【インタビュー】7!!、『四月は君の嘘』EDテーマに「歌いながら感動で泣きそうに」
7!!(セブンウップス)が2月11日、10thシングル「オレンジ」をリリースする。フジテレビ“ノイタミナ”アニメ『四月は君の嘘』第2クールエンディングテーマに起用された同曲は、作詞作曲をギタリストのMICHIRUが手掛けたもの。原作コミックのファンであるMICHIRUが“青春×音楽”をテーマに、大切な人への切ない想いを綴るバラードに仕上がった。
◆「オレンジ」ミュージックビデオ
同シングルは7!!の2015年第一弾リリース作品であり、結成11周年目に突入した彼らの新機軸が詰め込まれたサウンドが特徴だ。BARKSはメンバー4人に最新型7!!サウンドを語ってもらうと同時に、これまで『NARUTO-ナルト-疾風伝』や『君と僕。』など数々のアニメタイアップや漫画『ReReハロ』との完全コラボを手掛けてきたコミック好きの彼らに、現在お気に入りの作品についても訊いてみた。結成10年の一区切りを超えて、“決意表明”を意図した作品は新たな挑戦に溢れて輝かしい。
◆ ◆ ◆
■余裕が感じられるように歌ってほしいと言われて
■“オニ!”って思いました(笑)
▲「オレンジ」通常盤 |
MICHIRU:はい。テーマソングのお話をいただく以前から原作マンガのファンで、ずっと読んでいたんですよ。だから、このお話をいただいたときは嬉しくてテンションが上がりましたね。音楽×青春というテーマもいいですし、主人公の男の子が音楽を通して出会いや別れを繰り返し成長していくストーリーも好きなので、あの世界観をどうにか音楽で表現したいなと思いながら作りました。
──そこが楽曲制作のテーマになったと。
MICHIRU:僕ら自身、去年は結成10周年を迎えましたが、そのなかで出会いや別れを経験してきたので、マンガやアニメの世界観とリンクさせながら僕らの感情も込めることができましたし。僕らはこれまで恋愛ソングが多かったと思うんですけど、今回はもっと幅広い人に聴いてもらいたくて。だから、恋愛とも取れるし、友情とも取れるような歌詞を書くことを意識したんです。
──結婚して、子供ができて、というような長い時間経過を思わせる歌詞は今まであまりなかったのでは?
MICHIRU:そうかもしれません。27歳になった今だからこそ書ける歌詞なのかも。だからからかもしれないけど、10代の子よりももう少し年齢が上の人たちから多くの反響をいただいてます。
──メロディラインは繊細でじわっと心に染みますが、特にこだわったポイントは?
MICHIRU:サビで広がる感じを出したいと。そのためにすごくキーが高くなってしまって、NANAEちゃんには申し訳なかったんだけど(笑)。自分の中で絶対に譲れない部分だったから、無理を通させてもらいました。しかも、歌う時も極力ファルセットは使わないでほしいというお願いもして。ホントに無理言ってすみませんでした。
NANAE:すごい無茶なお願いばかりされたんですよ(笑)。これまでライブではファルセットで歌っていた音域をレコーディングでは地声で、しかも余裕が感じられるように歌ってほしいと言われて、“オニ!”って思いました(笑)。
──確かに難しい要求ですね。
NANAE:だから最初は全然うまくいかなくて、何度も歌い直しました。でも歌っていくうちにコツを掴んで、最終的には要望に応えられたんじゃないかなって思う。それに、自分が出せる音域も広がってよかったですね。結果、レコーディングしたものを聴き返すと、ファルセットじゃなく地声でしっかり歌ったほうがやっぱりいいものになっているんですよね。
MICHIRU:よかった、ホッとしました(笑)。
──そのほか、ボーカルレコーディングで特に意識したのはどんなことですか?
NANAE:バラードを歌う時に気をつけたいのが、単調になってしまわないこと。抑揚をつけないで歌ってしまうと表情がなくなってしまうので、Aメロ、Bメロ、サビをきちっと区別しました。Aメロは切なく、Bメロはサビに向かって少し強さをプラスしてみたり。落ちサビは今までの私にはあまりない歌い方でチャレンジしたんです。これまでは静かなパートだからこそしっかりと歌ったほうが伝わると思っていたんですけど、最近はあえて小さい声で歌っていて。それでも伝わるのかなと思うようになったんです。
──それに気付いたきっかけは何でしたか?
NANAE:昨年秋のアコースティックツアーですね。すでにこの曲はライブで披露していて、声を抑えて歌ったほうが耳を傾けて集中して聴いてくれると感じたんです。それに、ライブの音源を聴き返した時に、小さい声で歌ったほうがこの曲にはしっくりくると感じて。レコーディングでもそうやってみようと思ったんです。アコースティックツアーは収穫が多かったですね。特にリズムの大切さを再認識しました。
MICHIRU:僕も実際にアコースティックツアーを経て、バッキングのリズムが良くなったと感じますね。
MAIKO:そうだよね。メンバー全員がドラマーになったつもりじゃないと、アコースティックでいいライブはできないんだなって。それに、私はライブでコーラスを歌ってるんだけど、自分の声が苦手だったんです。でもアコースティックツアーでは、少しずつ自分のコーラスが“楽しいな”って感じられるようになりました。
KEITA:僕は恥ずかしながらギターを弾くことに精一杯だったんです。でも、ギターが身に付くことで曲作りが以前よりスムーズになったという成果もありましたね。
──話を「オレンジ」に戻しますが、アニメの登場人物の持つ繊細さや作品のスケールの大きさが、アレンジで見事に表現されているなと。
MICHIRU:今回もシライシさんがアレンジを手がけてくださったんですが、僕が曲を作っている段階でもストリングスをメインにしたいというイメージはありました。ただ、AメロとBメロはストリングスとピアノだけが鳴っていて、サビでバンドが一気に入るという形はちょっと想定外だったというか(笑)。出来上がったアレンジを聴いた時は、“サビまで僕らは完全にお休みなんだ”とちょっとびっくりしましたから(笑)。ただ、主人公の男の子はピアニスト、ヒロインはバイオリンを弾いていて、サビまではその2人が音を奏でているイメージだったりするので、結果的にはすごくアニメにマッチしたものに仕上がったんじゃないかな。
──バラードのレコーディングはいかがでしたか?
KEITA:今までで一番大変でしたね(苦笑)。
MAIKO:しっとりしたバラードなのに、躍りたくなっちゃうんですよ、KEITAは(笑)。
KEITA:ははは。どうしても余分に動きたくなっちゃうので、最終的に上ものは全部取っ払って、ドラムの音だけを聴きながらレコーディングしましたね。リズムだけに寄り添う演奏がしたかったんですよ。でも、上モノのダイナミクスが聴こえると、どうしてもテンションが上がってリズムキープが難しくなる(笑)。ひたすらに淡々とリズムキープすることだけを意識することができました。
──ただ、バラードってリズムが平坦になりがちですけど、オブリや16分を混ぜることによる変化で楽曲をよりドラマティックに聴かせてますよね。
KEITA:ありがとうございます(笑)。
MAIKO:KEITAには悪いんだけど、ドラムはテクニカルなところもなかったし、私は3テイクくらいで録り終えちゃって。曲の雰囲気を壊すことなくダイナミクスを出すことだけ考えればよかったから、そこに集中して、楽しくレコーディングできましたね。特にサビの“トゥルタンタカタン”の部分が好き。あと、サビの途中でライドの刻みがちょこちょこ入るんですが、そこも気に入ってます。
KEITA:相変わらず擬音が多いな(笑)。ベースは、細かいことを言えば2番Aメロの2音目に移るスライドは個人的に“ニクイな”って思ってます(笑)。かなりピンポイントですけど、注目してもらいたいですね。
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