【イベントレポート】Kalafina、春奈るならが魅せた一夜限りのコラボステージ

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スペースクラフトグループ所属アーティストたちが一堂に介する音楽イベント<MUSIC ENERGY 2014>が、9月23日に東京国際フォーラム ホールCにて開催された。

◆<MUSIC ENERGY 2014> 画像

イベント前にはマスコミ向けの公開リハーサルも実施され、Kalafinaのプロデューサーである梶浦由記が手がけた「あんなに一緒だったのに」、「暁の車」が披露された。出演陣は、この日限りのスペシャルコラボを成功させるべく、立ち位置やマイクの返し、それぞれの声の響きなどを入念にチェックしていた。

また、囲み取材にはKalafinaと春奈るなが参加。集まった報道陣から、今回のイベントについて訊かれると、Hikaru(Kalafina)は「一年ぶりの<MUSIC ENERGY>ということで、事務所(スペースクラフト)のアーティスト全7組が集うイベントで、自分たちも凄くワクワクして今日を迎えているので、7組のパワーが集まってどんなステージができるのか、自分自身もすごく楽しみなんですけど、お客様が楽しんでくださるイベントになればいいなと思います。」と語り、Keiko(Kalafina)は「いろいろな声と表現力を持ったボーカリストが集う一夜になるので、そんなみんなの作るエネルギーと空気を自分たちも感じながら、ステージに立たせていただければ」と、意気込みを見せた。

さらに、この日ならではのコラボステージについて問われると、Wakana(Kalafina)が「自分たちの仲間が頑張っている姿を見れるというのは、自分たち自身の刺激になりますし、ここ(囲み取材)にいるメンバーですと、るなちゃんとHikaruと私が歌っているんですけど、3人で歌うことってなかなか無いので、それもまた経験になるので、皆さんにその楽しさを伝えていきたいなと思います。」と述べ、春奈は「コラボレーションというのはイベントならではだと思うんですけど、今回はKeikoさんが一緒に私の曲を歌ってくださったり、もともと大好きなTVアニメ『機動戦士ガンダムSEED』の挿入歌など、自分自身も刺激を受けながら歌わせていただくことができました。」と、笑顔で語った。


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開演時間を7分ほど過ぎ、出演陣が続々とステージに登場。スペースクラフトの歌姫一同は、客席からのハンドクラップを浴びながら、尾澤拓実がこの日のために書き下ろしたナンバー「Hugest ENERGY」で、イベントのオープニングを華々しく飾る。そして、まずはKeikoと春奈るなが先陣を切る形で「空は高く風は歌う」をホールいっぱいに響かせた。

その後、イベントはソロステージへ。織田かおりは、透き通るような声で「追想カノン」を歌唱。MCでは「ここからはしっとりナンバーがあまり無いので、盛り上げていきたいと思っているんですよ。声出して、手をあげて、盛り上がっていただけますでしょうか? まだ立ちたくないですか? もう座らせないから! <MUSIC ENERGY 2014>最後までついてきてくれますか?」と、着席していた観客を立たせ、拳を振りかざしながら「Reverberation」をパワフルに歌い上げた。結城アイラは「LAMENT~やがて喜びを~」で、キュートなハイトーンボイスを惜しげもなく披露し、自身が作詞を手がけた楽曲「愛しき抗いよ、導け光へ」で、会場の一体感を生み出していった。

さらにサントス・アンナは「∞Changing∞」で、ステージの端から端を練り歩きながら、観客一人ひとりにその声を届けていく。MCでは観客に向け、「織田かおりに立たせられたんだって?!」と笑いを誘いつつ、「思いっきり身体を動かして、日頃のストレスを私にぶつけてほしいわけよ!」と力強く語り、BON-BON BLANCO時代の楽曲「BON VOYAGE!」で、場内のボルテージを一気に上昇させた。

イベント中盤では、この日限りのコラボステージが展開される。宇浦冴香と小川真奈はポルノグラフィティの「ミュージック・アワー」カバー、さらにフロアとともにタオルを振り回しながら、ボカロ曲「千本桜」カバーで巧みなコーラスワークを披露。さらにアニソンメドレーのコーナーでは、サントス・アンナが「Let It Go」、小川真奈が「JUST COMMUNICATION」、宇浦冴香が「残酷な天使のテーゼ」をそれぞれ熱唱し、最後に3人で「やさしさに包まれたなら」をたっぷりと歌い上げた。

ここで、梶浦由記から届いた手紙をWakanaが読み上げる。

「今年も<MUSIC ENERGY>の開催おめでとうございます。私の曲を皆さんに歌っていただけるとのこと、本当に嬉しく思っております。歌ってくださる歌い手の皆さんにも、ご覧になってくださる皆様にも、お楽しみいただけるよう祈っております。」ーー梶浦由記

そしてWakana、Hikaru、春奈るな、小川真奈、織田かおりによる「暁の車」と、Keiko、宇浦冴香、結城アイラ、サントス・アンナによる「あんなに一緒だったのに」が続けて披露された。

終盤では、真紅のドレスに着替えた春奈るなが登場。ピンクや黄緑、白など色とりどりのサイリウムが弾む中、「君がくれた世界」、「アイヲウタエ」、「ラムネセカイ」、「snowdrop」、「るなティックワード」、「Overfly」の全6曲をメドレーで披露した。さらに春奈は「ぼくというきみへ(MUSIC ENERGY 2014 ver.)」で会場全体をしっとりと染め上げ、「Startear」で、再び会場をヒートアップさせる。

イベントのトリを飾ったのはKalafina。ステージに登場した3人は「misterioso」、「君の銀の庭」を情感豊かに歌い上げる。そして、「今日はね、皆さんずっとスタンディングなんじゃないですか? 私たちここでさ、しっぽりとお座り下さい、じゃあ歌いますって言いたかったんですけど、ライブイベントの終盤ということで、普段だったら「misterioso」と「君の銀の庭」の後に何曲か歌ったときに歌うであろう曲をお聴きいただけたらなと思います。」と観客を気遣いつつ、「to the beginning」をパフォーマンス。さらに「音楽」で、盛大なoiコールとハンドクラップを生み出し、これぞKalafinaワールドと言わんばかりのテクニカルなハーモニーを見せつけた。

ここでKeikoが「なんか今日ね、ずっとね、色んなボーカリストが入れ替わり立ち代り皆さんに音楽をお届けしてきたと思うんですけれど、私リハーサルを通しても思ったんですけど、宝塚ができる意味がわかったの! なんて女性らしい女性と、なんて男性らしい女性がおるんであろう、と思って。」「皆さんも、顔を合わせたステージングの歌声とかで、すごいそれを体感されたんじゃないかと思うんです。誰が男役とは言いませんが!」と、イベントを通して感じた思いを率直に述べる。WakanaやHikaruも普段とは違う楽屋裏の様子などを楽しそうに語り、ラストナンバー「heavenly blue」をパフォーマンスした。

最後は出演者全員がステージに登場し、各々が集まった観客に感謝の気持ちを述べる。

「こんな楽しい素敵な一日になったのは、みんなと一緒に作り上げた音楽の力があったからだと思っています。今日は本当に本当にありがとうございました。」――春奈るな

「色んな色をもったアーティストさんが揃ったスペースクラフトという事務所なので、みんなで力をあわせて皆さんに歌をお届けできることが毎年行われるのは皆さんのおかげです。また来年も同じように皆さんの笑顔が見れることを祈っています。」――Wakana

「今日一緒にみんなと声をあわせて歌ってみて、色々な発見をさせていただきました。今年で3度目ですが、こうやって来てくださる皆さんのおかげで、毎年連続でやらしていただいてます。この<MUSIC ENERGY>からまたなんか新しいこととか、色んなものが生まれていけばなと思っているので、それまで一年間それぞれ違う畑でまた音楽を発信して、色んな力を培っていければと思います。」――Keiko

そして、会場中が溢れんばかりの大歓声に包まれる中、7人は「angel gate」を丁寧に紡ぎ、この日のステージの幕を下ろした。


■<MUSIC ENERGY 2014>セットリスト
1.Hugest ENERGY
2.空は高く風は歌う
3.追想カノン
4.Reverberation
5.LAMENT~やがて喜びを~
6.愛しき抗いよ、導け光へ
7.∞Changing∞
8.BON VOYAGE!
9.ミュージック・アワー
10.千本桜
11.アニソンメドレー
(Let It Go、JUST COMMUNICATION、残酷な天使のテーゼ、やさしさに包まれたなら)
12.暁の車
13.あんなに一緒だったのに
14.春奈るなメドレー
(君がくれた世界、アイヲウタエ、ラムネセカイ、るなティックワード、Overfly)
15.ぼくというきみへ(MUSIC ENERGY 2014 ver.)
16.Startear
17.prelude~misterioso
18.君の銀の庭
19.to the beginning
20.音楽
21.heavenly blue
22.angel gate

◆<MUSIC ENERGY>オフィシャルサイト
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