【インタビュー】GRANRODEO、結成以来初のコンセプチュアルなアルバムをリリース
TVアニメ『黒子のバスケ』のOPテーマに起用された「変幻自在のマジカルスター」、「The Other self」や『コード:ブレイカー』のOPテーマ「DARK SHAME」などのヒット曲を収録したGRANRODEOの6thオリジナル・アルバム『カルマとラビリンス』がリリースされる。KISHOWのパワフルなハイトーンボーカル、e-ZUKAのテクニカルで衝動的な熱さも兼ね備えたギターが武器の強力ユニットが作り上げた最新作は、ドラマティックで壮大なロックアルバムに仕上がった。ミュージシャンにも一目置かれ、アリーナクラスの会場をソールドアウトさせるほどの実力を持ちながら、今だ注目されている実感がないという2人にアルバム制作時のエピソード、GRANRODEOの未来の展望について語ってもらった。
◆GRANRODEO~拡大画像~
■共通点を挙げるならハードロックかな(e-ZUKA)
▲『カルマとラビリンス』初回限定盤 |
▲『カルマとラビリンス』通常盤 |
e-ZUKA(G.):根本は声優かそうじゃないかだな(笑)。
KISHOW(Vo):僕はもともとアニメ声優なので、GRANRODEOを結成するまでは音楽活動とは無縁だったんです。ずっと作曲家、アレンジャー、ギタリストとして活動してきたe-ZUKAさんと9年前にたまたま出会ってユニットを組んだっていう流れです。
e-ZUKA:(KISHOWに)洋楽初体験はBON JOVIだよね?
KISHOW:そうですね。世代的に小学生のときにBON JOVI聴いてカッコいいなって。
e-ZUKA:僕は小学生のときにKISSが大好きでハードロックに傾倒してBON JOVIが出てきたときには大人になっていた(笑)。と同時に子供の頃はピンクレディーとか西城秀樹さんとか歌謡曲が流行ってたので聴いてたし、とにかくギターが好きだったから、テレビにギタリストが映ると“わっ!”って録音するような小学生。だから、共通点って言われるとハードロックなんだけど、KISHOWも音楽を聴く幅が広いからそこも似てますね。曲調に合った歌い方ができるし。
──役割分担は作曲がe-ZUKAさん、作詞がKISHOWさんと、きっちり分かれてるんですね。
e-ZUKA:できないですね。(KISHOWが)ボケたりすると、どうしたらいいかわからないから、ボケにボケを足すしかないっていう(笑)。
KISHOW:だから、番組のゲストに呼ばれたりすると、「これで安心してボケられるな」って(笑)。話は戻りますが、僕は歌詞を書いて歌う人、この人は曲を作ってギターを弾く人。それが混ざり合ってGRANRODEOになる。
■最初の2曲は実は最初、組曲だった(e-ZUKA)
──なるほど。前回のアルバム『CRACK STAR FLASH』はオリコンデイリーチャートで1位になるヒットを記録しましたが、そんな状況を経て『カルマとラビリンス』を制作するに当たって2人で話したことは?
e-ZUKA:話したことは特にはないんですけど、アルバムのタイトルは先に決まっていたんです。
KISHOW:『カルマとラビリンス』でいきたいって言ったのは僕です。今までに出したシングル曲を入れることは決まってたんですが、既存の曲がファンタジックなイメージだったので。
──TVアニメ「黒子のバスケ」や「コード:ブレイカー」、「カーニヴァル」のOPテーマも収録されていますものね。
KISHOW:そうですね。「変幻自在のマジカルスター」のカップリングに収録されていた「絶頂ポイズン」も白雪姫がモチーフになっているし、どこか浮世離れしている曲が多いから『カルマとラビリンス』っていいかなって。そこから曲作りが始まっていった感じですね。
e-ZUKA:1曲目の「Blue Pandora Box」はイントロのシーケンスのフレーズを思いついて、そこにR&B、ヒップホップ的なメロディを乗せてみたら、QUEENの「WE WILL ROCK YOU」みたいだなと思って「この曲いいな」って。でも、この曲を最初に持ってきたらギターも入ってないし、“GRANRODEO、どうしちゃったんだ”と思われるかなと思って、最初はネオクラシカルな洋式美系へヴィメタルの「silence」と2曲、組曲みたいにして持っていったんですよ。これで“カルマとラビリンスというタイトル曲でよろしく”って(笑)。
KISHOW:最初の段階では1曲目と2曲目がくっついた形で1曲だったんです。でも、2曲に分けたほうがいいんじゃないかっていう意見が出て、今の形になった。
e-ZUKA:で、2曲を別の曲にするなら、タイトルも変えようっていうことになって。でも、Music Clipは2曲連続で収録しているので、「カルマとラビリンス」ってタイトルになっています。
──パンドラの箱を開けて次の扉を開くような感覚のある2曲で、最初から引き込まれます。
KISHOW:世界に入っていくみたいなイメージはありましたね。扉を開けたら“カルマとラビリンスの世界にようこそ”みたいな。
──組曲の話が出ましたけれど、アルバムのラストを飾る曲、「DAWN GATE」はまさに壮大な組曲ですね。
KISHOW:長いですよね(笑)。
──9分超えていますからね。
e-ZUKA:'70年代のロックって短いサイズのラジオ・ヴァージョンとアルバム・ヴァージョンがあったじゃないですか。シングル「TheOther self」のカップリングに「DAWN GATE“Unfinished”」という曲が入ってるんですが、最後の曲はその完成形です。お客さんはこういうタイプの曲をライヴで聴くのが好きみたいなんですが、僕自身は最初、こんなに長い曲、ライヴで演りたくないなと思っていたんです(笑)。でも、完成したら、この曲ばっかり聴いていて、今ではライヴで重要なポジションになるんじゃないかなって。偶然、オープニングとエンディングが組曲風になったから、自分でも「うまくできてるな」って。
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