【Kawaii girl Japan/ライブレポート】アニサマ1日目。“アニソンは夢、勇気、希望の魔法!”
“アニソン”を一つのキーワードに、多彩なアーティストが集う毎年恒例の夏の祭典<Animelo Summer Live>、通称“アニサマ”。2005年の初開催から年を追うに従って盛り上がりは増してゆき、9年目を迎えた今年はFLAG NINE――“閃く旗”をテーマに、さいたまスーパーアリーナで初の3日間公演が行われた。
◆Animelo Summer Live 2013 -FLAG NINE- ライブ写真
と、ここで早くも2年ぶりの出場となる、ももいろクローバーZが登場。まずは、オルゴール人形のようにキュートな動きで「ムーンライト伝説」を。続く「サラバ、愛しき悲しみたちよ」では、5人の巧みなフォーメーションで魅せながらアリーナ中央に伸びた花道へ駆け出して、ウルトラピンクに染まった客席に応えてゆく。そして「猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」のシンフォニックなサウンドに合わせ、ダイナミックなダンス&パワフルなヴォーカルで場内を圧倒! トドメとばかり高城れには“すごい楽しかったなっしー!!”と、ふなっしーの真似をして手足をバタつかせ、2万7千人のオーディエンスは沸きに沸き返った。
その後も、お揃いの白いドレスで素晴らしいユニゾンを聴かせ、ステージの隅々まで笑顔を振りまいた10人組・アイドルマスターシンデレラガールズ、ミステリアスなフリから衣装早変わりして清々しいダンスと振り幅の広さを見せたRay、ミリタリースタイルでフラッグをはためかせたChouChoと、バラエティ豊かな面々が現れるたびに場内のサイリウムも色を変えてゆく。また、劇場版「とある魔術の禁書目録」で自らが演じたキャラクターの出演シーンが流れるなか、花道の先にリフトUPして同作品の劇中歌をフレッシュに歌い上げたのは三澤紗千香。こういった演出も、歌手として活躍する声優が数多く参加するアニサマならではだろう。
ラップ・ヴォーカルを放ちながら“中2病!”“恋がしたいか!?”と、主題歌となっているアニメのタイトルを煽りに交えてヒートアップさせた異色派シンガーソングライターZAQ、爽快に突き抜けるナンバーでロック魂燃やして、満場のパッションを駆り立てた3人組バンドearthmindと、アーティスト性の高い2組の後に現れたのは、黒いドレスの中川翔子。舞台中央に空高くせり上がり、大ヒット曲「空色デイズ」で瞬く間にオーディエンスを巻き込んでゆく、その歌声の力強さは流石だ。続いて神秘的なストリングスの音色が流れ、一面ブルーに染まった客席に向かって「ペガサス幻想 ver.Ω」を歌い始めると、1フレーズ終わったところで本日のシークレットゲストであり、1986年に初代「ペガサス幻想」を歌ったNoBが全身白の衣装で登場! 時代を超えて黒と白がステージを交錯する奇跡のデュエット、そして、しょこたんの“コスモを燃やせ!”の叫びに、場内は熱狂の渦となる。
一人残ったNoBは、その後「轟轟戦隊ボウケンジャー」も披露。さらに、串田アキラはハスキーヴォイスのド迫力で「宇宙刑事ギャバン」と、特撮主題歌で子供心を掻き立てたところで始まった「キン肉マンGo Fight!」では、なんと、ももクロの5人が再登場というサプライズが! 百田夏菜子がキン肉マン、玉井詩織がテリーマン、有安杏果がジェロニモ、高城れにがラーメンマン、そして佐々木彩夏はウォーズマン(マスクで顔が見えない!)に扮し、花道の先に作られたリングで串田と勝負……という名目で、バックダンサーとコーラスを務めるという、なんともゴージャスなコラボレーションが実現する。こうした世代を超えたコラボもまた、アニサマの醍醐味の一つに違いない。
人気アニメの主題歌をツインヴォーカル&迫力のバンド演奏で立て続けに聴かせ、「CHA-LA HEAD-CHA-LA」を会場全員で大合唱したFLOWも、その熱気に“アニサマ、ヤベー!”と一喝。休憩を挟んでのμ’sの出番になると、9人のメンバーとスクリーン上で歌うアニメの彼女たちが、制服風の衣装もフリも完全なシンクロを為して、次元の壁すらワープする。また、甘い声と激しい煽りのギャップが魅力的な4人組バンドnano.RIPEが爽やかな風を吹かせれば、藤田麻衣子は柔らかさの中に棘を内包したようなヴォーカルで心に爪痕を残し、鈴木このみも16歳のはち切れる若さで勝負。ZAQの鍵盤プレイが加わってのメタル曲「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い」で、キバオブアキバのデスヴォイスとスリリングに掛け合う様も圧巻だった。
ここからはアニサマ常連組がズラリ。アニメそのままの探偵スタイルでミルキィホームズが現れると、ピンク、青、緑、黄と各キャラクター色のサイリウムが煌めく場内も勢いよくジャンプして、人気の程を証明する。そこに不穏な音が聴こえて“事件? 事件ならミルキィホームズにお任せです!”とせり下がった彼女らに替わり、出現したのはALI PROJECTだ。中世の貴婦人を彷彿させる薔薇のようにゴージャスなドレスに身を包んでソファに寝そべっていた宝野アリカが、鞭を揺らして花道へ進み、ダンサー達と舞う光景はまさしく唯一無二のゴシックワールド。が、次なるMay'nも花道でダンサー達の中からせり上がり、軽快かつキレのいい動きで「ViViD」をぶつけて、場内の空気を一変させる。“思い出はみんなと一緒に作っていくものだから、最高の夏の思い出を作っていきましょう!”と、「アオゾラ」ではしっとりと。今年がマクロス30周年ということで選曲したという「射手座☆午後九時Don't be late」では、“アニサマのパワー見せつけて!”と花道を端から端まで渡り、最後は全員でクラップ&ジャンプ! 変幻自在のヴォーカルに黒いハットにジャケットという衣装も相まって、スタイリッシュなステージで魅了し尽くしてくれた。
そして初日の大トリを務めたのは、これが7回目のアニサマ出演になるという茅原実里。スクリーンに海と空が映し出され、波の音が聴こえるなか、薄いブルーのドレスで「この世界は僕らを待っていた」を歌い上げるクリーン・ヴォイスに、自然の息吹を感じて心癒される。一転、アッパーな「CRADLE OVER」で拳をあげると、“オープニングで付けていた髪飾り、アリカ様の手作りなんですよ。お揃いで作ってくださって、しかもプレゼントしてくださいました!”と告白。続いて10月からの新番組『境界の彼方』の主題歌を初披露すれば場内は凄まじい盛り上がりを見せ、その勢いのまま“ラスト、一緒に燃え尽きようぜ!”と雪崩れ込んだのは「TERINATED」。ステージにあがる無数の炎と場内を染めるウルトラオレンジの光を浴びながら、花道を駆けてスタンドに手を振る彼女の勇ましさに、思わずグッと胸が熱くなるエンディングだった。
アンコールの声に応えて本日の出演者全員が舞台に揃い、一言ずつ挨拶しながら歌い継いだのは、今年のテーマソング「The Galaxy Express 999」。テーマソングにカバー曲が起用されるのは初とのことだが、往年の激情アニメ「銀河鉄道999」の主題歌だけあって聴く者の心にスッと馴染み、アニソン特有のスケール感大きい高揚感を味あわせてくれた。ラストは客席を静まり返らせ、茅原がマイクレスで“今日はホントに!”と叫ぶと、全員で“ありがとうございました!”と手を繋いで一礼。“アニソンは夢、勇気、希望の魔法!”(by中川翔子)という言葉を、まさしく現実のものとしてくれた5時間だった。
●text by 清水素子
●photo by (C)Animelo Summer Live 2013/MAGES.
◆Animelo Summer Live 2013 -FLAG NINE- オフィシャルサイト
◆Kawaii girl Japan
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