【密着レポ】藍井エイル、全国ツアー6本目名古屋「めでたい!」

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藍井エイルが6月10日(水)、名古屋ボトムラインにてワンマンツアー<Eir Aoi LIVE TOUR 2015―BEYOND THE LAPIS―>の6本目となる愛知公演を開催した。当日の模様を、“楽屋密着レポ”、“ライブ直前本人インタビュー”、“ライブレポート”といった3つの視点からお届けしたい。

◆藍井エイル 画像

全国9公演の規模で行われる<Eir Aoi LIVE TOUR 2015”BEYOND THE LAPIS“>は、配信サイトで9冠を達成したほか、レコチョクアニメチャートで3週連続で1位獲得、配信サイト「mora」では総合月間チャートで1位を記録するなど、絶好調の最新シングル「ラピスラズリ」を携えて行われるもの。2015年11月には日本武道館単独公演を控える彼女が今、至近距離のやりとりが楽しめるライブハウスでツアーを行なうプレミアムなものでもある。さらに、ツアー直前には「Bright Future」を先行配信したほか、ツアー中の6月24日には3rdアルバム『D’AZUR』をリリースするなど、上昇気流を描き続ける藍井エイルの現在進行形が凝縮されたものになるはずだ。BARKSはその9公演すべてをご紹介する。

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■【密着レポート──名古屋ボトムライン】
■「スタッズだらけにしたい」

名古屋ボトムラインに到着すると、ステージではすでに何人かのバンドメンバーがサウンドメイク中。前回の大阪・なんばHatchほどではないものの、本日の会場もステージは横幅があり、高めで場内も広い。オーディエンスが入る1階フロアのほかに、照明機材などが設置された2階席もある。楽屋は2階席の横にあるということなので、さっそくドアを開けてみると……そこには、まったりムードが満開(笑)。バンドメンバーと藍井エイルは、テーブルを挟んで置かれた2脚の大きなソファーに身体を深く沈ませ、思い思いの姿勢でリラックス中だ。この部屋の横には藍井エイル用の楽屋が用意されているが、彼女はずっとメンバーたちと同じ場所でなにげない会話を楽しんでいた。

ケーターリングをチェックすると、そこにはお弁当が。恒例の“お弁当チェック”をしようとしたところ、「今日はここに来る前にメンバーと“あつた蓬莱軒”に行ってひつまぶしを食べてきたから、さすがにお弁当はもう無理」と藍井エイル。すでにお腹は満腹、それでこのまったりムードだったのか。

楽屋に戻ってきたローリンこと黒須克彦(B)の洋服を指差して、藍井エイルが「超かぶり!」とはしゃぎだした。見ると、藍井エイルもローリンもこの日の私服は赤いブロックチェックのネルシャツ×ジーンズというコーディネイト。さっそく2人仲よく並んで、藍井エイルがパシャリと自撮り。ステージ同様、普段着も藍井エイルはパンキッシュでロックなファッションが多いそう。

「スカートとかもはいてたんすよ。だけど、だんだんと私服も “藍井エイルっぽいもの”が増えてきましたね。ブレスレットとネックレス、ピアスに指輪。いつもつけてるアクセサリーがあるんですけど。それも、ほとんどがメンズブランドです(笑)。アクセサリーは、とくにゴツい感じのデザインが好き。本当は自分のスマホケースもスタッズだらけにしたいぐらい(笑)」

そんな話をしていると「サウンドチェックを始めます」とスタッフから声がかかり、バンドメンバーが次々とステージへ。そのときローリンが藍井エイルに「喉、戻った?」と声をかける。「うん」と笑顔で答える藍井エイル。どうやら、連日のライブで疲労がたまり、少し喉が腫れているらしい。

サウンドチェックを行なっている間、藍井エイルは舞台中央のお立ち台にちょこんと座り込み、青いツアータオルを首に巻きつける。そして、タオルの上から指で丁寧にリンパ腺をほぐすようなマッサージを始めた。こうして喉のストレッチが終わったら、いつもの “のびーるフィットネス”を持ち出し、今度は背中を中心に上半身のストレッチを開始。

サウンドチェックが終わったところで、藍井エイルのハンドマイクがセットされた。今回のツアーから、彼女が使うイヤモニとハンドマイクのカラーがブルーになったのはご存知だろうか。そのハンドマイクの持ち手、さらにはバンドメンバーが使っている機材にも、よく見ると藍井エイルのロゴマークデザインが施されている。楽屋でもステージ上でも、藍井エイル=バンド。そのことをこの後、目の当たりすることになる。「気を抜かず、精一杯力を出していきましょう」と藍井エイルが叫び「エイエイルー!」の合唱でリハを終えた。

メンバーは再び楽屋へ移動。藍井エイルはケーターリングスペースへ直行した。そこでまずは糖分補給とばかりにスイスの有名ブランド”Lindt“のチョコレートをもぐもぐもぐ。しばらくすると「うわっ! 苦っ」と驚いた表情を浮かべる。「食べてみて」と薦められ、口に入れると最初は甘いのにいきなり苦みがやってくる。「カカオ含有量85%だとチョコもこんな味になるんだ」とつぶやきながらバンドメンバーにも味見を薦める。

そして、お口直しに次に彼女が手を伸ばしたのが”めいふく“の「天むす」。1つ、2つ……天むすがどんどん藍井エイルの胃の中に消えていく(笑)。「天むす、めっちゃいうまい! ひつまぶし食べた後でもどんどんいける」とご満悦。その横で、メンバーたちは“コンパル“の各種サンドイッチの食べ比べに夢中。お腹が満たされ、活力を取り戻した藍井エイルは、楠瀬タクヤがサポートドラムをつとめる名古屋出身アーティスト・清春(黒夢/sads)話で盛り上がり、ここでは藍井エイルがsadsの「忘却の空」をモノマネでカッコよく歌い、みんなを驚かせた。

開演時間が近づき、ライブ本番に向けて各々がヘアメイクをしたり着替えをし始める。すると、ヘアメイク中の藍井エイルに重永亮介(Key)が話しかける。リハ中も喉を気づかっていた藍井エイルに「MCに入ったらすぐにしゃべるんじゃなく、しっかり間をとった後に話し出せばいい」など、ライブ中の喉の休ませ方について細かくアドバイス。さらに、ライブ制作スタッフからは「MCの一つをすべてタクヤに任せるのはどう?」という提案が飛び出した。「それならたっぷり喉を休ませられる」と藍井エイル。これらの真面目なやりとりを静かに見守る土屋浩一(G)。そして、ぶしゅぶしゅと音を出して鼻をかみながら「今日はチョコ(前回ステージでライブ中に溶けてしまった)の代わりにどれ食べたらオシャレだと思う? ハッピーターンいってみる?」「俺、ひつまぶしの骨が喉に刺さってる気がするんだけど」「今日が終わったら7日ぶりにお家に帰れる~。おうちおうち~」と、その場の空気が神妙にならないようにと、絶妙なタイミングでほんわりムードを差し込んでいく新井弘毅(G)。そんな温度感で藍井エイルを支えるメンバー、制作スタッフたちの温かい心づかいが伝わってきた。

本番直前。楽屋に音響スタッフがやってくると、会話のなかで彼の奥さんが今日出産予定日であることが判明。しかも性別はすでに女の子だと分かっていると話す。「めでたい! めでたい!」と藍井エイルとバンドメンバーが大盛り上がり。「子供の名前を付けよう」ということになり、記念だからと今日のセットリストの曲名をもじったとんでもない(?)キラネームを各々が考案。最後には「ライブ後の打ち上げで名付け親争奪戦ジャンケン大会やろう」ということになったのだが、「名前は自分がつけますから」と本人自ら却下。本当は今すぐ病院に駆けつけたいであろう彼のためにも、今日はいいライブをしたい。楽屋にそんなムードが漂ってきたところで、本番直前の藍井エイルに話を訊いた。

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◆【ライブレポート──名古屋ボトムライン】へ
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