ニック・メイスン、ロジャー・ウォーターズ脱退はまるでスターリンの死

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ピンク・フロイドのニック・メイスンが、1985年にロジャー・ウォーターズが脱退した当時を語り、リーダーを失いバンドが存続していくことの難しさをソビエト連邦の最高指導者スターリンの死に例えた。

◆ピンク・フロイド画像

メイスンは英音楽誌『Mojo』のインタビューでこう話した。「スターリンが死んだときも同じだったに違いない。(回復するのに)かなりの時間がかかった。3~4年もね」

そして、1984年に寿司屋で行ったというミーティングについてこう話した。「ロジャーは、僕ら全員(ピンク・フロイドを)終わらせるものだと思っていた。デヴィッド(・ギルモア)と僕は、ロジャーが辞め、僕らは続けていくと考えていた」

個性豊かというかアクの強いメンバーが揃ったピンク・フロイドだが、メイスンはだからこそいい音楽が作れたとも話している。「こういうちょっと不安定な人たちがいいミュージシャンになるんだ。もし、クレイジー・シド(・バレット)やクレイジー・ロジャーがいなかったら、僕ら(70年代初期のポップ・ロック・ヒット曲)「Chirpy Chirpy Cheep Cheep」みたいのやってたかもしれない」

また、これとは別のインタビューで、メイスンはいまのミュージシャンのスタンダードは高く、ワン・ダイレクションにはいい曲があると話している。彼は英『The Sun』紙からワン・ダイレクションについて問われると、「彼らにはいい曲がある。僕は、ミュージシャンはもういい音楽を作っていないっていう考えには賛同しない。いまのミュージシャンの基準は僕の若い頃より高い」と答え、「僕の家内が、もしピンク・フロイドのオーディションがあったら僕はパスしなかっただろうって言うから、それは正しいって答えたよ。でも、ロジャー・ウォーターズもシド・バレットも誰も受からなかっただろうね」と語った。

ピンク・フロイドは間もなく、ラスト・アルバムになるといわれる『永遠(TOWA) /THE ENDLESS RIVER』をリリースする。

Ako Suzuki
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