【詳細レポ】VAMPS主宰<HALLOWEEN PARTY>神戸2日目、「今夜は一晩中シバくから!」
VAMPS主宰<HALLOWEEN PARTY 2015>全5公演のうち、2公演目となる神戸ワールド記念ホール2日目の出演者はVAMPS、BREAKERZ、MY FIRST STORY、椎名ぴかりん(スペシャルパフォーマー)、そしてHALLOWEEN JUNKY ORCHESTRAといった面々だ。2014年以上に強みを増したラインナップ。会場にはドレスコードである仮装に身を包んだ“元気に死んでる”オーディエンスが集まり、開演前から異様な熱気が昂っていた。先ごろ公開した速報レポートとオフィシャルレポートに続いて、10月18日に行われた神戸2日目の詳細レポートをお届けしたい。
◆<HALLOWEEN PARTY 2015> 画像
トップバッターとして会場を大いに沸かしてくれたのは、同イベントおなじみのDAIGO(Vo)がヴォーカルを務めるBREAKERZだ。ステージ後方からカーテンで仕切られた怪しげなフロートが登場するも、まだその姿は見えない。そして真っ暗な会場に聞き覚えのあるゲーム音楽が鳴り響くと、会場からは大きな歓声が湧いた。花道に登場したのは『モンスターハンター』のキャラに仮装したメンバーたち。緻密に造り込まれた衣装に、観客からは大きな歓声が湧き起こった。それもそのはず。実は今回の衣装、DAIGOが同ゲームのCMイメージキャラを務めていることから、スポンサーでもあるゲーム会社『CAPCOM』からオフィシャルでレンタルしてきたそう。<HALLOWEEN PARTY 2014>でも同様の仮装を披露したDAIGOだが、衣装がオフィシャルであることに加え今回はBREAKERZとして3人の出演ということで、大幅パワーアップを果たして帰ってきたことになる。
ゲーム内での戦闘シーンを再現しつつ、それぞれの武器を楽器に持ち替えた彼らが1曲目に披露したのは新曲「YAIBA」だ。AKIHIDE(G)とSHINPEI(G)の疾走感溢れるギターサウンドで勢いをつけると、「NO SEX NO LIFE」ではDAIGOがオーディエンスをこれでもかと煽りまくる。例年、敬愛するHYDEへの愛溢れる思いもあって気合いの入ったステージングで魅せるDAIGOだが、今年は念願のBREAKERZでの参加ということもあり、いつも以上に勢いあるステージングが続いていく。
「神戸のみんな、HMI!! ハロウィン(H) 盛り上がって(M) 行こうぜ!(I)」──DAIGO
と、いつものDAI語で観客を盛り立てるとステージ後半では「WE GO」「SUMMER PARTY」と代表曲を立て続けに披露。「神戸、SKです!! 最高です!!」と熱い言葉を投げかけ、ラストの「灼熱」までハイテンションのままステージを駆け抜けた。
イベントの幕間には、VAMPSメンバーが選んだ仮装オーディエンスらが花道をランウェイに見立て披露する『HALLOWEEN COLLECTION』を今年も開催。さすが予選を勝ち抜いただけあり、ゾンビや死神、花嫁、デビルマンキャラのシレーヌやHYDEが考案したキャラCHUPACABRAなど、どれも手の込んだものばかり。ショーのラストには明希(シド)と柩(ナイトメア)の2人も仮装でランウェイへ。しかし、まさかの『東京喰種 トーキョーグール』のカネキ姿で仮装が被るというハプニングが。実はイベント3日前にこの事実を知ったという2人。この緊急事態に会場からは笑いが起きるが、この衣装被りがその後のステージでもさらなるハプニングを起こすことになるとは…。
続いてステージに登場したのは、本イベント初登場のMY FIRST STORYだ。「楽しもうぜ! HALLOWEEN PARTY!」とHiro(Vo)がステージで叫びを上げるも会場からはざわつきが……そう、Hiroが選んだ仮装も前出の明希&柩と同じ、『東京喰種 トーキョーグール』のカネキだったのだ。しかし、この予想外のハプニングが会場を一挙に味方につけた。1曲目「ALONE」から重厚なサウンドを轟かせていく彼らは、初出演に加え、鳴らすジャンルも他出演者とはひと味異なるラウド&ヘヴィというアウェーな環境下にも物怖じすることなく、真っ向から迫力ある音で勝負していく。
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続く「The Story Is My Life」ではHiroが激しくスクリーム、Teru(G)、Sho(G)のギターは激しく交錯。出だしこそは呆気に取られていたオーディエンスも、気づけば拳を掲げ、音に合わせて身体を揺らしていく。その様子に一番安堵したのはメンバー自身だっただろう。MCでは衣装が被ってしまったことに照れ笑いしつつも、人生初の仮装を楽しんでいることをオーディエンスに伝えた。そしてステージ後半、「FAKE」「モノクロエフェクター」を連発してMasack(Dr)とNob(B)のリズム隊が打ち鳴らす屈強なリズムが会場を揺さぶった。
「そろそろ一緒に限界突破しませんか!」──Hiro
この力強い叫びとともに、渾身の一音を込めた「Second Limit」へ。根っからのライブバンドである彼らからすれば、仮装はもちろん、3方向へランウェイが伸びる華やかなステージに出ることも珍しいだろう。「この日のために何度となくリハ―サルを重ねてきた」という彼らは、「客席から受け入れられないかもという不安があった」と気持ちを正直に吐露した。それでも「自分たちの音楽を感じてほしい」とステージを右へ左へと駆けまわり、がむしゃらに音を鳴らし続ける彼らに、自然とオーディエンスの歓声は大きくなるばかり。ラストの「不可逆リプレイス」では、ストレートにぶつかるサウンドでしっかりと観客の心を掴み、全6曲のステージが終了した。ステージの去り際に、Hiroがノーマイクで「ありがとうございました!!」と叫ぶと、会場からは大きな歓声と拍手が沸き起こった。
続いては、今年から新たに導入されたスペシャルパフォーマー枠の登場だ。ランウェイ先端のサブステージに照明が当たると、そこにキョンシー風ダンサーを引き連れた椎名ぴかりんの姿が。「TAMAMI」から始まった彼女のステージは、キュートなベイビーフェイス&ロリータボイスからは想像もつかない、デスボイス&ヘドバンでオーディエンスの度肝を抜いていく。「魔界のI LOVE YOU」「愛故ノ罪ヲ犯シタ僕ノ詩」でも、“魔界から降臨した”という彼女(「キャラ設定」だと自爆するシーンも)はキョンシーダンサーとともに、予測不可能なパフォーマンスを徐々にエスカレートさせた。白目を剥き、キョンシーよろしく客席内に乱入してオーディエンスのオデコにお札を貼り、さらには「メンヘラ」発言…。ラストナンバーの「ドゲザナイ」では、土下座したオーディエンスの背中を踏みながら渡り歩く、という奇天烈なパフォーマンスで場内を驚かせた。MCのやまだひさし曰く、「ザワザワした」ステージで観客に強烈なインパクトを残してくれた。
イベントも後半、本イベントの主宰であるVAMPSの登場だ。会場後方からフロートに乗って登場したメンバーは、なんとも優雅で耽美なタキシードを身にまとっている。そしてK.A.Z(G)がサブステージに立ち止まると、車イスに乗ったHYDE(Vo)がサブステージ下から登場した。暗闇の中、K.A.ZがゆっくりとHYDEの乗る車イスを押しながら、ランウェイからメインステージへ。その姿がスクリーンに大映しにされると、この日一番の歓声が沸き起こった。今回彼らが仮装のテーマに選んだのは、人気漫画『黒執事』だ。HYDEは主人公のシエル・ファントムハイヴ、K.A.Zは執事のセバスチャン・ミカエリス、Ju-ken(B)はジョーカー、Arimatsu(Dr)はアンダーテイカー、JIN(Key)はタナカ。そのどれもが手の込んだ衣装ばかりだが、特にHYDEはアイパッチに半ズボン姿と原作を忠実に再現している。
「MIDNIGHT CELEBRATION」から始まったステージでHYDEは車イスに乗ったまま。鞭を片手に冷笑の眼差しを見せ、いつも以上のドSぶりを発揮した。続く「KYUKETSU -SATSUGAI VAMPS Ver-」ではK.A.Zのソリッドながら重いギターが、会場の熱気をより増長させていく。
「今日もよくそんな格好で来たね。可愛いやつらだ。楽しんでる? うれしい?」と、MCでは相変わらずのトーンでファンに話しかけるHYDE。メンバー紹介では“執事”と“羊”をかけ、HYDEの問いかけにメンバーが“メェ~”と答えるなどのゆるい一幕も。
「もうちょっと本性出してくれないと! 今夜は一晩中シバくから!!」──HYDE
と煽った後は3曲目の「DEVIL SIDE」へ。ヘヴィサウンドが会場を揺さぶり、オーディエンスも仮装やメイクも気にせず豪快なヘドバンで応える。「JESUS CHRIST」ではHYDEの低く甘い歌声に吸い寄せられ、「SECRET IN MY HEART」の重厚なサウンドに乗せたK.A.Zの緻密な美しいフレーズに聴きほれてしまった。
「1週間くらいやりたいわー。帰ってしまうの寂しいなぁ。残り少ないから、全力で死んでください! 死ぬよ? 一緒に!」──HYDE
と「HALLOWEEN PARTY –ROCK Ver.-」へ。パーティ感満載のロックアレンジが施された同曲に、満面の笑みでステージを見つめるオーディエンスの表情が血みどろの衣装を身に纏っていても活き活きとしている。ラストナンバーの「VAMPIRE’S LOVE」では、これまでのステージとはガラリと印象が変わった。バラが敷き詰められた棺がステージに登場すると、そこに眠っていた美しい女性に優しいキスを贈るHYDE。儚くも美しい楽曲の世界観を一瞬にして作り上げた。K.A.ZとHYDEが奏でる音色と歌声が会場全体を包み込んでいく壮大な楽曲は、濃い色をいつまでも残したまま全8曲のステージが終わった後も、まるで花の香りのように会場中に広がっていた。
音と演出による耽美な世界を体感したあとは、同イベントでしか観られないHALLOWEEN JUNKY ORCHESTRAの登場だ。神戸公演2日目のメンバーはVAMPS、BREAKERZ、MY FIRST STORY、椎名ぴかりん、明希(シド)、anis(MONORAL)、kyo(D’ERLANGER)、逹瑯(MUCC)、Tommy heavenly6、柩(ナイトメア)、ROLLYといった豪華さ。ちなみに、anisは赤い魔女、kyoはナポレオン風、逹瑯はスタイリッシュなおばけのQ太郎、Tommy heavenly6はハロウィンキャット、ROLLYは本人曰く「いつもながら」の仮装(?)だ。HYDEが指揮者となる「Penalty Waltz」では、その指揮棒の動きに合わせられないメンバーがDAIGOのCO2砲のエジキとなるというゲーム感覚の演奏会。いつもながらHYDEの攻撃でケムリを浴びた被害者多数となった。
そしてここからanisが登場。恒例の“アフリカの子供たちのゲーム”では前日とは異なり、罰ゲームに“箱の中身は何だろな”が待っていた。こちらもリズムゲームのひとつだが、最初の犠牲者は初出演のHiro(MY FIRST STORY)だった。「何!? 何!?」とビビりながらの彼が、箱の中に触ったのはイグアナ……。もちろん生きてるやつ。初っ端からパンチの効いた罰ゲームに、主宰のHYDEはテンション下がりっぱなし。
加えて、2回目の罰ゲームは敬愛する先輩kyoだ。「先輩がいくなら、ボクがいきます!」とHYDEが立ちあがるも、kyoも「HYDEがいくならオレも」と、2人で罰ゲームを挑戦することに。箱の中身は可愛いウサギだが、先ほどのイグアナが効いているのか、心底ビビっているHYDEはkyoの手が触れただけで、文字にできない言葉を叫んだ(DAIGO曰く「世界で一番可愛い声」)。泣きそうな表情を見せるHYDEと終始苦笑いのkyo。そんな2人の表情に会場は大盛り上がりとなった。
なお、kyoはD’ERLANGERのツアー真っ最中ということもあって、同イベントへの出演はこの日のみ。「ムリを言って出演してもらいました」というHYDEに、「HYDEのお願いはムリじゃないからね」と、kyoとHYDEによるツインヴォーカルでD’ERLANGERの「an aphrodisiac」が披露される。ROLLY、柩、Teru(MY FIRST STORY)によるトリプルギター、ベースに明希、ドラムにはMAKOTO(BREAKERZサポート)というセッションメンバーは豪華だが、2人のシャウトの掛け合いは輪を掛けて凄まじく、オーディエンスも興奮を隠しきれない。HYDE自身も、「スゲー楽しい! HSやな。ハロウィン 最高!」とDAI語を披露するなど、ゴキゲンな様子だ。ラストはもちろん、HALLOWEEN JUNKY ORCHESTRA全員で「HALLOWEEN PARTY」をセッション。キャンディやチョコをバラまきながらステージやランウェイを練り歩いた彼らは2日間の神戸公演を大盛況のうちに終了した。
取材・文◎黒田奈保子
撮影◎今元秀明/緒車寿一/田中和子
■VAMPS主宰<HALLOWEEN PARTY 2015>
10月18日(日)@神戸ワールド記念ホール2日目セットリスト
1.YAIBA
2.NO SEX NO LIFE
3.WE GO
4.SUMMER PARTY
5.灼熱
【MY FIRST STORY】
1.ALONE
2.The Story Is My Life
3.FAKE
4.モノクロエフェクター
5.Second Limit
6.不可逆リプレイス
【椎名ぴかりん】(スペシャルパフォーマー)
1.TAMAMI
2.魔界のI LOVE YOU
3.愛故ノ罪ヲ犯シタ僕ノ詩
4.魔界女子☆恋モード
5.ドゲザナイ
【VAMPS】
1.MIDNIGHT CELEBRATION
2.KYUKETSU -SATSUGAI VAMPS Ver-
3.DEVIL SIDE
4.JESUS CHRIST
5.SECRET IN MY HEART
6.REVOLUTION II
7.HALLOWEEN PARTY -ROCK Ver.-
8.VAMPIRE’S LOVE
【HALLOWEEN JUNKY ORCHESTRA】
1.Penalty Waltz
2.Rhythm Game
3.an aphrodisiac(D'ERLANGERカヴァー)
※Vo:kyo&HYDE、 G:ROLLY、柩(ナイトメア)、Teru(MY FIRST STORY)、B:明希(シド)、Dr:MAKOTO(BREAKERZサポート)
4.HALLOWEEN PARTY
※HALLOWEEN JUNKY ORCHESTRA are...
VAMPS / BREAKERZ / MY FIRST STORY / 椎名ぴかりん / 明希(シド) / anis(MONORAL) / kyo(D’ERLANGER) / 逹瑯(MUCC) / Tommy heavenly6 / 柩(ナイトメア) / ROLLY
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