【インタビュー】elfin'「ディズニーの悪役ってどこか優しさがあります」

ポスト

ケーブルテレビ/BS・CS放送によるディズニー・チャンネルにて、ディズニー映画の悪役の子どもたちを描いた最新テレビ映画「ディセンダント」が12月に日本独占初放送となる。日本では11月開催の「D23 Expo Japan 2015」で初公開される話題の作品だ。

◆テレビ映画「ディセンダント」、elfin'画像

「ディセンダント」の意味は“子孫”。そのタイトル通り“もしディズニー・キャラクターに10代の子孫がいたら?”という設定から生まれたオリジナル作品だ。ストーリーを紡ぐ4組の親子は、マレフィセントと娘のマル、「白雪姫」の邪悪な女王と娘のエビー、「101匹わんちゃん」のクルエラ・デ・ヴィルと息子のカルロス、そして「アラジン」のジャファーと息子のジェイというキャラの濃い連中が登場する。

プリンセスやヒーロー、そして悪役たち親子が暮らすとある王国を舞台に、悪名高き親を持つ子どもたちの心の成長や友情、自分探しがテーマとして描かれている。親としての素顔を見せる悪役たちや、多感な年頃となった彼らの子どもたちとの親子関係も見どころだ。


「ディセンダント」では、elfin'(エルフィン)がゲスト声優として出演を果たしている点にも注目だ。「全日本美声女コンテスト」でグランプリと準グランプリに選ばれた実力を持つ彼女たちだが、本編ラストに登場する白雪姫と女の子2人の役を演じている。


──ディズニー作品にゲスト出演が決まったときいていかがでしたか?

辻美優:「嘘でしょ?」って思いました。女の子や小さな子どもたちの憧れのディズニーの世界に、私が携わることができるという思いに対しても「嘘でしょ?」の一言でした。

花房里枝:幼いときからずっとディズニーの作品が本当に大好きで、その作品に携わったりすることが夢でもあり目標でした。今回それを叶えることができる機会をいただけて、すごく嬉しくて舞い上がるような気持ちで、今回の収録を頑張りたいと思いました。

高橋美衣:声優として声をあてるということは、その世界に入るということなので、大好きな世界の一員になれることがすごく嬉しくて、初めてスタッフの方から聞いたとき、ふいにそれを教えてもらったので、信じられなくて「えっ?今なんて言いました?」みたいな感じでした。改めて考えてみたら本当にすごいことで、そのときは信じられなかったんですけど、家に帰ってお母さんにも話して一緒に大喜びし、改めて頑張ろうって誓いました。

──収録をやってみて、難しかった/楽しかった点はいかがですか?

辻美優:初めてディズニー作品に携わらせていただくということで、台本をいただいたときから、家でかなり読み込んできたつもりだったのですが…。今回は白雪姫の役をいただいたんですけど、「白雪姫は、今はレポーターだから」という細かい気持ちの部分だとか、「表に見える姿はどういう姿だから、こういう風にしましょう」っていうのを、自分のイメージと、映像の中に出てくる彼女がマッチしてなかったな、という部分があったので、そこがもどかしかったなって思いました。でも実際演じてみてすごく楽しかったし、とても勉強になりました。


▲花房里枝

花房里枝:みゆみゆ(辻美優)と一緒で、練習をしてきたので、ここで頑張ろうと思ってマイクの前に立ったら、距離感とかそのセリフの表現の仕方とか、セリフの裏側にある感情の表現が結構難しくて、一言でも表現することが本当に難しいことなんだと思って、勉強になりましたし、これからもっと頑張ろうと改めて思いました。

高橋美衣:難しいなって思ったことは、思っている事を全面的に出すんじゃなくて、思っているけどこういう言い方をする、ちょっと裏を読むというか考えていることを全部出すわけではないところがすごく難しかったです。1回目2回目3回目と教えてもらいながら、徐々に作っていったんですが、それを段階を追う前に自分自身でできるようになっていけたらなと思いました。あとは距離感が、自分が思っていたのとちょっと違ったりしたのがあったので、教えていただくのも本当に勉強になりますが、自分で考えられる力をもっともっとつけていかなきゃなと思いました。

──本編を観て、それぞれご自身の出来はいかがでしたか?

辻美優:自分の100%の力でやったつもりだったんですけど、ほかの方の演技を見ながらの中で自分の声が聞こえた時に「もっと勉強しなきゃいけないな」と思いました。もっとその世界に溶け込めるというか、ほかの方々との中にスッと入っていけるようにならなきゃいけないなって強く感じましたね。もちろんディズニー作品に出ることができてうれしかったし、監督さんにいろいろと教わって勉強になったっていうのもあったんですけど、改めて自分を見つめ直すことができたのがよかったです。

花房里枝:憧れでありずっと目標だったディズニーの作品に携わることができて本当に夢のようで、うれしいという言葉だけじゃ言い表せないくらい幸せです。実際に作品を見ていてほかの方の声を聴くと「あっ、この声ほかの作品で聞いたことある!」って気づいたり、表現方法の勉強にもなりました。現場でも自分自身の勉強になることが多くてこれからもっと頑張っていかなきゃなと感じました。

高橋美衣:収録の時に監督さんからいただいた指示を自分ができるようになるまで時間がかかってしまったので、そういうところですぐに表現できるようになりたいなと強く思いました。また私も100%出しきってやり終えたつもりだったんですけど、本編を見た時に「まだナチュラルさが足りないな」と思ったんです。本当にその役になりきったつもりでやっていても自分の中で声として演じてしまっている部分があるのかなって気づく事ができて。これからは演じていくうえでナチュラルにそのキャラクターそのものになりきって演じられるような役者さんになりたいなと、この収録で感じました。


▲高橋美衣

──アニメーション作品と実写作品では、アフレコの仕方は違いますか?

辻美優:元の部分は変わらないというか、アニメも実写もその中で生きている人がいて、その人たちが何を思ってそれを言っているのかという根本的なところは変わらないと思うんです。どちらにせよ、自分たちの気持ちを乗せて演技をするという部分をもっともっと磨いていかなきゃいけないなと思いました。

──本作の魅力はどんなところだと思いますか?

辻美優:たくさんあるので挙げていったらきりがないんですけど、まず“ハイスクール”が舞台なので「青春」っていう意味でも「友情」っていう意味どちらでも、友達と一緒に見て楽しめるんじゃないかなと思います。それと、劇中歌が素敵な曲ばかりなので、「ハイスクール・ミュージカル」や「キャンプ・ロック」が好きっていう人には是非見てもらいたいです。

花房里枝:特に好きなのは劇中歌です。ミュージカルテイストになっていて、「ハイスクール・ミュージカル」などディズニー・チャンネルのミュージカル系の作品が好きな人は絶対に好きだと思います。実際に私の友達でディズニーファンの子が「ディセンダント」が日本でも放送されるのを知ってすごく楽しみにしていて、「放送まだなのかな」ってずっと言っているんです。それくらい魅力がいっぱいで、ディズニー好きにとってはたまらない作品ですね。また家族や友達、信じることの大切さを改めて気づくことのできる素敵な作品だと思います。

高橋美衣:親子の関係性が描かれているんですが、特にヴィランズの4組の親子でいうと、子どもたちは親の前ではいつも悪いことをしよう、悪い部分を出そうとしているんです。だけど、ベンをはじめとするプリンスやプリンセスたちのみんなと過ごしていく中で「自分がしたいのはこういうことじゃなくて、本当はいい子になりたいのかな」と葛藤するんですけど、私も同じような経験がよくあるのでとても共感できました。そういうところを見て欲しいですね。

辻美優:ほかにも、今ディズニーヴィランズがブームなのでヴィランズが好きな人には絶対に見てもらいたいですね。特にクルエラはアニメとはまた違ったテイストなので最初はちょっと違和感を覚えるかもしれないけど、最後には絶対好きになるキャラクターだと思います。あとラブストーリーが好きな人には、すごくピュアで純粋な恋愛が描かれているので是非見てもらいたい作品です。劇中歌もマルの恋の葛藤や、親との葛藤を歌っていたりするところも見どころなので、そこもぜひ見ていただきたいです。

──ヴィランズの中で一番お気に入りのキャラクターはいますか?


▲辻美優

辻美優:女性としてのかっこよさを持っているという意味では、私はクルエラですね。スタイルもそうですしおしゃれに気を遣っているところもですけど、女性として一番かっこいいのは彼女だと思います。今回の「ディセンダント」では「101匹わんちゃん」の時や、「101」のクルエラとはまた違ったテイストのクルエラで、お母さん感がちょっと出ているのが、すごく面白いなと思って、また新たなヴィランズが見られるのも今回のTV映画の見どころなんじゃないかなって思いました。男性キャラクターだと「ライオン・キング」のスカーが好きですね。ビジュアルもそうなんですけど結構わかりやすい“悪”というか、自分が王になりたいという強い思いを抱いているのもいいですよね。最後にシンバにやられそうになる時に、ちょっと弱気になっちゃうところもまた悪役らしいな、というところにも魅力を感じます。

花房里枝:この間映画もやっていましたけど、マレフィセントですね。きっかけがあってこその悪役というところに惹かれるというか、本当はすごくいい人なんだっていうところに惹かれます。「眠れる森の美女」の中では悪役なんだけど、そこにかっこよさもあると思うんですよね。今回「ディセンダント」の中でも一番支配欲を持っているマレフィセントが一番かっこいいなと思っていて、今回この役を演じられているクリスティン・チェノウェスさんも、他のドラマとかを見ているとき歌唱力もすごいって思っていて、大好きなので、クリスティンさんの演じるマレフィセントも好きだし、キャラクターも本当に大好きです。

高橋美衣:私は「リトル・マーメイド」のアースラが好きです。とても“悪”だなと思うんですけど、そうなってしまったきっかけはあっただろうし、アースラの歌う曲が大好きでアリエルをちょっとずつ追いつめていくところとかもすごく怖いんですけど、ヴィランズって自分にしかない何かを持っているというか強い意志を持っているなと思うんです。私なんかは意志を持っていたとしてもあっちに行ったりこっちに行ったりするので、そういう意味ではすごく尊敬しますし、アースラも芯の強い女性だなと思います。こうやって考えると、すべてのヴィランズたちの生い立ちというか過去に何があったのかをすごく知りたくなります。自分の中で勝手にストーリーを考えてしまいますね。ほかにも、フック船長はおちゃめなところがすごくかわいくて、「なんでそうなるの?」ってつっこんでしまいます。

辻美優:「ノートルダムの鐘」のフロローはディズニーっぽくないヴィランズかなって思いますね。「ノートルダムの鐘」っていう作品自体がちょっと難しくて、小さい頃もなんとなくでしか見てなかったんです。改めて大きくなってから見てみると、「こういう意味だったんだ」とも思ったし、フロローのキャラクターも「大丈夫か?」って思ったりもするんですけど、今までのディズニー作品にはないキャラクターなので結構好きですね。

花房里枝:「トイ・ストーリー3」のいちごの香りのするくまちゃん(ロッツォ・ハグベア)も悪役なんだよね?

辻美優:そうだね。かわいいんだけど、やってることはとても悪っていうね。「トイ・ストーリー」シリーズにはいくつか悪役は出てくるけど、憎めないキャラクターが多いですよね。

高橋美衣:今回のヴィランズの4人みたいに、どこかに優しさを持っているんじゃないかなって思わせるところが、映画作品などを見ていて惹かれるところだと思いますね。

──これからの3人の目標はありますか?

高橋美衣:elfin’としてはライブの活動もしていたりするんですけど、いつか武道館でワンマンライブができるようになりたいというのが一つの夢です。あとは、曲の中で思いを伝えられるようなアーティストにこれからなっていけたらなと思います。

辻美優:私たちの一人ひとりがいろんな方々の心にちゃんと届くような演技、気持ちを伝えられるような演技のできる素敵な女優さんになっていけたらいいなと思います。

──最後に、BARKS読者へメッセージを。

辻美優:ピュアなラブが見たい人、家族について考えたい人、それから素敵な曲に出会いたい人、あとは私と同じくヴィランズが大好きな人は、何も考えずこの映画を見て欲しいなと思います。

花房里枝:最近ではヴィランズブームも来ているし、ディズニー好きにはたまらない作品だし、このキャラクターに子孫がいたらどうだったんだろうっていう誰もが一度は考えたことのある設定もそうだし、劇中歌も魅力的で、恋愛もあるし、とにかく一言では言い表せないくらいいろいろな魅力が盛りだくさんの作品です。私たちも精一杯頑張ったので、たくさんの方に楽しんでいただけたらなと思います。

高橋美衣:ディズニー好きの人にはたまらない映画だと思います。私も見ていく中で、主人公の4人以外にもいろいろ子孫が出てきて、「こうなってたんだ」っていう発見がたくさんありました。親子の関係性や友情だったり、マルとベンのキュンキュンしてしまうシーンだったり、見た後に考えさせられるシーンもあるし、これからの自分の未来は自分で切り開いていくんだということを発見してもらえるような作品だと思います。

(C)Disney

この記事をポスト

この記事の関連情報