【密着レポ】藍井エイル、全国ツアー7本目福岡「鱈友達だと思ってます」

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藍井エイルが6月14日(日)、福岡ドラムロゴスにてワンマンツアー<Eir Aoi LIVE TOUR 2015-BEYOND THE LAPIS->の7本目となる福岡公演を開催した。ライブ当日の模様を密着レポートでお届けしたい。

◆藍井エイル 画像

全国9公演の規模で行われる<Eir Aoi LIVE TOUR 2015”BEYOND THE LAPIS“>は、配信サイトで9冠を達成したほか、レコチョクアニメチャートで3週連続で1位獲得、配信サイト「mora」では総合月間チャートで1位を記録するなど、絶好調の最新シングル「ラピスラズリ」を携えて行われるもの。2015年11月には日本武道館単独公演を控える彼女が今、至近距離のやりとりが楽しめるライブハウスでツアーを行なうプレミアムなものでもある。さらに、ツアー直前には「Bright Future」を先行配信したほか、ツアー中の6月24日には3rdアルバム『D’AZUR』をリリースするなど、上昇気流を描き続ける藍井エイルの現在進行形が凝縮されたものになるはずだ。BARKSはその9公演すべてをご紹介する。

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■【密着レポート──福岡ドラムロゴス】
■「これをモノマネで読み上げて!」

この日の藍井エイルは午前11時からアニメイト福岡でアルバムリリースイベントを行なった。控え室のホワイトボードには藍井エイルの似顔絵が描かれたウェルカムボードが。衣装まで緻密に書かれたイラストに本人も感激。すぐさま画像をツイッターにアップしつつ、「書いてくださったスタッフさんにお会いしたいです!」』と懇願するも、あいにくシフトの都合でお休みとのこと。肩をガックリと落とすも、有難いおもてなしに心が温まった様子だ。その後も、他の店員さんのエプロンにあった『刀剣乱舞』のキャラクターに反応した藍井は、終始アニメの話に夢中になっていた。ファンひとりひとりと言葉をかわしてサイン色紙を渡すリリースイベントでは、「ドラムロゴスに行きます!」というファンの声にモチベーションをあげていたようだ。

そして、本日のライブ会場となるドラムロゴスへ。ここは1階にステージとフロア、2階にコインロッカーや関係者席、そして3階に楽屋があり、楽屋前の踊り場からステージを見下ろすことができる。ステージをじっと見つめる藍井エイルの目が真剣だ。また、3階から1階までの長い階段は暗幕で覆われ、その真横にはお客さんの観覧エリアがある。階段を下りながらステージに向かう途中、藍井エイルはこう語った。

「この階段で転んだらヤバいよね…。もし転んだら、“ガラガラガッシャーン“ってコケた音が絶対聞こえてしまうはず。それに、傷だらけでステージに登場しなきゃね!」と、さっきまでの真剣な表情から一転、周囲を和ませてくれた。

この日の昼食は、お弁当箱におかず。白飯は大きな炊飯ジャーから好きな量だけ詰めるシステムだ。ご飯の盛り方が手慣れている藍井エイルは、「大家族のお母さんみたいでしょ?」と得意げ。午前中の藍井エイルは、「前夜に福岡の美味しいご飯をかなりの量食べたので、お腹が空かない」と語っていたのだが、黙々と、ぺロリと平らげてしまった。昨夜藍井と同行し食べ過ぎたというスタッフが「え!? お昼食べられたの?」と信じられないといった形相。「昨日食べたぶんは、もう消化しちゃいました!」と笑顔で応えた藍井エイル恒例の食べっぷりに、もはや我々が驚くことはない。

時刻は13時過ぎ。開場の3時間前にもかかわらず、たくさんのファンが物販開始を待ち望んでいた。気になるグッズはペンライトやTシャツ、スタジャン、ステッカーシート、トレカセットなど充実。スタッフによると「売れ筋はツアータオルとTシャツです」とのこと。藍井エイルのロゴモチーフである蝶が三日月形になった絵柄に、ツアータイトル“BEYOND THE LAPIS”が大きく描かれたデザイン性の高さが人気の秘訣のようだ。

いつも感じることだが、藍井エイルのファンには女性層も多い。「とにかくなんてキレイなの!と釘付けになりました。キレイなんだけど、カッコいい女性って珍しいと思います」(あんりさん)。「声が力強くてパワフル。エイルちゃんの声はシリアスな曲が似合います。ダークな雰囲気の「MEMORIA」と「GENESIS」が特に好き」(あいりさん)。「デビュー曲から好きです。去年ライブをみてから、さらにハマりました。ライブを見たいので地方にもぜひ」(リョウさん)など、彼女たちを魅了する藍井エイルの魅力は“声”と“ビジュアル”という意見が圧倒的。あんりさんは藍井エイルに憧れてショートカットにしたことに加え、この日は藍井エイルのトレードマークでもあるショートパンツで決めていた。

控え室では、藍井エイルがスタッフとスマホの画像を見て大笑い。「“しげこ”と“ひろこ”です!」と本人が差し出してくれたスマホには、サポートメンバーの重永亮介と新井弘毅によるメイクもバッチリな女装写真が(笑)。藍井エイルは現在、化粧アプリで男性メンバーを女装化することにハマっているとのこと。カメラロールにはメンバーやスタッフの女装写真がズラリと保存されていた。「しげこは筋肉が…。青髭が薄くできたら完璧なのに…」と女装研究にけっこうマジだ。

そして、サウンドチェックがスタート。まずはバンドメンバーが音合わせを行なう。藍井エイルは3階踊り場からその様子をうかがいつつ、耳にはイヤフォン、右手には自身のライブ動画が映し出されたスマホを持ってイメージトレーニングをするなど、ウォーミングアップに余念が無い。つい先ほどの笑顔とは空気が変わり、真剣な表情へ。入念にストレッチを行なった後、ステージに上がるとリハーサルが開始された。

本番さながらの歌唱とパフォーマンスからは、万全の体調がうかがい知れる。ステージ中央にセットされたエイルロゴ入りの台座に乗り、「結構高いな~」と観客エリアを見渡した藍井エイルは、アカペラで「Gladius」の歌い出し部分となる“尊いー”の歌詞を何度も繰り返し歌った。そして、ドラマーの楠瀬タクヤに、「ライブ映像をみて、もっと動きをつけたい、大きく見えるように」とスマホ映像を見てもらいながら楠瀬に意見を求める場面も。ツアー終盤にもかかわらず、気になるポイントはすぐに修正する。藍井エイルのステージが日々進化していく理由はここにある。

ステージには3本の飲み物が置かれていた。ひとつは水、もうひとつは養陰清肺なる漢方、最後はスロートコートという紅茶の一種だそうだ。常時3本をセットして、これらをライブ中に飲み分けているとのこと。「スロートコートはるなちゃん(春奈るな)も飲んでるんですよ」と教えてくれた。これらは、あのハイトーンヴォイスを生み出す喉のケアに欠かせないアイテムのようだ。

リハーサル終了後の楽屋では、パソコンを前にスタッフとMCの確認をしている。“BEYOND THE LAPIS”というツアータイトルに込めた意味をわかりやすくお客さんに伝えるために、これまで行なったライブの映像を見ながら言葉選びや話し方について意見を交わし、それらをセットリストに入念に書き込むなど、本番の流れを頭に叩き込んでいる姿が印象的だった。

ここでツアースタッフが、“ムツゴロウマンジュウ”なる鯛焼き風だがムツゴロウのを模したお饅頭を差し入れに。そのネーミングから「え? ムツゴロウって何。具がムツゴロウ?」とクエッションマークが頭に浮かぶスタッフたちに脇目もふらず、「わー! 初めて見ましたー! なにこれー!? 美味しそう」と勢いよく食べる藍井エイル。「モグモグ…ん…? んんー!美味しいー!」と目を輝かせた。「皮はモチモチで中はハムエッグ! マヨネーズの味もまろやか。お饅頭だから甘いと思ってたのに!」と予想を裏切る味に大興奮して、3口で平らげてしまった。その後、藍井がカバンから取り出したのは、ゼリー状の漢方薬。日本では売っていないものらしく、いよいよ本番へと準備を整える。

16時15分の開場と同時にお客さんでいっぱいになったライブハウス。楽屋に過剰な緊張の様子はなく、藍井エイルは淡々とストレッチをこなし、衣装に着替えた。バンドメンバーの重永の地元はここ福岡。「緊張するな…」とつぶやく彼に「大丈夫大丈夫、アンコールは3曲だからね!」と藍井がアドバイス。これには思わず下を向く重永と、爆笑のバンドメンバーの姿があった。実は、先ごろ行われた名古屋公演のアンコールMC中に、重永がアンコールの曲数をネタばれさせてしまうという失敗があったばかり(笑)。重永の緊張を解きほぐして盛り上げようと、藍井エイルがさらにモノマネを披露してリラックスムードを作る。重永は机にあった薬を藍井に渡し、「これをモノマネで説明を読み上げて」と催促。その突然の無茶ぶりにも堂々と応じるなど、本当にバンドメンバーとの仲の良さがうかがえる。

時刻は開演時間の17時。メンバー全員が円陣を組んでの「エイエイルー!」を掛け声にステージへ向かう。その途中、藍井エイルが我々取材班とアイコンタクトを取ってくれる。瞳は気合い十分だ。

◆【ライブレポート──福岡ドラムロゴス】へ
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