【インタビュー】KREVA「そっか、辛いか。でも俺も俺でこう頑張ってるよ」と言ってあげたい「Under The Moon」
お待たせしました! 2014年から10周年イヤーを疾走中のKREVAが、2015年第一弾となるシングル「Under The Moon」をひっさげて久々にBARKSに登場! 2014年はBARKS掲載の日本武道館のライブレポート記事を自ら添削し、ブログにアップするという行動で驚かしてくれたKREVAに、あの行動の意味。さらに、シングルのこと、これからスタートする自身初の47都道府県ツアー<UNDER THE MOON>についてたっぷり聞いた。
◆KREVA~画像~
■落ち込んでるときにめっちゃ明るい曲で元気を貰う人もいるけど
■辛い人が他にもいるというのが分かると頑張れる人もいると思う
──まず、昨年はBARKSがアップした武道館のライブレポの記事をKREVAさん自ら添削してブログに掲載していただくというとんでもないサプライズ。ありがとうございました。
KREVA:どうでした?
──あれはKREVAさんからの愛情表現と受け取っていいんでしょうか。
KREVA:もちろん!(俺は記事を)「ちゃんと見てるよ」ってことだから。
──よかった。なんかね、変な汗をかきましたよ。
KREVA:ははっ(笑)。そんなことするヤツがいるんだって?
──ええ。いないですから。そんなことする方は。
KREVA:絶対見ないだろうと思ってツイッターでオバマ大統領のことをつぶやいたら本人から返事きて「えっ! マジ?」みたいな?
──まさに。なので、2015年は逆にBARKSがKREVAさんを驚かせつつ”KREVA 10th Anniversary Year“を引き続き盛り上げていきたいと思います。
KREVA:はい、ありがとうございます。
──まずは2015年第一弾シングル「Under The Moon」について。まず突っ込んでおきたいのがこのアーティスト写真。なんせ、竹林にKREVAですから。
KREVA:なんで竹なんだと自分も思ったんですけどね(笑)。まず一番最初に俺が言っていたのは「服装をカジュアルな感じにしたい」ってこと。自分はそういうのをあまりやったことがなかったので。これから<47都道府県TOUR>に行こうとしてる人は絶対カジュアルな服装をチョイスすると思うんです。そこに“バリッ”と都会できまるスーツがハマるとは思えないから。
──ああー、なるほど!
KREVA:そういうカジュアルな感じで、アーティスト写真は俺がポンと立って。そこに緑ぐらいはあってもいいかなって言っていたら、こんな立派な緑がやってきた(笑)。
──あの竹は本物なんですか?
KREVA:そうですよ。しかも、(撮影時は)ちゃんと土に埋まっていましたから。
──シングルが「Under The Moon」ですから、ここではKREVAさんがかぐや姫に!
KREVA:(即答で)違います。
──悪ノリし過ぎました(笑)。そして、その竹のカラーと色をリンクさせたジャケットのアートワーク。シングルのタイトル、描かれた月。モチーフ的にアルバム『SPACE』から連動しているものがあるのかなと思ったんですが。
KREVA:そんなことないんですけどね。でも、そうなってくると俺、すごいことになってくでしょ? SPACEとMoonに行ったら次は…。
──神? もう絶対に手が届かないじゃないですか。
KREVA:ねっ(笑)。そいうところは後で自分でも気付いた。『SPACE』と本作は別物だから。
──分かりました。ではタイトル曲の「Under The Moon」なんですが。
KREVA:これは、ラップです。例えば「ストロングスタイル」とか「基準」とか、これシングルにするの? PV作るの? みたいな曲をみんなで盛り上がって表題として打ち出す。その流れのなかにある曲だと思います。
──歌詞はどんなところから?
KREVA:1番最初に後半の“必ず Under The Moon”というのが出てきて。それがツアー・タイトルになったから、じゃあこのタイトルで書いてみようかっていう感じでした。で、なんで“Under The Moon”なんだろうと思って。いまのこの世の中的な盛り上がらない感じ? 閉塞感に包まれていて、何をやっても上手くいかなくてフラストレーションがたまって。こんなんじゃないんだけどなって気持ちがみんなある。そういうときに「大丈夫、陽はまた昇るから」って言われても「知ってるけど、いまはそういう感じじゃないんだよな。そういうのがしっくりこなくて」って。そんなときは、月の光ぐらいがちょうどいいかなって発想で歌詞を書いたんですよ。
──ああ、月をモチーフにした背景にはそんな発想があったんですね。
KREVA: そう。盛り上がらない毎日、もしかしたら1000円拾うかもしれないし、もしかしたら宝くじで1万円当たるかもしれない。でも、そういうことをあてにするんじゃなくて、コツコツ働いてく。みたいな感じの歌ですね。
──その“働く”というところ、私は一番きたところで。故に、この曲を“アダルトラップ”と名付けたんです。
KREVA:いいね、それ!!
──ラップやヒップホップは若者たちのものと思われがちですけど、これは特に30代、40代。家族を持ち日々働いていかなければいけない世代に一番響く曲だと思ったんです。
KREVA:嬉しいですね。
──励ましかたが大人なんですよ。
KREVA:落ち込んでいるときにめっちゃ明るい曲で元気を貰う人もいると思うんですけど、同じように「あの人も辛いんだ」って、辛い人が他にもいるというのが分かると頑張れる人もいると思うんです。今は、その後者に向ける歌しか俺は作れないのかなって思ったんです。一生懸命頑張って抜け出そうとしている人に、笑って「大丈夫!」っていうよりは、「そっか、辛いか。でも俺も俺でこう頑張っているよ」というのを見せてあげて、頑張ろうって思ってもらいたいという感じですかね。
──このUnder The Moonというワードはダブルミーニングじゃないのかと思ったんです。先ほどおっしゃってくれた意味以外に、武道館の天井にある日の丸の丸い部分を月に例えて。必ずまた武道館に戻るぜ、だからその日まで働くというKREVAさんの意思表示なのではと解釈したんですが。
KREVA:あー……、これはあんまり言わないでおこうと思ったんですけど。
──おぉ?
KREVA:ダブルミーニング、惜しい。あの……LITTLEのKICK THE CAN CREWの歌詞に“ミラーボールが月の代わり 太陽のない国の灯り”(「GOOD TIME!」)というのがあって。クラブの話なんですけど。いまクラブはどんどん無くなっていって厳しい状況にあるんです。またいつかみんなで楽しくクラブで踊ったりすることができる日がくるかもしれなし、そこまでみんなで頑張っていくんだろうねってことはなんとなく頭に入れていました。
──だからこの曲のPVにミラーボールが?
KREVA:そうです。なんでいまミラーボール? ってなるんですけど、あれは俺から監督に言ったんです。自分はいまクラブに行くかっていったら、たぶん行かないと思うんですよ。だけども、ラップやっているヤツら、DJ目指しているヤツらからするとそれはすごく問題だと思うから。という思いもちょっとはありました。
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