【ライブレポート】人間椅子、超絶歯ギターも炸裂!満員ぎっしり“おどろ”“どろろ”の日。「追加公演はO-EASTで!」

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2013年5月に開催された<Ozzfest Japan 2013>でのももいろクローバーZとの共演も含めたパフォーマンスで話題を呼び、その後、8月7日に発売したアルバム『萬燈籠 (まんどろ)』は、ライブのMCで「バンド生活25年、こんなに取材を受けたのはイカ天以来」と自らも語るほどの注目作となった。実は私もその注目作に乗っかり人間椅子の虜となった新参ものだ。

◆<人間椅子レコ発ツアー ~萬燈籠~> ライブ 画像

アルバムを引っ提げたレコ発ツアーのファイナルが、“おどろの日”と題して9月29日に、“どろろの日”と題して30日に渋谷O-WESTにて行われた。ここでは最終日となった“どろろの日”のライブをレポートする。

渋谷O-WESTには、前日に続き2階席までびっしりと多くのファンが集まった。『萬燈籠』の1曲目でもあるSE「此岸御詠歌」が流れると、ゾクゾクと期待感が押し寄せるかのように、オーディエンスもより前のめりになって拳を突き上げる。ライブは「新調きゅらきゅら節」からスタートし、初っ端からメンバー3人の頼もしくタフなステージングに否応もなく体がノッてテンションも上がる。“やっべ、楽しい!”だ。いや、25年も活動を続けてきたんだ、頼もしいだなんて、今さらすぎて失礼だ。

「人生万歳」を披露した後、「月曜日にも関わらず、こんなにも集まっていただいてありがとうございます。万歳もしてもらって。バンザーイ!」と喜びとともに観客を煽る鈴木(B&Vo)にオーディエンスも大きく手を挙げ、拍手を送る。

「狂気山脈」では、和嶋(G&Vo)のエンドレスなギターソロに時間を忘れ聴き入ってしまう。演奏後、少々体力を切らしたと鈴木が漏らし、笑いを誘う。「猫じゃ猫じゃ」では、この曲を作っている時にスタジオの配管の中に迷い猫がきて、そこから歌詞が出来たという、偶然の産物エピソードも話し、会場を和ませた。

また、和嶋は「品川心中」の曲中で落語も披露したが、鈴木から「会場に500人いるけど、笑いはクスッとだったよ。ネタを使い回してるんじゃないの。変えていかないと」とツッコミが入る。これには、「下手の横好きだけど、爆笑を目指します!」と意気込んでいた。そして最近は春風亭昇太が好きと語りながら、「光ってます。人気者はスターと言いますが、我々も光りたいですね。芸人として」と自らを芸人になぞらえ落語以上の笑いをとっていた。

長年の人間椅子ファンにはたびたび今さらで恐縮なのだが、このほんわかするMCと演奏で見せる超絶テクニックとのギャップにすっかり心を持っていかれてしまった。彼らが放つ、刺激的なハードロックを体中で感じられることに喜びを感じ、CDで聴く楽曲とはまた違って感じる世界に興奮する。

そして「蜘蛛の糸」では、和製ジミー・ヘンドリックスこと、和嶋による歯ギターも炸裂し、オーディエンスは熱狂する。歯ギターなんて、そうそう目にできるものではない。その圧巻のパフォーマンスを目の当たりにして、新参者は口が開いてしまっていたのだろうか、夢中で見すぎてよだれを垂らす始末だった。

本編は会場に熱気がたちこめるなか終了し、アンコールへと続く。「渋谷の皆さん楽しんでますか? 僕は楽しんでるぜ! 2日間ソウルドアウト、今回のツアーは何事も調子いいぜ!」と呼びかけるのは、ナカジマノブ(Dr)。そして、ハイテンションに「みんな俺のことを兄貴と呼んでくれー!」と煽る。そんな兄貴は、アンコール登場前に和嶋が着る予定のツアーTシャツを間違えて着てしまっていたそうで、「どおりでピタTだったよ」と会場を笑わせた。

そしてアンコールの「りんごの泪」、「幸福のねじ」に続いて、ダブルアンコールには、袈裟姿から白装束になり、前をはだけさせ褌が見せてしまうという出で立ちの鈴木が「皆さまのご健康とご発展をお祈りして、三三七拍子」と「地獄風景」を披露。O-WESTにいた満員のオーディエンスとともに迫力ある三三七拍子を見せライブは終了した。

終始、ステージから一瞬も目を離したくないほど夢中にさせてくれるライブであった。全身全霊で魅せる誇り高き和製ロック、一度堪能したらやみつきになること間違いなしだ。正直、なぜもっと早く彼らのライブに足を運ばなかったか……と新参者は後悔するぐらい。まだ人間椅子のライブを見たことがないという方はぜひ一度、生で体感することをオススメする。

また、この日、ファンにとってうれしいニュースも発表。このO-WEST2daysのチケット即完売を受けて、「追加公演をやりましょうということになりまして…来年、追加公演的なものをやります。1月18日に、O-EASTで」と語ると、客席はからは、大歓声が起きた。「O-EASTでやるのに25年かかりました!」との告知だったが、きっと渋谷O-EASTも満員ぎっしりになるに違いない。

なお、11月3日には大阪BIG CATにて筋肉少女帯との2マンライブが。そして11月30日にはZepp Tokyoにて、<樋口宗孝追悼ライブ vol.5 EVERLASTING MUNETAKA HIGUCHI 2013 6th MEMORIAL>と題されたイベントでLOUDNESSとの共演も決まっているので、こちらも注目したい。

PHOTO◎KASSAI [3PO DESIGN WORKSHOP]


<人間椅子レコ発ツアー ~萬燈籠~>
9月29日(日) 「おどろの日」セットリスト
1.黒百合日記
2.地獄変
3.桜爛漫
4.桜の森の満開の下
5.ねぷたのもんどりこ
6.幽霊列車
7.月のモナリザ
8.暗い日曜日
9.死神の饗宴
10.相剋の家
11.蜘蛛の糸
12.新調きゅらきゅきゅ節
13.恐怖!!ふじつぼ人間
14.人面瘡
15.針の山
En.愛の言葉を数えよう
ダイナマイト
En2.どっとはらい

9月30日(月) 渋谷「どろろの日」セットリスト
1.新調きゅらきゅきゅ節
2.人生万歳
3.時間からの影
4.狂気山脈
5.猫じゃ猫じゃ
6.品川心中
7.十三世紀の花嫁
8.膿物語
9.衛星になった男
10.洗礼
11.黒猫
12.蜘蛛の糸
13.青森ロック大臣
14.天国に結ぶ恋
15.針の山
En.りんごの泪
幸福のねじ
En2.地獄風景

<LIVE DVD 発売記念ツアー「四半世紀中」 >
2013年11月3日(日) 大阪 BIG CAT
OPEN 16:00 / START 17:00
出演:筋肉少女帯/人間椅子
料金:¥6,500(1Drink代別)all standing
[一般問い合わせ]:清水音泉 06-6357-3666

<樋口宗孝追悼ライブ vol.5 EVERLASTING MUNETAKA HIGUCHI 2013 6th MEMORIAL>
2013年11月30日(土) Zepp Tokyo
OPEN 17:00 / START 18:00
出演:LOUDNESS/人間椅子/他
チケット:全席指定¥6,800円(税込) ※3歳以上有料 ※別途ドリンク代
一般チケット発売日:10月19日より一般発売
※人間椅子FCにてファンクラブ限定先行販売あり。

<バンド生活二十五年 ~ 猟奇の果 ~>
2014年1月15日(水) 大阪ロックタウン
2014年1月16日(木) 名古屋ELL
2014年1月18日(土) 渋谷O-EAST
※人間椅子FCにてファンクラブ限定先行販売あり。

New Album 『萬燈籠』
TKCA-73939 ¥3,000(税込)
2013年8月7日発売
1.此岸御詠歌
2.黒百合日記
3.地獄変
4.桜爛漫
5.ねぷたのもんどりこ
6.新調きゅらきゅきゅ節
7.猫じゃ猫じゃ
8.蜘蛛の糸
9.十三世紀の花嫁
10.月のモナリザ
11.時間からの影
12.人生万歳
13.衛星になった男

◆人間椅子オフィシャルサイト
◆徳間ジャパンオフィシャルサイト
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