【レビュー】ONE OK ROCK、映像作品に国も音楽性の壁も存在しない感動のうねり

2014年5月に劇場公開されたONE OK ROCKの初のドキュメンタリー映画『FOOL COOL ROCK! ONE OK ROCK DOCUMENTARY FILM』が、半年を経てついにDVD&Blu-ray化。日本のバンドをテーマとした音楽ドキュメンタリーの新たな傑作として、コアなファンの枠を超えた感動のうねりを広げている。
◆「Decision (featured in Fool Cool Rock)」動画

ファースト・シーンは、パリのライブハウス。いきなりの機材トラブルにも負けず、バンドの鬼気迫るテンションの高さと、オーディエンスの熱狂的なリアクションをワンフレームに収めるカメラワークが素晴らしい。そのままボン(ドイツ)、ロンドン(イギリス)、を回って再びパリに戻り、アムステルダム(オランダ)に至るヨーロッパ・ツアーの模様を、各地の観光名所を押さえながらスピーディーに編集した、ロード・ムーヴィーとしての見ごたえも充分。
楽屋裏ではフランス語、ドイツ語のMCを一生懸命練習したり、いじられ役のTomoyaを中心に楽しくはしゃぐ4人の姿や、現地でのインタビューなど、ファンにはうれしい素顔が見える映像もたっぷり。そして何と言っても驚くのは、どこへ行っても会場を取り囲むように列を作っている、ヨーロッパのファンの熱狂的な姿だ。ツアーバスの中からその光景を見て、“これ、俺らのファン? ウソでしょ?”とマジリアクションするメンバーの姿が何とも微笑ましい。ライブでは日本語の歌にも、しっかりとコール&レスポンスを返す。そこには国も音楽性の壁も何も存在していない。
フィルムの後半は、韓国のソウルから始まるアジア・ツアー。続いて香港、バンコク(タイ)、クアラルンプール(マレーシア)、シンガポール、ジャカルタ(インドネシア)、そしてタイペイ(台湾)へと、革ジャンを着込んでいたヨーロッパとはうって変わって、Tシャツ短パンのラフな姿で旅は続く。クアラルンプールでは会場の不備で危うくコンサート中止の瀬戸際まで追い込まれ、ジャカルタでは野外の会場を満員にし、タイペイではToruが誕生日をみんなに祝われる。Taka以外のメンバーがツアー用に作ったインスト曲を披露する時の、リハーサルでの4人のシリアスな意見交換の様子も印象的だ。
楽屋裏では笑顔が絶えない4人だが、音を奏でる時の表情は一変する。悲喜こもごも、様々なエピソードが登場する中でバンドはたくましく前進してゆく。音楽映画の枠を超えた、ドキュメンタリー映画の醍醐味がここにある。
ツアーの最終地となったタイペイでのクライマックス、オーディエンスが「Wherever you are」を全員で大合唱するシーンを見て、心が動かない音楽ファンはいないだろう。そしてメンバー自身も、ヨーロッパとアジアで出会った様々な人たちの姿を忘れないだろう。その思いはきっと、次の楽曲に反映されるに違いない。真の意味でのワールドワイドなロックバンドに向けて、ONE OK ROCKの新たな第一歩はこの作品から始まる。
取材・文◎宮本英夫
DVD&Blu-ray
『FOOL COOL ROCK! ONE OK ROCK DOCUMENTARY FILM』
2014年11月12日発売
【DVD】
AZBS-1021 ¥3,800(tax out)
【Blu-ray】
AZXS-1008 ¥4,800(tax out)
◆ONE OK ROCK オフィシャルサイト
◆ONE OK ROCK オフィシャルTwitter
◆ONE OK ROCK オフィシャルFacebook
◆ONE OK ROCK オフィシャルYouTubeチャンネル
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