【イベントレポート】＜ライブイマージュ＞、通算200回公演を達成

2015年で15周年を迎えたリラクシング系のオムニバス・コンサート＜ライブイマージュ＞全国ツアーが、4月18日（土）川口リリアメインホールで幕を開けた。

◆＜ライブイマージュ＞画像

舞台にはシックな赤いドレープ・カーテンが掛けられ、いつもよりアダルトな雰囲気のステージだ。最初に登場したのは第1回の開催からライブイマージュの音楽監督として見守って来た羽毛田丈史。ゆっくりとしたタッチでのピアノのイントロで始まり、ストリングスが加わり勇壮なパーカッションが響くダイナミックな展開へ。15周年記念の初日公演1曲目に演奏したのは「地球に乾杯」。この日の公演がライブイマージュ通算200回目を迎えるという事で、羽毛田が選んだのは第1回以来欠かさず演奏しているというこの曲。つまり、200回演奏されているという事。アニバーサリー・イベントに相応しいオープニング曲だ。


淡いピンクの衣装で登場した高嶋ちさ子が1曲目に演奏したのはオリジナル曲の「オーシャン・ブルー～ORCA～」。高嶋が息子に聞かせる自作の物語、通称“日本作り話”のストーリーを元にシャチの家族愛情物語を描いた楽曲。舞台後方のモニターには、絵本のようなイラストが映し出され、それに合わせ高嶋が美しいフレーズを弾く。音楽がついた巨大な紙芝居を見ているよう。こんな美しい曲を演奏した直後のMCでは、いつもの毒舌トークで場内を爆笑の渦に包み込む。


第1部のラストは、2012年にライブイマージュを卒業した加古隆。今回は15周年記念という事で、3年ぶりに帰って来た。加古は「卒業生代表として参加してます。大好きなこのステージに戻れて嬉しい！」とコメントし、自身が担当した映画音楽メドレーを演奏。スクリーンには映画のシーンや、その作品にまつわるイメージ映像が映され、生演奏付きの贅沢な映画上映会を見ているようだ。


ここで15分の休憩に入り、第2部のオープニングは、羽毛田丈史と並んで15回全てのライブイマージュ公演に参加している皆勤賞のゴンチチ。1曲目に演奏した「QED」では、舞台後方スクリーンには熱帯地域の密林やリゾート地の風景、天然色の動植物が映し出され、ゴンチチのギターの音色とのコンビネーションが心地よい。今回、ライブイマージュで初めて導入された巨大スクリーンは、IMAX9という最新技術を盛り込んだ映像システム。国内では、まだ殆ど使用されてないという。他のコンサートやライブで見られるモニター映像とは格段に違い、色が鮮やか。今回のツアーではその最新鋭モニターを最大限に駆使し、映像と音楽を見事に一体化させている。続いてステージに現れたのはヴァイオリンのNAOTO。NHK「スタジオパークからこんにちは」のテーマ曲「HIRUKAZE」の演奏前にはNAOTOから振り付け指導。事前レッスンの甲斐あってか、オーディエンスも曲に合わせて、手拍子と腕を大きく振るワイパー動作で演奏に参加。NAOTOもステージを動き回りながら軽快かつ優雅にヴァイオリンを弾き、オーディエンスのアクションに応える。


小松亮太は、ライブイマージュ初参加の大貫妙子と共にステージに上がった。演奏したのは坂本龍一が1995年に発表した「Tango」。照明を落とした薄暗い舞台で、小松のバンドネオンと大貫の囁くようなボイスが絡みあうスリリングで濃密な空間。あたかもブエノスアイレス辺りの酒場の雑踏にいるよう気にさせてくれる。



トリに登場したのは葉加瀬太郎。「Together We Walk With」では高嶋ちさ子と競演。ライブイマージュ・チームの中では、お笑い担当（？）の二人だが演奏の凄さは他の追随を許さない。最初のフレーズを葉加瀬、続いて高嶋が弾き、2人が一緒に奏でた瞬間、場内は美し過ぎる調べで満たされる。曲のタイトル通り"共に歩む"両者の競演は貫禄のパフォーマンス。そして本編ラストはお馴染み「情熱大陸」。ハンドマイクに持ち替えた葉加瀬が、ヒップホップのリズムで「イマージュ、ジュッ、ジュッ、ジューゴネン！（15年）」と場内を煽ると全員総立ちに。小松亮太、NAOTOが合流し、葉加瀬、高嶋と共に4人でメインフレーズを奏でながらグイグイと盛り上げていく。後半には各々がソロを披露し、熱過ぎる「情熱大陸」でオーディエンスを魅了した。


アンコールではライブイマージュ恒例の「マイ・フェイバリット・シング」を全出演者で演奏。2時間30分にも及んだ通算200回目となる「ライブイマージュ15」ツアーの初日を終えた。この後、ライブイマージュ・ツアーは5月17日の東京国際フォーラム公演まで、全国6ヶ所で開催される。又、以降の公演では、5人組コーラス・グループ、LE VELVETSが合流する。

PHOTO：白岡直子



◆＜ライブイマージュ15＞オフィシャルサイト