※PS Vita用ゲームソフト「デジモンワールド -next Order-」(バンダイナムコエンターテインメント)主題歌
【初回盤 CD+DVD】SECL-1851~1852 \1,500(税込)
http://www.sonymusicshop.jp/m/item/itemShw.php?site=S&cd=SECL-1851
【通常盤 CD】SECL-1853 \1,300(税込)
http://www.sonymusicshop.jp/m/item/itemShw.php?site=S&cd=SECL-1853
【デジモン盤 CD】SECL-1854 \1,400(税込)
デジモンオリジナルイラスト デジパック仕様
http://www.sonymusicshop.jp/m/item/itemShw.php?site=S&cd=SECL-1854
※3形態共通:『デジモンワールド -next 0rder-』で使用できるアイテムが手に入るプロダクトコード付き!
M1.アクセンティア
M2.Close Friend
M3.春~spring~ ※Hysteric Blueの曲をカバー
M4.アクセンティア(Instrumental)

■藍井エイル「春~spring~」ダウンロードURL
https://itunes.apple.com/jp/album/akusentia-ep/id1085401647?at=10l3PY

■全国ツアー<Eir Aoi LIVE TOUR 2016 ”D'AZUR-EST”>

3月19日(土)HEAVEN'S ROCK 宇都宮 VJ-2
3月21日(月・祝)HEAVEN'S ROCK さいたま新都心 VJ-3
3月26日(土)仙台 Rensa
3月30日(水)名古屋 ダイアモンドホール
4月03日(日)Zepp Tokyo
4月08日(金)金沢AZ
4月10日(日)長野 JUNK BOX
4月14日(木)松山 サロンキティ
4月16日(土)広島 BULE LIVE HIROSHIMA
4月22日(金)福岡 DRUM LOGOS
4月24日(日)熊本 Be.9 V1
4月29日(金・祝)旭川 CASINO DRIVE
4月30日(土)札幌 ペニーレーン24
5月06日(金)神戸 VARIT
5月08日(日)京都 MUSE
5月11日(水)大阪 BIG CAT
¥5,700(税込)別途Dr代 ※東京会場の2F指定席のみ¥6,200(税込)
席種:オールスタンディング(整理番号付)※東京会場のみ2F指定席あり
※3歳以上チケット必要
※お一人様4枚まで

■追加公演<Eir Aoi EXTRA LIVE 2016 "D'AZUR-EST FINALE">

2016年6月23日(木)NHKホール
OPEN 18:00 / START 19:00
¥6,200(税込)/席種:全席指定/※3歳以上チケット必要
(問)ホットスタッフ・プロモーション 03-5720-9999
▼イープラス プレオーダー先行受付中
受付期間:3/29(火)12:00~4/4(月)18:00
http://eplus.jp/eir16e/ (PC・携帯・スマホ)

◆BARKS内<D'AZUR-EST>特設サイト
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