【レビュー】藍井エイル、カバー「春~spring~」が「神曲です」と語られる理由

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藍井エイルが3月2日、12thシングル「アクセンティア」をリリースした。同シングルは2015年、ワールドツアー<Eir Aoi ROCK THE WORLD>で世界10都市を廻り、その凱旋公演にして集大成となる11月の日本武道館初単独公演を大成功させた彼女が、2016年第一弾として放つ作品だ。

◆藍井エイル 画像

2015年の藍井エイルは、前述のワールドツアーや武道館公演をはじめ、シングル3枚とフルアルバム1枚といった制作、全9公演の国内ワンマンツアー、幾多のフェスやイベント参戦、『Mステ』ほかTV番組出演など、実に多忙を極めてきた。ツアーと並行したレコーディングは日常茶飯事。それでも過密状態の活動ペースを落とすことがないのは、「ファンの方々ひとりひとりの気持ちを受け止めることができるような人間的に成長していきたい」という志の高さや、「歌から、数え切れないほどの経験をもらっている」という感謝の気持ち、そして「人生に無駄なことはないと思っているので、基本的に後悔はない」という精神性の前向きさにある。これらの想いは、日本武道館公演時に販売された写真集でも語られているので、機会があればご覧いただきたい。



そして、最新作「アクセンティア」だ。軽快なロックアレンジが直線的なアッパービートに牽引されて瑞々しく、そこに乗るメロディは力強さも切なさも兼ね備えて藍井エイル十八番の伸びやかな高音が果てしない。まさに現在進行形を突き抜ける彼女が堪能できる仕上がりと言っていいだろう。カップリングにはタイプの異なる2曲を収録。「Close Friend」は“雪解け”や“ぬるい風”などのワードが冬の終わりを告げる季節感たっぷりのナンバーであり、クールな肌触りに哀愁漂うサウンドが「アクセンティア」とはまた異なる藍井エイルの魅力を引き出したもの。そしてこのシングルの注目は、もう一方のカップリングナンバー「春~spring~」にある。

同曲は、ヒスブルことHysteric Blueが1999年にリリースした2ndシングルの表題曲であり、その存在を広くお茶の間にまで浸透させた大ヒットチューン(約67万枚のセールスを記録)のカバーとなるもの。作詞作曲を手がけたヒスブルの“たくや”は、現在、藍井エイルバンドでサポートを務めるドラマーの楠瀬タクヤだ。楽曲セレクトについては、先ごろ配信されたLINE LIVE特番『もうすぐ「春~spring~」だ!えいえいるー♪』にて藍井エイル本人が、「学生時代に組んでいたバンドのリハーサル中に、突然「春~spring~」を始めちゃったり、カラオケで誰かが入れた「春~spring~」で大合唱したりとか、青春時代の大きな思い出が詰まっている曲」と語っていた。しかし、このカバーは単に昔を懐かしむものではない。原曲を尊重したアレンジながら、現在のエイルバンドだから成し得たアンサンブルがガッチリとスクラムを組んで、躍動的極まりないのだ。



「原曲からアレンジも変わったことにより、「春~spring~」の作詞作曲者であるタクヤさん本人がリアレンジしてドラムを叩いてくれたりしたことにも、本当に感動した…」とは藍井エイルが自身のブログに記した言葉だが、バンマスであり同曲アレンジを手がけた重永亮介と共に楠瀬タクヤが行なったディレクションは、17年前のヒット曲を今に蘇らせると同時に、コンポーザー自身の手で藍井エイルのために名曲を生まれ変わらせたわけだ。先のLINE LIVE特番にゲスト出演した楠瀬タクヤは「今の時代だからこそできる最新のアレンジをしたかった。さらにパワーアップした「春~spring~」になったと思う」と太鼓判を押している。

そのサウンドは、イントロひとつ取ってみてもカラフル。新井弘毅と篤志によるエレキギターと土屋浩一のアコースティックギターは原曲のイントロをより鮮やかなものにして壮快だ。続くAメロでは黒須克彦のベースと重永亮介のピアノが柔らかに楽曲をグルーヴさせ、楠瀬タクヤのドラムは原曲と比較しても全編がハジケるようなキレ味に溢れている。原曲の持つ起伏も、サウンドレンジも、その幅を大きく広げたアンサンブルは2015年のワンマンツアーを共に駆け抜けたチームだからこそ成せる業。どの楽器も有機的に絡み合っているという意味では、パーマネントなバンドサウンドそのものといって過言でないだろう。

結果、藍井エイルの声質本来が持つ圧倒的なパンチ力と真っ直ぐな伸びやかさ、レンジの広さをあますところなく発揮するなど、カバー曲にありがちな、体よくまとめられた感は皆無。“テンポ”や“キー”は原曲のままに、ライヴ感とバンド感を増した同曲は、必ずや3月19日よりスタートする自身最大規模の全国ツアー<Eir Aoi LIVE TOUR 2016 "D'AZUR-EST">を最高潮に盛り上げるナンバーのひとつとなるはずだ。


ちなみに、「春~spring~」レコーディング現場の模様を収録したミュージックビデオFull Ver.がシングル「アクセンティア」初回限定盤付属DVDに収められているほか、オフィシャルYouTubeチャンネルではそのShort Ver.を配信中だ。エイルバンドの笑顔絶えない制作現場はもとより、通常は各パートを別日に録ることが多いレコーディングも、全員が顔を合わせて行われたからこそ、そのサウンドが生き生きしたという事実が伝わるはず。加えて、エイルバンド各々のプレイヤー的見せ場が、楽曲のそこかしこに散りばめられていることが映像からわかる仕上がりとなっている。

なお、藍井エイルはこれまで、YUIの「GLORIA」(YUIトリビュートアルバム『SHE LOVES YOU』収録)や相川七瀬の「Break Out!」(相川七瀬トリビュートアルバム『A-Rock Nation -NANASE AIKAWA TRIBUTE-』/『D'AZUR』収録)など、女性シンガーの代表曲をロックアレンジでカバーしてきた。また、昨年秋リリースの11thシングル「シューゲイザー」はGLAYのHISASHIがプロデュースを務めたギターサウンドが印象的だ。もはやアニソンの枠だけで括ることのできない歌声と、ますます一体感を強めるバンドサウンドを、今、最もわかりやすくカタチにした楽曲が「春~spring~」に他ならない。

最後に、LINE LIVE特番『もうすぐ「春~spring~」だ!えいえいるー♪』にて本人が発した言葉をお借りしたい。藍井エイルの言葉はシンプルだが、カバーへの想いの深さが表れている。

「実はレコーディングに入る前、バンドメンバーに音源を渡すために私の仮歌を入れたデモを作ったんです。そういうデモは100曲ぶんくらいあるんですけど、一番最短で録り終えたのが「春~spring~」。それくらい歌い慣れている曲で、“このパートはこういうふうに歌おう”というイメージが身体に染みついている。デモはわずか2回歌っただけで終わったんです。それに、友だちと一緒に居るときでさえ勝手に歌い始めたり、友だちもボイスパーカッションとかエアギターでそれにノッてくれたり(笑)、本当に“神曲”です」──藍井エイル

文◎梶原靖夫(BARKS)


■藍井エイル「春~spring~」ダウンロードURL
https://itunes.apple.com/jp/album/akusentia-ep/id1085401647?at=10l3PY

●12thシングル「アクセンティア」

2016年3月2日リリース
※PS Vita用ゲームソフト「デジモンワールド -next Order-」(バンダイナムコエンターテインメント)主題歌
【初回盤 CD+DVD】SECL-1851~1852 \1,500(税込)
http://www.sonymusicshop.jp/m/item/itemShw.php?site=S&cd=SECL-1851
【通常盤 CD】SECL-1853 \1,300(税込)
http://www.sonymusicshop.jp/m/item/itemShw.php?site=S&cd=SECL-1853
【デジモン盤 CD】SECL-1854 \1,400(税込)
デジモンオリジナルイラスト デジパック仕様
http://www.sonymusicshop.jp/m/item/itemShw.php?site=S&cd=SECL-1854
※3形態共通:『デジモンワールド -next 0rder-』で使用できるアイテムが手に入るプロダクトコード付き!
M1.アクセンティア
M2.Close Friend
M3.春~spring~ ※Hysteric Blueの曲をカバー
M4.アクセンティア(Instrumental)

■全国ツアー<Eir Aoi LIVE TOUR 2016 ”D'AZUR-EST”>

3月19日(土)HEAVEN'S ROCK 宇都宮 VJ-2
OPEN 16:30 / START 17:00
(問)ホットスタッフ・プロモーション 03-5720-9999  
3月21日(月・祝)HEAVEN'S ROCK さいたま新都心 VJ-3
OPEN 16:30 / START 17:00
(問)ホットスタッフ・プロモーション 03-5720-9999
3月26日(土)仙台 Rensa
OPEN 16:00 / START 17:00
(問)キョードー東北 022-217-7788(平日10:00~19:00・土10:00~17:00)
3月30日(水)名古屋 ダイアモンドホール
OPEN18:00 / START 19:00
(問)サンデーフォークプロモーション 052-320-9100
4月3日(日)Zepp Tokyo
OPEN 16:00 / START 17:00
(問)ホットスタッフ・プロモーション 03-5720-9999
4月8日(金)金沢AZ
OPEN 18:30 / START 19:00
(問)キョードー北陸チケットセンター 025-245-5100
4月10日(日)長野 JUNK BOX
OPEN 16:30 / START 17:00
(問)キョードー北陸チケットセンター 025-245-5100
4月14日(木)松山 サロンキティ
OPEN 18:30 / START 19:00
(問)DUKE松山 089-947-3535 (平日10:00~18:00)
4月16日(土)広島 BULE LIVE HIROSHIMA
OPEN 16:15 / START 17:00
(問)キャンディープロモーション 082-249-8334(平日11:00~18:30)
4月22日(金)福岡 DRUM LOGOS
OPEN 18:00 / START19:00
(問)キョードー西日本 092-714-0159
4月24日(日)熊本 Be.9 V1
OPEN 16:15 / START 17:00
(問)キョードー西日本 092-714-0159
4月29日(金・祝)旭川 CASINO DRIVE
OPEN 16:30 / START 17:00
(問)WESS 011-614-9999 (平日11:00~18:00)
4月30日(土)札幌 ペニーレーン24
OPEN 16:30 / START 17:00
(問)WESS 011-614-9999 (平日11:00~18:00)
5月6日(金)神戸 VARIT
OPEN 18:30 / START 19:00
(問)キョードーインフォメーション 0570-200-888
5月8日(日)京都 MUSE
OPEN 16:30 / START 17:00
(問)キョードーインフォメーション 0570-200-888
5月11日(水)BIG CAT
OPEN 18:00 / START 19:00
(問)キョードーインフォメーション 0570-200-888
¥5,700(税込)別途Dr代 ※東京会場の2F指定席のみ¥6,200(税込)
席種:オールスタンディング(整理番号付)※東京会場のみ2F指定席あり
※3歳以上チケット必要
※お一人様4枚まで

■追加公演<Eir Aoi EXTRA LIVE 2016 "D'AZUR-EST FINALE">

2016年6月23日(木)NHKホール
OPEN 18:00 / START 19:00
¥6,200(税込)/席種:全席指定/※3歳以上チケット必要
(問)ホットスタッフ・プロモーション 03-5720-9999
※2016年3月2日(水)0時より、モバイルファンクラブ「エイルランド」(www.aoieir.com)にて先行予約受付開始

◆「アクセンティア」特設サイト
◆藍井エイル オフィシャルサイト
◆藍井エイル オフィシャルTwitter
◆藍井エイル オフィシャルFacebook
◆藍井エイル オフィシャルYouTubeチャンネル
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