初めて明かされるザ・ビートルズと過ごした11年間、映画『愛しのフリーダ』

17歳でザ・ビートルズのファンから秘書になったフリーダ・ケリーの物語、映画『愛しのフリーダ』が12月7日(土)に公開となる。
◆映画『愛しのフリーダ』予告編

ザ・ビートルズ解散後も、秘書フリーダ・ケリーは、これまで一切口を開くことはなかった。本作は彼女が当時の仕事やメンバーとの交流について初めて語った貴重なドキュメンタリーである。ザ・ビートルズは、1960年のバンド命名から解散までの活動歴が10年。フリーダはバンド結成前から11年に渡りザ・ビートルズを影で支え、全てを見届けた人物である。
17歳でマネージャーのブライアン・エプスタインにザ・ビートルズの秘書に誘われたフリーダは、リヴァプールに住むシャイなOLだった。自分の想像を超えてどんどん大きな存在になっていくバンドを、フリーダはファンの時と変わらぬ愛と忠誠心で支え続けた。そしてバンドの成長と共に彼女自身もまた、世界一のバンドの秘書として成長していったのである。彼女は、メンバーからは妹のように、メンバーの家族からも娘のように愛され、慕われ続けた。

「つかの間の名声だけではもはや物足りなくなってきている現代は、モラルよりも有名であることのほうが重視される時代である。だからフリーダ・ケリーは稀有な女性。エンターテインメント業界での長年の経験を誇り、世界で最も話題となったバンドに一番近い距離にいながらも高潔を保ち続けた。フリーダは正確性を重視し、プライベートな情報に関しても非常に口が堅かった。ザ・ビートルズの秘書として働いていた頃は若く、解散後何十年も経っていることを考えると、彼女の忠誠心は感動的である。フリーダはザ・ビートルズの秘書というよりも、友であった。その献身のそもそものモチベーションとなったのがどのメンバーだったかは明らかではないが、そこから芽生えた絆は今でも変わらない。『愛しのフリーダ』で私は、謙虚な心、忠誠の精神の重要性、そしてその両方を重んじたティーンエイジャーの素晴らしいストーリーを語りたいと思っている。これはザ・ビートルズが彼女の人生をいかに形作ったかだけでなく、彼女がザ・ビートルズにどのような影響を与えたかの物語でもある。『愛しのフリーダ』は単なるザ・ビートルズ映画ではない。世界で最も切望された職の一つに就いた無名の少女が、ショービジネスの光を浴びてもなおその道義を守り抜いた様を描く物語なのである。フリーダは最初から彼らの成功を信じており、彼らもまたフリーダに信頼を寄せていた。もともと義理がたい彼女は4人を支えたファンの代表として休むことなく何年も陰の立役者として勤め続けた。

「メンバーはみな、彼女を妹のように思っていた。メンバーの家族たちは娘のようにね。フリーダは本当のザ・ビートルズを知る関係者の数少ない生存者なの。フリーダの話から、今まで聞いたことのないザ・ビートルズの真の姿が現れると思うわ。」──アンジー・マッカートニー(ポール・マッカートニーの継母)
映画『愛しのフリーダ』
1961年、リバプール。17歳のフリーダ・ケリーは会社の昼休みに同僚に連れられてキャヴァーン・クラブへ出かけた。そこにいたのは地下の小さなステージで演奏する革ジャンを着た4人組。その音楽を聞いたフリーダは衝撃を受けた。これまで聞いたことの無い音楽だったのだ。何度も何度もクラブに通い、バンドメンバーとも次第に親しくなっていったフリーダ。そんなある日、バンドマネージャーのブライアン・エプスタインから「会社を作るんだ、秘書にならないか?」と声をかけられる。フリーダは自分が大好きなバンドのために働けるというだけで夢心地だった。ブライアンの父が経営する家電販売店の2階に構えたオフィス。その隣の物置を改装した部屋がフリーダの仕事部屋だった。毎日のようにオフィスに顔を出すメンバーたち。マネージャーに会う前にフリーダとおしゃべりするのが日課だった。確実な仕事ぶりと親しみやすさで信頼を得たフリーダは、やがてファンクラブの運営も任されることになる。ファンレターは日々増え続け、バンドはフリーダの想像を遥かに超える速度でビッグになっていった。
製作/監督:ライアン・ホワイト
製作:キャシー・マッケイブ
出演:フリーダ・ケリー
2013年/アメリカ、イギリス/86分/カラー/配給:KADOKAWA
Courtesy of Freda Kelly
12月7日(土)角川シネマ有楽町ほかロードショー
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