【インタビュー】access、常に新しいことに挑戦し輝きを放ち続ける2人が作り出すエレクトロサウンド「JOY TRAIN」
1990年代のダンスポップシーンを牽引し、数々のヒット曲を放ってきた浅倉大介と貴水博之によるユニットaccess。沈黙を破って、2002年に復活。2012年にデビュー20周年を迎え、加速し続ける彼らのニューシングルが完成した。時代が変わってもつねに新しいものが好きだと言う浅倉のサウンドメイキングとポップで突き抜けたメロディが光る「JOY TRAIN」は、access流エレクトロニックダンスミュージック。C/Wには初期の代表曲のDANCE MIXが収録されている。そんなaccessの“いま”とは? そして、変わらずに変わり続ける2人のスタンスとは?
■クールなエレクトロサウンドで、なおかつ爽快感もある曲にしたいなって(浅倉)
──2013年第2弾シングル「JOY TRAIN」の話を中心に、いろいろお伺いしようと思ってます。
浅倉大介(以下、浅倉):結成のいきさつとかはだいじょうぶですか?(笑)。
貴水博之(以下、貴水):そうなると、かなり長いインタビューになりますね。
──(笑)だいじょうぶです。「JOY TRAIN」は、銀河を列車が駆け抜けていくような光景が浮かぶ開放的でキラキラしたダンスチューンですが、どんなインスピレーションがあって作った曲なんですか?
浅倉:2012年はaccessがデビューして20周年のアニバーサリーイヤーで、ライヴやイベントを数多く行ってきたんです。今まで応援してくれたファンのみなさんへの感謝の気持ちもありつつ、僕たち自身、過去を振り返って、いろいろな意味で初心に戻ることができて。そんな年を経て2013年の春には「永遠dive」というアッパーでパワフルな曲をリリースしてツアーをしたんです。夏にもツアーを行うことが決まってたから、「また新曲があったらいいね」って。それと今年の夏は、僕の中で猛暑になりそうな予感があったので(笑)。
──暑くなりそうだって気象予想してたんですか?
浅倉:ええ。人間も年齢を重ねてくると感覚でわかるようになるんですよ(笑)。猛暑になるなら「永遠dive」が熱い曲だったので、音楽だけでもクールな気持ちになれるような曲にしたいなって。ヨーロッパで火がついて、アメリカに飛び火して世界中で流行っている“EDM”(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)の要素をaccessが取り入れたら、また新たなステップになるんじゃないかなと思って書いたのが「JOY TRAIN」です。もちろん、そのまま取り入れるんじゃなくて、ちゃんとライヴを想定したメロディ、歌詞になっているんですけど、エレクトロサウンドでなおかつ爽快感もある曲にしたいなと思って作りました。
──サビのメロディやフワーって視界が広がっていくサウンドが、歌詞とピッタリでめちゃめちゃ気持ちいいですよね。
浅倉:でも“TRAIN”という言葉は歌詞ができるまで存在していなかったんですよ。
──貴水さんが曲調から“TRAIN”を感じたわけですね?
貴水:はははは。「永遠dive」が勢いがある曲だったので、またみんなで盛り上がろうよっていう気持ちで書いた歌詞です。春のツアーはライヴハウス中心だったけれど、夏のツアーはホールで規模が大きくなるし、サポートし続けてくれているみんなや、新しく出会うだろう人たちと一緒に、テンションをアゲていこうよって。そういう気持ちが“TRAIN”という言葉に繋がったんです。僕ひとりの背中にみんなを乗せたら、ちょっと重いので、列車に置き換えて(笑)。
浅倉:いや、がんばって背中でもいいんじゃない?(笑)。
貴水:(笑)。
■“TRAIN”は願いや希望も乗せて一緒にみんなと進んでいくイメージ(貴水)
──まだ見ぬ景色にみんなを連れていきたいっていうメッセージが感じられます。
貴水:「永遠dive」を作ったときも大ちゃんと話していたんですが、いまはネガティブな情報も多い世の中だけど、accessは元気の出る曲を作ってライヴをやっていこうよって。「JOY TRAIN」も僕らならではの前向きさで、願いや希望も連れて進んでいきたいというメッセージを込めた曲なので、より多くの人と盛り上がれたら嬉しいですね。
──なるほど。さっき初心に戻ることができたと話してくれましたが、それはどういう部分で?
浅倉:長く活動をしていると、良くも悪くもブランドイメージみたいなものができるじゃないですか? “accessってこうだよね”とか。でも、僕らはどこかに必ず新しい要素を入れたり、“次はこう来たか”って、いい意味でそのイメージを裏切ってきたと思うし、やっぱり、つねに新しいものが好きなんですよ。“今の時代なら、こういうアプローチがaccessに合うかな”って考えたりとか。
──それがaccessらしさでもあるという。
浅倉:そうですね。シンセサイザーの歴史じゃないけど、20年続けてきて、オケの作り方もいろいろあるけれど、「JOY TRAIN」は全てシンセサイザーで構成したエレクトリックサウンド。時代的にこういうアプローチもありかなって。ボーカルの処理もいまどきな感じで。
貴水:そうなんですよ。大ちゃんはシングルを出すときは、僕に気を使って声をあまり加工しないんですが、今のダンスミュージックの場合、声をいじるのは当たり前の手法になっているので、僕のほうから大ちゃんに「加工して、いろいろ冒険してほしい」って言ったんですよ。結果、すごく良くなって、かなり好きですね。
浅倉:ちょうどいいバランスになったね。クラブでDJがかけるようなサウンドや歌にしてしまうこともできるけど、僕らは生身の人間だし、ステージで再現できない曲は作りたくない。accessはコンサートの一体感や空気感をこれからも大事にしたいので、そのあたりは細かくこだわりましたね。
──普遍的でポップな部分と新しい時代のアプローチが融合していますものね。
浅倉:そう言っていただけると嬉しいです。J-POPが好きな人もエレクトロが好きな人が聴いても楽しめる曲にしたかったんです。
◆インタビュー続きへ
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