【インタビュー】KIRA、「ツラいからって投げ出したり切り離してしまったらそれ以上何も生まれない」

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約1年前にリリースした1stフルアルバム『LISTENER KILLER』がロングセールスを伸ばしているなか、ミニアルバム『SURVIVE』を3月2日にリリースするKIRA。今作は「愛と裏切り」をテーマに、KIRAの身の回りにおこった出来事からリアルなメッセージを詰め込んだ作品。J-POP、R&B、EDM、レゲエなど最新のサウンドに乗せ、KIRAがリスナーに伝えたいメッセージとは何だったのかを本人に語ってもらった。

◆KIRA~画像&映像~

■先行配信の曲ではそういうテーマには触れていないんですが
■この作品の始まりのテーマは「愛と裏切り」なんです


――前作『LISTENER KILLER』は、KIRAさんが音楽活動を始めてからの集大成であり、ベスト盤のような一枚でしたが、今作『SURVIVE』はどういうところから作り始めたんですか?

KIRA:今作はプライベートの生活の中で起こったことを盛り込んでるんです。実はテーマがあって。

――どんなテーマですか?

KIRA:自分が音楽活動をしたり、恋愛したりする中で、前作のツアーファイナルで、私がファンのためにMCで「隣に居る人を許して、愛してあげてください」って言ったんですよ。


▲ミニ・アルバム『SURVIVE』初回限定盤


▲ミニ・アルバム『SURVIVE』通常盤

――キリスト教の教えのような言葉ですね。

KIRA:みたいですよね(笑)。でも、自分自身が信じて尽くしていた人に裏切られたと思うようなことがちょうど重なって。あの時私はMCでみんなに「許せ」って言ったのに、実際には全然許せなくて、バッドな自分になってしまったので、このアルバムのテーマが「愛と裏切り」になったんです。アルバムの先行配信の曲ではそういうテーマには触れていないんですけど、実はこの作品の始まりはそこからなんです。

――それは聴いててもすごく伝わりました。そこを中心としたひとりの女性の物語のようです。裏切られて傷付いたけど、それを受け入れて立ち上がって行くというような。

KIRA:まさにそんな感じ。やっぱり私は信じたいし、信じる方を選ぶ自分でいたい。そういうことを提案せなあかんなと。「裏切られた、だからもう信じない」で終わって、それを拡散したらあかんから、自分もリアルに人を信じて、信じようと努力して自分を磨こうと。「どんなことがあっても、自分は信じる」という答えをこの作品で出さなあかんかなって思いました。


――いまの話は8曲目の「And I... S.U.R.V.I.V.E」に集約されていますね。「経験を無駄にしない」という歌詞に向かって進んでいくというか。

KIRA:それしかないんでね。歌にせんかったら、“何のためにこんだけ傷付くねん”って思う。そのために、人一倍痛い経験せなあかんし。“それを歌にして聴く人にパワー与えられたらなんか意味あるんちゃう?”って思うから。

――1曲目の「BINBO RAINBOW」で、自分のことから始まって行くのがこの作品の物語要素を強めていますね。好きな服を着てオシャレして、夢を叶えたいと思って頑張ってるKIRAさんみたいな女の子が主人公で。枕は漫画本って歌詞があるけど、これはリアル?

KIRA:はい。引っ越したばかりの時に部屋に何もなくて、借りた漫画本を枕にして、バスタオルを掛けて寝ていたんです。ほんまは、これをリード曲にしたいくらい、めっちゃ気に入っていて。少し前までは私もバイトをしながら音楽活動をしていたんです。ファンの子の中にもバイトをしながらダンスをやったり、ホンマはそれ一本で行きたいけど、バイトせなまだ生活が成り立たない。私もこの前までそれをやっていたから、いま歌わなあかんなと。“オシャレしたい!でもビンボー”っていうのがコミカルに書けそうだから、この曲ならイケるんちゃうかなって感じで作ってみました。


――2曲目の「星の輝く夜」はアルバムのリード曲なんですね。この曲で一番言いたかったのは「あなたが満たされていなければ、私も満たされない」ってところですか?

KIRA:そう! それがパンチライン。このアルバムを作る意味はこの曲と8曲目を作ることっていうくらいの重要な内容なんですよ。アルバムを支えてる。実際に自分が好きな相手に言って喜ばれたことでもあるんです。だからパンチラインになったんです。自分が言うだけじゃなく、相手からすごく反応があった言葉なので。自分はこういう事が言いたいというのを書いて、作詞家の為岡そのみさんに託して、返ってきたものを、私らしいワードに変えて完成したという感じですね。

――そういうやりとりがあったんですね。

KIRA:はい。なるべく実際に起こった、リアルに近づける作業でした。作りやすかったです。プロの方の構成力って凄いですよね。

――「あの時許してなかったら」っていう言葉は、最初に話していたことが歌詞になってるんですね。

KIRA:男の人に裏切られることってみんな経験すると思うんです。でも、ファンの子たちのような年頃の若い女の子は、許せなくて終わりにしてしまう人が多いと思うんです。でも、大人の女性って、浮気されても許して一緒にいる人が多いと思って。現実的な話、旦那さんが稼いでくれてるからという金銭的なこともあるのかもしれないけど、ホンマの意味で愛を超える愛みたいな、許した後に何かあるんじゃないかなって。

――絆が出来たり?

KIRA:そう、絆。そういうことを提案していけたらなって。自分でもそうやって許して、相手との絆を感じてみたいし、みんなと共有したい。「許したらこんな風に思えるんだよ」って。自分がめんどくさいから、嫌やから、辛いからって投げ出したり、切り離してしまったら、それ以上、何も生まれないっていうことに今更ながら気がついて。だから、しんどいことが起こっても、「そこからどうする?」っていうのを提案したいと思いました。相手が友達でも、喧嘩したあとに立ち向かって話し合って、もう一回繋がれたらもっと強い絆ができる。

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