【インタビュー】家入レオ「一歩を踏み出してみたらホントに世界がキラキラして見えた」
2月2日にZepp Diver City TOKYOで開催された<LIVE at Zepp 2016 ~two colours~>の初日公演でシングル「Hello To The World」を初披露、自己最多となる20公演を回る全国ツアー<5thワンマンTour 2016>を9月から開催することを発表した家入レオ。デビュー5年目に新たな扉を開いた爽快なロックチューン「Hello To The World」は、家入レオの代表作となったヒット曲「君がくれた夏」があったからこそ生まれた曲だと彼女は分析する。さまざまなことに心が揺れ動いた時期を超えてその手に掴み取ったものとは? 今の心境をありのままに語ってくれたロングインタビューをお届けしたい。
◆家入レオ~画像&映像~
■「君がくれた夏」は自分のことも含めつつ一歩半ぐらい目線をひいて歌詞を書けた
■その余白みたいなものにみんなが心を重ねてくれたのかなって思いました
――まず、2015年の後半を振り返ると月9のドラマ『恋仲』の主題歌「君がくれた夏」がヒットを記録したり、学祭にも多く出演したりとレオさんにとって、とても収穫が多かったのではないかと思うのですが。
家入レオ(以下、家入):デビューしてから、ずっと土を耕すことに精を出していたんですが、2015年の後半はいろいろと種まきをしていた時期でしたね。2017年、私はデビュー5周年の節目を迎えるので、長く音楽をやっていく上で新しいトライアルをしていたというか。
――それは今回のシングル「Hello To The World」に繋がるトライアルですか?
家入:今回の曲にも繋がっていますし、環境的にもデビュー前から関わってくれたスタッフの方が変わったりと2015年は変化がすごくあった年だったんです。アーティストって、アルバムを3枚リリースすると完全燃焼したような気持ちになるというか、超えなければならない波が来るっていいますよね。私もすごく考える時期になって、3rdアルバム『20』をリリースしたことと20才になった転機が重なって「うーん」って悩んだこともあったし、いろいろなことがいっきに押し寄せて、喜怒哀楽の波が全てあったというか。
――感情の波が激しかった1年だったんですね。
家入:そうですね。いいことも悪いことも最大でした。
――「君がくれた夏」が同世代を含め、幅広い人たちに聴かれたことは、良いことの1つですよね。
家入:はい。実は最初はこんなに反響をいただけるとは思っていなかったんです。今まで出したシングルには全部自信があるんですけど、「これは届く!」って思っていたものが意外とそうでもなかったりして、「君がくれた夏」は自分にとって予想外だっただけに“なぜなんだろう"って。それで分析した結果、これまでは自分の過去の体験をもとに“私はこういう人間なの"って歌うことが多かったんですけど、「君がくれた夏」に関してはドラマの主題歌をいただいたこともあって、自分のことも含めつつ、一歩半ぐらい目線をひいて歌詞を書けたんですね。その余白みたいなものにみんなが心を重ねてくれたのかなって思いました。
――日本のみならず、タイや香港でもiTunesの1位を記録することになった曲だし。
家入:そうですね。前からYouTubeを通してアジアの国の方からコメントをいただくことが多かったんですが、さらに反響が増えました。
――リスナーの裾野が広がった曲なんですね。
家入:今まで遠巻きで見ていた人たちがグッと円の中に近づいてくれた感覚はありましたね。
――ライヴでそれを肌で感じたのでは?
家入:いちばん感じました。学園祭に出演したら、曲名を言っただけで“ワ~ッ!”と大きな声援をもらって、生で感じたことがいちばんの原動力になったし、そういう中でできた曲が「Hello To The World」だったんです。いろいろなことがあったけど、結果、前向きになれて未来に繋げられた1年だったと思います。
――「Hello To The World」はふっきれた開放感を感じさせてくれるアッパーなナンバーですが、2015年に感じたことと切っても切り離せない曲なんですね。
家入:はい。「君がくれた夏」がなかったら、生まれなかった曲ですね。あの曲がヒットしたことによって未来の自分を考えたというか、正直、“わぁ! やったー!"っていうより“どうしよう"って。反響が大きいと次にリリースする曲について、いろいろなことを考えてしまって。その時に新しいことに挑戦しないとダメだなって。
――チャレンジしないと行き詰まっちゃうって?
家入:煮詰まっちゃうなと思ったんですよね。17才でデビューして自分を取り巻く環境が動いている状況の中、流れに乗れなかったらどうしようっていう不安もあったし、いつも羅針盤みたいなものを探していて。でも、誰かの言うことを聞いていれば未来が安泰なんてことはないわけで、全部が正解なんてありえない。だったら、自分が思ったとおりに笑って傷ついて歩いていくほうが絶対に得るものは大きいなと感じたんです。
――その第一歩が「Hello To The World」なんですね。
家入:はい。この曲は多保孝一さん(ex. Superfly)に初めてプロデュースしていただいたんですが、最初にお会いした時に音楽に対する敬意を感じて「この方とだったら、新しい何かが出来るかも」とワクワクしたんです。まずは一緒にスタジオに入ってみましょうっていうところから始まってお互いにギターを持って、多保さんが作ったコード進行に私がメロディを乗せて、「ここはもっとこうしたほうがいいよ」ってアドバイスをもらったりしながら作ったのが「Hello To The World」です。
――歌詞も“扉を開け 風にまたがり”“行くんだ 今日のその先へ”など、とても表現がストレートで力強いですよね。
家入:そうですね。多保さんと一緒に作っている時にパッと浮かんだ言葉をそのまま使っていたりするので。今の自分は曲を作ってリリースしてツアーも出来て、すごく幸せなんですけど、そんな中、もっと新しい刺激が欲しくなったんです。また新しい一歩をこれから踏み出していくんだっていうリアルタイムな気持ちを綴れたと思っています。曲の原型が出来た時、絶対にリリースするべきだと思ったから、音源を持っていってスタッフさんに初めて「この曲をリリースしたい」って自分から言ったんです。その時にみんなが嬉しそうにしてくれたのが印象的で、やっぱり自分で責任を持って発信していかないとダメだなって改めて思いました。
――では、歌入れもこれまでとは違う雰囲気だったんですか?
家入:全然違いました。これまでは西尾芳彦さんにプロデュースしていただいていて、西尾さんは感情論に重きを置いて歌のディレクションをしてくださる方なんですが、多保さんはどちらかというと技術面でアドバイスしてくれる方なので、歌い方が今までと少し違うと思います。抜ける感じが増しているんじゃないかな。
――勢いがありますよね。
家入:この曲、ホントに難しいんですよ。キーが高いところでずっと歌っているので、1回歌うと4~5曲分のエネルギーの消費量(笑)。
――いろいろな意味で次の扉を開けた曲ですね。
家入:そうです。ただ、積み上げてきたものがあっての今なので西尾さんから受け継いだ歌い方も入っている。私、今までリリースした曲は全部、大好きなんです。すべて愛を込めて作ったって胸を張って言える。だからこそ、今が常に大事だと思うんですよね。小学生の子供たちが高校生になった時にまだ私が活躍できてたら、「家入レオの1stアルバム聴いてみようかな」って思ってくれるかもしれない。そのためにも1年、1年、しっかり積み重ねていかないと過去の作品が埋もれてしまう気がするんです。ずっと“家入レオ”でいるために新しいことをやっていくことが過去を守ることや恩返しにも繋がるんじゃないかなと思っています。
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