【インタビュー】HYDE、<VAMPARK FEST>を語る「伝説になると思います」
VAMPSが2015年2月18日および19日の2日間、日本武道館にてロックフェス<VAMPARK FEST>を開催する。同フェスは2013年以降、海外活動を大きく活性化させている彼らならではのラインアップが魅力的だ。VAMPS自らが招待したアーティストは海外から、モトリー・クルーのニッキー・シックス率いるSIXX:A.M.、マイ・ケミカル・ロマンスのフロントマンGerard Way、アメリカン・ロックンロールの雄Buckcherry、新世代のオルタナティヴ・へヴィ・ロックバンドNOTHING MOREといったあまりにも豪華な面々。そして日本からはsads、[Alexandros]が参戦する。
◆VAMPS 画像
イベントタイトルに冠された“VAMPARK”とは、ライヴ会場をアミューズメントパークとして開放するVAMPSオリジナルイベントに用いられるものだ。世界各国から大物アーティストが集結する<VAMPARK FEST>もまた、何が起こるかわからぬ期待感に胸が高鳴る。BARKSはフェス開催発表直後の1月後半、HYDEに接触。このワールドクラスのロックフェスを主宰する経緯やラインナップ、そして当日の予感について、じっくりと語ってもらったロングインタビューをお届けしたい。
◆ ◆ ◆
■VAMPSは全員一丸となって海外公演を重ねてきたので
■だからこそ、こういうアーティストを引っぱってこれた
──1月17日現在、VAMPSは<VAMPS LIVE 2014-2015>のZEPP TOKYO 10Days真っただ中ですが、HYDEさんはいつもこんなに早い時間帯に楽屋入りされてるんですか?
HYDE:うん、そうだね。いつも入り待ちや出待ちをしてくれてる子たちがいるから。基本、早く来て早く帰る。そうしないと、あの子たちが外でいつまでも寒い思いをするでしょ。
──リハが始まるまでけっこう時間がありますけど、その間は体のトレーニングをやったり?
HYDE:ううん。いろいろ考え事してる。考えなきゃいけないことがあるんでね。あと、チェックものを済ませたり。
──なるほど。では、<VAMPARK FEST>の話の前に、現在開催中の<VAMPS LIVE 2014-2015>から聞いていきたいと思うのですが。まもなく最終日を迎えるわけですけど、手応えのほうはいかがですか?
HYDE:去年まではアルバム収録曲を小出しにライヴしてたんですよ。お客さんの盛り上がりということを考えると、新曲をやればいいってわけではないから。だから、新曲の次には馴染みの曲を演奏したりして。自分のなかでも新曲だけでお客さんのテンションをキープすることが難しいかもしれないと思っていたので、ボクシングで言えばジャブ的に新曲を入れていった感じだったんです。
──ライヴのセットリストの組み方ですね。
HYDE:そう。オリジナルアルバムをリリースしたのは4年ぶりだったので、そういうことをやったのも久々だったけど。やってみるとね、お客さんが徐々に盛り上がっていく形ができたんですよ。まず、ファンのコア層というか、毎日来てくれるような子たちがその曲をどう理解して、どういう風に体で表現するのかというのが重要で。その部分が安定すると、そこに初めての子が入ってきたとしてもすぐに真似して同じ盛り上がりになるんだよね。だから、コア層がどれだけ新曲に慣れるかで、ライヴが変わるんだなと思ってね。
──それをHYDEさん自身も体感したわけですね。
HYDE:うん。そういうものなんだなと改めて思って。去年の時点でコア層が完全に新曲を把握してきたので、今年からはもう好き勝手やろうと。“こうしたらどうなるだろう”とか、“こうしてみよう”とか、自分の考えで。
──ファンの盛り上がりを考慮してではなく、バンド本意でセットリストを組むように変わったと。
HYDE:だから、かなり過激なバンドになったよ、ずっと激しい演奏が続いてる(笑)。また新たなVAMPS像が表現できてる気がするね。
──なるほど。そんななか、突然発表されたのがVAMPS主宰<VAMPARK FEST>なんですが。まず、このフェスのコンセプトから教えてもらえますか?
HYDE:自分たちとしては、このフェスをやることによってアーティストとつながるでしょ。それを一番の目的としています。要するに“異文化交流”ですよ(笑)。国内だけで活動していると……これは僕らが海外で活動しているときに思うことなんですけど、やっぱり日本のバンドは井の中の蛙なんです、極論すれば。もちろん、そのなかで独自の進化は遂げてるんですよ。でも、携帯と一緒でガラパゴスなんです、日本のバンドって。
──これだけ海外公演を重ねているVAMPSでも、海外に行けば行くほど、それを肌で感じるわけですか?
HYDE:感じますね。だから極端な話、僕らも海外に行かないと気合いが入りきらないというか、入ってると思ってたけど100%じゃなかったみたいな。こんなにも僕らの表現力は足りてないんだと。たとえばタフさであったり、日本人に欠けてる部分があるんですよ。海外のバンドと一緒にやると、そのパワーの違いをものすっごい感じるんだよね。
──それは海外の大型フェス出演等で如実に感じたものですか?
HYDE:分かりやすくいうと、僕、日本のフェスは緊張しないんですよ。普通のライヴの感覚でいけるんです。対バンが誰であろうが何も思わない。でも、海外だとめちゃめちゃビビりますね。
──えっ? それは今でも?
HYDE:今でもですよ。だって、自分たちの前のバンドがバッシャバッシャに盛り上げてて、客席がカオスになってるんですよ。“この次、僕ら出て大丈夫?”ってすごい不安になりますから。
──ある種のアウェイ感もあります?
HYDE:うん。地元のバンドですっごい盛り上がってるところに、日本人の誰も知らないようなバンドが出ていってライヴをやるわけですよ。そのときの気合いといったら、否が応にも“アイツらに負けないためにはどうしたらいいだろう”って考えますよね。だからこそ、海外と同じことが日本で出来れば、僕はこのフェスをやる意義があるんじゃないかと思ってるんです。自然と攻撃態勢になると思うんですよ、“コイツらに負けたくない”って。日本人として、日本という自分たちのホームグラウンドでやるわけですから。
──気合いの違いを日本でも見せてくれるわけですね。
HYDE:海外フェスがアウェイだとすれば、やっぱりそれは“戦い”なんです。今回は日本というホームグラウンドですけど、例えば、僕が憧れているNikki Sixxと同じステージに立つには、自分を奮い立たせる何か……そのレベルに持っていく気合いが必要で。そういうところを見てもらうことも、VAMPSの新しい可能性を広げると思うんですよね。
──そのために、こんな大物海外アーティストを揃えてしまったと。
HYDE:そうだね。それこそ、今までVAMPSは、みんなで一丸となって海外公演を重ねてきたので、だからこそ、こういうアーティストを引っぱってこれたところはあると思う。
──まさにそうですね。
HYDE:日本国内だけで活動しているバンドが、いきなりこういうフェスをやろうと声をかけても実現できないよね。向こうでの出会いとか交流があって、海外へアプローチした結果、こういうフェスが実現できるわけで。そこがいいところじゃないですか、VAMPSの。
◆インタビュー(2)へ
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