【ライブレポート】<U-EXPRESS LIVE 2014>初日に、VAMPSやACIDMANが熱演「「Driver’s High」でモッシュが起きるなんて、新しいね」

ポスト

ユニバーサル ミュージック主催ライブ・エンタテインメント・シリーズ<U-EXPRESS LIVE 2014>が3月1日および2日、さいたまスーパーアリーナで開催された。豪華アーティストが競演したイベントは、2日間で計25,000人の音楽ファンを熱狂させる一大フェスとなった。

◆<U-EXPRESS LIVE 2014>初日 拡大画像

<U-EXPRESS LIVE 2014>は、“コンサート開催までのわくわくする気持ち”や“演奏が始まる瞬間の心地よい緊張感”などを共有し、イベントを通して出演者とオーディエンスが一緒になって心地よい空間や新たな感動を創りだすイベントを目指し、2013年3月に第1弾が開催された。そして2014年3月、初日のヘッドライナーにVAMPS、2日目のヘッドライナーにケイティ・ペリーを迎え、ここでしか得られない感動体験が届けられた。

VAMPSやACIDMANらによる熱いロックフェスとなった1日目に対して、2日目はケイティ・ペリーや少女時代などユニバーサル ミュージック所属の女性アーティストに加え、スペシャルゲストにきゃりーぱみゅぱみゅを迎えたガールズ・ポップ・フェスとなった。

   ◆   ◆   ◆

【Day1:3月1日(土)】

2013年3月の第1弾開催から数えて、今回で4回目を迎える同イベントのスタートとしてオープニング・アクトのfadeが登場した。アメリカで結成され、2014年2月に日本メジャーデビューを果たした彼らは、アメリカン・ハードロックをさらに進化させたサウンドを高らかに響かせ、スタンディング形式のアリーナを一気に盛り上げていく。ダイナミックなメロディラインが印象的な「Ever Free」、Jonの「もっともっと繋がっていきましょう!」という声に導かれたリードトラック「Cross Road」、さらにはヘヴィかつエモーショナルなミディアムチューン「Kings of Dawn」。アリーナクラスの会場でもまったく見劣りしない堂々としたパフォーマンスは、客席のロックファンに強烈なインパクトを残したはずだ。

そして、ついに<U-EXPRESS LIVE 2014>の本編が開幕した。

イベントのトップを飾るのはRIZEのJESSE(Vo&G)、Pay moneyTo my painのT$UYO$HI(B)、Pay money To my painのZAX(Dr)、2013年9月に加入したNAKA(G)による4ピースバンド、The BONEZだ。いきなり頭から水をかぶったJESSEは強烈なシャウトとともにオーディエンスを煽りまくったほか、ステージを降りて観客の側まで近づいていくなど、あっという間に会場の熱を上げていく。ヘヴィロック、メロコア、ヒップホップ、ファンクをどこまでも自由にマッシュアップしたバンドサウンド、真摯なメッセージ性に貫かれたリリックも極めて強烈だ。JESSEの「友情、希望、愛情。そういうものを代表してるバンドです」という熱い言葉も含め、唯一無二の存在感をストレートに見せつけたステージだった。

続いての登場はTOTALFAT。各地のフェスやイベントでも高い支持を得ているこの4ピースバンドも、ロックの激しさ、楽しさ、素晴らしさをストレートに発揮した。パンキッシュなサウンドを基本に、4つ打ちダンスビート、速弾きギターソロ、思わず口ずさみたくなるポップなメロディを取り入れた楽曲からは、年齢や性別を超えて、すべてのオーディエンスを巻き込んでいくパワーがはっきりと伝わってくる。Shunの「初めての人が多いと思いますが、一緒に遊びませんか?」という一体感をもたらしたMCをはじめ、2000年の結成以降、約1000回のライブのなかで鍛えられたパフォーマンスも最高だ。ライブ後半にはL'Arc~en~Cielの「Driver's High」のカバーを披露するなど、徹底的にオーディエンスを楽しませて、気持ちを解放させるという意思に満ちたステージを展開した。

3アクト目は、神戸ワールド記念ホールでの初ワンマンライブが3月23日に開催されるなど、急激に注目を集めているFear,and Loathing in LasVegasだ。ステージに登場した瞬間からテンションをブチ上げまくるメンバーは、最新シングル「Rave-Up Tonight」をはじめ、その際立った個性をダイナミックに表現していく。エモ、ヘヴィメタル、エレクトロなどがナチュラルに共存するアレンジや、ハイトーンボイスのSoと強烈なスクリーモを放つMinamiのツインボーカルによる美しいメロディラインとアグレッシブなラップのバランスも刺激的だ。そしてメンバーは一瞬も止まることなく動きまくりながらオーディエンスを煽り、アリーナ全体の興奮を生み出していく。新世代ロックシーンの旗手としての存在感を示す、きわめて鮮烈なパフォーマンスだった。

続いては、ACIDMANの登場だ。研ぎ澄まされたアンサンブル、美しい静寂と爆発的なダイナミズムを併せ持ったメロディラインが響き渡り、会場の雰囲気が一瞬にして彼ら色に染められていく。楽曲「リピート」の“繋いだ音に意味を重ねて/混ざりあう海と太陽を見てた”、楽曲「新世界」の“立ち竦むのなら世界はそれだけ”など、深い精神性と神話的な世界観を含んだフレーズも、ライブという場所で体感することで、さらに強く伝わってきた。大木の「命のこと、宇宙のこと、人が生きるということ、人が死ぬということ。それを音楽で鳴らせると思って」という言葉とともに演奏されたラストの「ALMA」も圧巻。ACIDMANはロックミュージックを通して、この世界の根源を表現しようとしている。そのことを改めて実感できる素晴らしいアクトだった。

そして、世界中のロックファンに刺激と興奮を与え続けるヘヴィロックバンド“Slipknot”の中心的存在、シド・ウィルソンが“DJ STARCREAM”として登場。ずっしりとしたヘヴィネスを感じさせるビートを軸にしながら、ヒップホップ、ダブステップのテイストなどを融合したスタイルは、フロアをガッツリ盛り上げるというより、最新鋭のダンス・ロック・サウンドをリアルタイムで生み出しているという雰囲気だ。外見は怪しいマスク姿だが、きわめて創造性の高いDJ。最後はマスクとパーカーを脱ぎ捨て、ターンテーブルから繰り出されるトラックに乗せて自らラップを披露し、高々とピースサインを掲げてステージを後にした。

<U-EXPRESSLIVE 2014>初日のラストはHYDE(L'Arc~en~Ciel)、K.A.Z(OblivionDust)によるロック・ユニット、VAMPSの登場だ。凄まじい歓声が巻き起こるなか、メンバーがステージに姿を現すと、まずは2008年の1stシングル「LOVE ADDICT」を放つ。鋭さと爆発力が同時に感じられるK.A.Zのギターリフ、そして、危うさと美しさを兼ね備えたHYDEのボーカルが重なり、オーディエンスの興奮は一気に頂点へ向う。さらに最新シングルの「AHEAD」へ。心地よいドライブ感を備えたバンドサウンドと解放的なメロディがさらに興奮を掻き立てる。「最近は曲を作ってて、地味な作業しかしてないから。今日はぜんぶ出しちゃっていい?!」と嬉しそうに叫ぶHYDEからも、このイベントを全身で楽しんでいることが伝わってくる。

「イベント、ずっと見てたんだよね」と最初のMCでHYDEがコメント。TOTALFATがカバーした「Driver'sHigh」について「『Driver’s High』でモッシュが起きるなんて、新しいね」と笑顔で語った。

さらに「HUNTING」「ANGELTRIP」「REPLAY」といったアッパーチューンを次々と披露。ハードロック、ヘヴィロック、インダストリアル、ニューウェイブなどを貪欲に飲み込んだサウンドをはじめ、HYDEの激しくセクシーなパフォーマンスをたっぷりと見せつけた。最後に「SEX BLOOD ROCK N’ROLL」をパフォーマンスした彼らは、「またしばらく会えないけど、それまで首洗って待ってろよ!」というHYDEのシャウトとともにイベント初日のステージを締めくくった。VAMPSは3月28日、ロンドン公演の開催も決定している。結成以来、国内外でライブサーキットを繰り返してきた彼らは、ここからさらに大きなフィールドへと進んでいくことになりそうだ。

■<U-EXPRESS LIVE 2014>
2014年3月1日(土)13:30開場/15:00開演/19:45終演
2014年3月2日(日)13:30開場/15:00開演/19:00終演
さいたまスーパーアリーナ(埼玉県さいたま市中央区新都心8番地)
主催:UNIVERSAL MUSIC / WOWOW / テレビ朝日
後援:MTV / J-WAVE
企画制作:U-EXPRESS LIVE 2014実行委員会
協力:さいたまスーパーアリーナ
動員数:3/1=12,500人、3/2=12,500人(2日間計:25,000人)

■Day1:3月1日(土)
14:30 fade (Opening Act)
15:00 The BONEZ
15:45 TOTALFAT
16:30 Fear, and Loathing in Las Vegas
17:15 ACIDMAN
18:05 DJ STARSCREAM -SID WILSON-#0 of SLIPKNOT–
18:35 VAMPS


◆Day2:3月2日(日)レポートへ

◆U-EXPRESS LIVE 2014 オフィシャルサイト
◆U-EXPRESS LIVE 2014 オフィシャルFACEBOOK
◆U-EXPRESS LIVE 2014 オフィシャルTWITTER
この記事をポスト

この記事の関連情報