【ライヴレポート】 VAMPS 、<LIVE 2014 BEAST PARTY>二日目に「新しいVAMPSを楽しみにしていて」
8月23日および24日と2日間にわたり新潟越後国営丘陵公園で行なわれた<VAMPS LIVE 2014 BEAST PARTY>の2日目。初日は天候が持ち直したが、この日ばかりは午前中からときおり激しく雨が降っていたこともあり、ライヴ中に降る確率は高いと見て傘とカッパを持参して会場に向かった。しかし、やはりVAMPSは持っている男たちだった。夕方、開演時間が近づくと天が彼らの宴を歓迎するかのごとく、雨がピッタリ降り止んだのである。2日連続となるとさすがに驚く。
◆<VAMPS LIVE 2014 BEAST PARTY>二日目 拡大画像
花道から前後左右に水を噴射するHYDEに、水着姿の美女たちも嬉しい悲鳴でこれに応えた。そのまま離れたブロックにまで水をまき散らし、コール&レスポンスでステップを踏みながら「TROUBLE」へと突入する。
「天気、心配しただろうけど、晴れにしておいたから」と筋金入りの晴れバンドぶりをアピールし、大歓声。「どうだっていいよな。俺たち、雨でもいいよな。でも、ホント言うと雨用のMC考えてました。感謝しないとね。(空を見上げて)ありがとうございます」
そんな言葉に続いて、HYDEが会場を見渡し、獲物を物色するように舌なめずりをして煽る「HUNTING」は、HYDEとK.A.Zのギターのかけあいもスリリングで、空を見上げると大雨だった昼の天気が嘘のように青空が広がっていた。タイトなビートと高揚感のあるサビが抜けていく「AHEAD」ではK.A.Zのギターも冴えに冴え、VAMPSのテンションがぐいぐいアガっていくのが伝わってくる。ARIMATSUの力強いドラムにJu-kenのベースが絡んでいく「COSMOS」がスケール感たっぷりの心地いいサウンドスケープを描いていった。
会場を見渡すHYDEはステージから向かって左手奥の芝生スペースに目をやり、「見えない人がいたら、あそこがよく見えるよ」と客席へアドバイス。「今日、昨日より夕焼けキレイじゃない? そんなことない?」と、野外パーティを満喫している様子だ。そして、タオルの準備を促し、「ANGEL TRIP」ではメンバーが上手、下手、花道へと散り、超エネルギッシュな演奏を届けた。そして、HYDEが海賊旗を肩にかけ、ステージを練り歩きながらダイナミックに歌う躍動感たっぷりの「THE JOLLY ROGER」へ。新曲でありながら、すでに強力ライヴチューンとしてセットリストに溶けこんでいる。ソロを弾くK.A.Zの肩にHYDEが手をかけて歌う場面もオーディエンスを沸かせた。
第2部のアコースティックセットは思いがけない曲からスタートした。初日は、JINの鍵盤をバックに「少年時代」が披露されたのだが、2日目は「何を歌おうか考えたんですけど、夏とか関係なく雰囲気でって考えたら冬の曲だった」と、歌い始めたのはHYDEのソロシングル「ANGEL'S TALE」だった。このサプライズに場内からは驚きと喜びの混ざった声が上がる。続いて、K.A.Z、Ju-ken、ARIMATSUが加わって「時間よ止まれ」をアンプラグドスタイルで演奏。陽が落ちていく中、この2度とはない時間が止まってくれればいいのにと多くの人が思ったに違いない。
そして、ここでトークタイム。初日は怖い話がお題だったが、2日目はHYDEが「夏の話をしてください」とメンバーにリクエスト。Ju-kenが小学生の頃、夏休みに親戚の家に遊びに行き、仮面ライダーV3のビデオがあると聞いて鑑賞した映画が、実は聞き間違いで、ブイスリーではなくブルース・リーの映画だったという思い出を話すとHYDEは大ウケ。ARIMATSUは丘陵公園の中にあるトランポリンにK.A.Zが異様に反応し、並んで順番を待っている子供たちと一緒に跳んだというエピソードを明かした。HYDEも少年時代、友達とアーミースタイルでキャンプしていたら、夜、カップルに不気味がられ、のちに兵士の亡霊が出るという噂が広まったという夏の思い出を披露した。
「SEASON’ S CALL」から「UNEXPECTED」へと続く幻想的なゾーンでは初日に続いて宇宙論も。もしもUFOがいたら信じられない大冒険をして地球に到着したはずから、悪さ目的のはずがない。居ないと思っているけれど、宇宙人に会いたいと話した。そして、祈りをこめるように歌うHYDE、神秘的な旋律、夜空に響く会場の歌声。至福の時間が過ぎてゆく。
19時15分。ピンクと紫の照明が踊る中、後半戦は「DEVIL SIDE」で幕を開けた。バンダナを巻き、白いシャツをはだけたパイレーツスタイルのHYDEが身体をくねらせながら熱唱。「REPLAY」では伸びやかなヴォーカルが空へと突き抜けていく。オープニングにJu-kenのベースソロがフィーチャリングされた「THE PAST」は、K.A.Zのカッティングも最高にグルーヴィーだ。そして、客席には初日にも突如姿を現し、会場の度肝を抜いた巨大なロボット、BIONIC SATANが登場。同時に現れた海賊達がウォーターガンで客席を狙い撃つパフォーマンスが繰り広げられる。BIONIC SATANは客席と友好的で、VAMPSの熱い演奏に合わせて腕を振り上げ、オーディエンスとハイタッチし、パーティに招かれたゲストとして真夏の夜を盛り上げた。ステージの上では新曲「GET AWAY」が演奏され、憂いを帯びたメロディと激しいサウンドが放たれていく。
MCではHYDEが制作中の音源について予告した。「明後日、最後の歌入れだけど、まだ歌詞が……(笑)。ヤバイ感じでいい曲が揃ったので、ZEPP TOURでお披露目したいと思います。新しいVAMPSを楽しみにしていてください。今日という日を忘れないように」と前置きし、「MEMORIES」を演奏した後、いよいよ今宵のスペシャルゲストがステージに招かれた。
「ここで仲間、紹介していい? みんな、わかってんだろ?」
一段と大きくなる歓声の中、ハットに白いシャツ、黒のベスト姿のkenがグッズのタオルを手に登場した。おみやげに買ってきたというキッズ用キャップをHYDEやメンバーに被せて嬉しそうな笑顔。盛り上がりもクライマックスの中、「REVOLUTION Ⅱ」ではkenがHYDEの股間をタッチしたほか、ギターを弾くkenの股の下をくぐり抜けて歌うHYDEのパフォーマンスも飛び出した。kenの艶やかなギターとK.A.Zのギターの競演も、<BEAST PARTY>ならではだ。帽子が小さくて被れないと言うHYDEに「大人用のはなかった」とken。また、出演を依頼したら、「断る気ゼロみたいな感じで。当たり前のように(笑)、引き受けていただけました」というエピソード(2013年および2012年はシークレットで出演)もみんなを喜ばせた。
続いては、L’Arc〜en~Cielの「HONEY」を演奏。K.A.Zの弾くコードバッキングに乗せて、HYDEが歌い、夏の空気の中に溶けていく極上のナンバーに酔いしれた。セッションの最後はkenが最高のギターソロを響かせた「Shout at the Devil」だ。メンバー1人1人に歩み寄るkenの笑顔もギタープレイも輝かしい。余談だが、2013年に引き続き、2014年もkenが弾いたギターのセットはHYDEのものだったというが、その音色はkenサウンドそのものだったのだから驚く。
「最後にみんなではっちゃけようぜ!」とラストは、大騒ぎの「SEX BLOOD ROCK N’ ROLL」で完全燃焼のエンディングを迎えた。
「本当にどうもありがとう! もうひと仕事したら、また戻ってくるから、首洗って待ってろよ!」と叫んでステージを去っていったHYDE。空を鮮やかに彩った花火に再び、歓声が上がり、興奮さめやらない会場に映画「ドラキュラZERO」の日本版イメージソング「VAMPIRE’S LOVE」のミュージックビデオが初公開されるという嬉しいサプライズも。夏は終わりを告げたが、VAMPSはすでに次のシーズンへと突入している。
取材・文◎山本弘子 撮影◎今元秀明/岡田貴之
■<VAMPS LIVE 2014 BEAST PARTY>
2014年8月24日@新潟県 新潟県国営越後丘陵公園野外特設ステージSETLIST
01. LOVE ADDICT
02. REDRUM
03. TROUBLE
04. HUNTING
05. AHEAD
06. COSMOS
07. ANGEL TRIP
08. THE JOLLY ROGER
09. ANGEL'S TALE
10. 時間よ止まれ
11. SEASON'S CALL
12. UNEXPECTED
13. DEVIL SIDE
14. REPLAY
15. THE PAST
16. GET AWAY
17. MEMORIES
18. REVOLUTION II
19. HONEY
20. Shout at the Devil
21. SEX BLOOD ROCK N' ROLL
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