坂本龍一、オーケストレーションで伝える極上のグルーブ

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坂本龍一の<Playing the Orchestra 2014ツアー>が、4月1日より石川県立音楽堂コンサートホールを皮切りにスタートする。2013年は栗田博文がコンダクターを務めたが、2014年のツアーでは全曲で坂本龍一が指揮をとる。

◆坂本龍一&東京フィルハーモニー交響楽団画像

3月30日と31日の2日間、ツアーに先立ち東京オペラシティ コンサートホールで東京フィルハーモニー交響楽団と共に入念なリハーサルが行われた。この両日間で演奏されたのは、今回のツアー用に用意された20数曲だ。1曲1曲細かな修正と確認を行いながらリハーサルは進められていく。注目すべきは、2013年のツアーで演奏された「ラスト・エンペラー」「戦場のメリークリスマス」「八重の桜」といった楽曲のアレンジに再度手が加えられ、さらにオーケストレーションに磨きがかかっているところだ。

2013年のツアーではYMOの「CASTALIA」をフル・オーケストラ・バージョンで披露し、オーディエンスを沸かせたが、2014年のそれに匹敵するのは「Ballet Mécanique」であろう。この曲は、もともとは岡田有希子に書かれた「WONDER TRIP LOVER」だったが、歌詞を変え「Ballet Mécanique」となってアルバム『未来派野郎(1986)』に収録された。後に中谷美紀が「クロニック・ラヴ」としてリリースし、ファンには馴染み深い曲だ。かつての<メディア・バーン・ライブツアー>や<NEO GEOツアー>ではボーカルやギターをフィーチャーしたアグレッシブなアレンジだったが、今回は弦楽器と管楽器がタペストリーのように音を織り綴り、鍵盤打楽器が効果的に使われ、瑞々しい曲に生まれ変わっているという。

他にもYMOナンバーや初期のソロ曲、映画音楽、震災以降に産まれた新しい曲まで、坂本龍一のオールタイムから選曲されている。今回のツアーは純粋なクラシックスタイルで、PAも一切用意されていないが、全編を通じて伝わってくるのが素晴らしいグルーブ感だ。総勢78人のオーケストラが奏でる音にある、このグルーヴ=うねりこそがPlaying the Orchestraツアーの真骨頂だ。

<Playing the Orchestra 2014 ツアー>は、4月1日より全国6ヶ所7公演開催される。

<Ryuichi Sakamoto | Playing the Orchestra 2014>
4月1日(火)石川県立音楽堂 コンサートホール
4月3日(木)大阪フェスティバルホール
4月4日(金)東京・サントリーホール 大ホール
4月6日(日)まつもと市民芸術館 主ホール
4月9日(水)りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
4月11日(金)東京芸術劇場 コンサートホール
4月13日(日)愛知県芸術劇場 コンサートホール

指揮・ピアノ:坂本龍一 / オーケストラ:東京フィルハーモニー交響楽団

◆<Playing the Orchestra 2014 ツアー>オフィシャルサイト
◆坂本龍一オフィシャルサイト
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