【ライブレポート】Superfly、圧倒的な表現力で見事に歌い切った全23曲と不意の涙「頑張った5年間をほめてあげたいと思います」

ポスト

Superflyのデビュー5周年を記念するアリーナツアー<Superfly 5th Anniversary Super Live GIVE ME TEN!!!!!>のファイナル公演が4月21日、さいたまスーパーアリーナにて行われた。その速報は4/23付けのBARKSニュースでお伝えした通りだが、ここでは、より深く詳細に迫るレポートをお届けしたい。

Superfly 画像

2012年からスタートした5周年企画を締めくくるビッグステージの1曲目は、2007年4月4日にリリースされたデビュー曲「ハロー・ハロー」だった。16,000人の大観衆に対峙して堂々たる歌声を響かせているのを見ると、過ぎ去った年月が夢のようにも感じられる。「Hi-Five」「マニフェスト」といった初期の楽曲を歌う声は、あの頃のようなギリギリの切迫感や緊張感がそぎ落とされ、より豊かで包容力あふれる歌い方に変化している。いろんな時期にSuperflyを好きになった人が、それぞれのSuperflyの音楽との思い出を確かめる場所。今回のアリーナツアーは、つまりそういうものなんだと思う。

冒頭から6人編成の弦楽器隊が参加してロマンティックな調べを付け加えたり、「Hi-Five」「マニフェスト」では3人のホーンセクションが明るく躍動するフレーズを奏でたり。6人編成のタフなロックバンドを中心に、サウンドの色づけはとても華やかで開放的だ。そして越智志帆の歌声は、ツアーでずっと歌い続けてきたというのにお世辞抜きで絶好調。ミラーボールが似合うディスコ調の「恋する瞳は美しい」も、雄大なロックバラード「凛」も、アップからスローまであらゆる曲を完璧なピッチとトーン、どこまでも伸びてゆく圧倒的な声量と表現力で見事に歌い切ってみせる。歌が良ければバンドも盛り上がり、バンドが盛り上がれば観客もぐんぐん乗ってゆく。ライブ序盤から中盤まで、場内の熱気はひたすら右肩上がりの急角度で上昇してゆく。

「幸せなこともいっぱいあったけど、苦しいこともいっぱいあった、この5年間を全部見せたいと思います。そして、頑張った5年間をほめてあげたいと思います」

中盤のハイライトは、アリーナ中央に向けてせり出したセンター・ステージの上で歌った「Deep-Sea Fish Orchestra」と「My Best Of My Life」。前者では海の底のような深く青いライトに照らされ、サイケデリックな前衛舞踏のように身体をくねらせながら妖しく歌い、後者では360度を取り囲む観客に女神のような笑顔を見せて、神聖な、と言いたいほどに輝かしい歌声を聴かせる。こうした劇的な舞台演出が似合うのも、5年という年月の賜物だろう。

「ここからかなり激しくなるけど、準備はいいですか!」

強烈なアフリカンパーカッションの乱打で始まる「タマシイレボリューション」から、熱いソウルを込めたロックンロール「Force」まで、後半はひたすらアップ、アップ、アップの曲調で攻め続ける。「嘘とロマンス」では16,000人がタオルを回して踊りまくり、「Alright!!」では志帆と2人のギタリストがセンターステージへ走り出てポーズを決める。「Force」での、16,000人が大合唱するサビのコーラスも壮観のひとこと。時のたつのを忘れるままに、あっという間にライブ本編も終わりが近づいてきた。

「みんなの存在が私の原動力になっています。いつもありがとう」

最後はドラマティックなロックバラード「輝く月のように」と、弦楽器隊とホーン隊も全員登場して明るく奏でる「スタンディングオベーション」を。が、ここまでで2時間半近くが経過しているにも関わらず、まだまだ元気が有り余っている16,000人は、自然発生したウェーヴを何度も繰り返して、盛り上がりが止まらない。

「みんな、帰りたくないって? じゃあ踊りますか!」

アンコールで再登場した志帆が呼びかけると、答えはもちろんYES。出演者総出で歌い踊るゴキゲンなロックナンバー「Beep!!」でもうひと汗かいたあと、次の「愛をこめて花束を」は一転してせつなく情熱的な曲調を、スペシャルゲストの蔦谷好位置がピアノで加わり壮大に表現してみせる。そして本当のラスト曲「Rollin' Days」では明るくハッピーなリズムが会場いっぱいに広がり、これ以上はない幸せな空気がすべての人を包み込む中、約3時間近くに及ぶライブは大団円を迎えた。ここまではずっと笑顔だった志帆が、最後にスタッフやファンへの感謝の言葉を伝える途中で、不意に涙ぐんで言葉を詰まらせる。余裕で歌っていたように見えて実は張り詰めた気持ちでいたのかなと思うと、こちらもグッと胸が熱くなる。

Supeflyは遠くで見つめるアーティストではなく、その音楽とともに生きる身近な存在だ。この日集まった16,000人はきっとそう思っただろうし、その歌の親密さと音楽の持つパワーをいつまでも忘れないだろう。5周年を振り返るお祭りは終わった。Superflyは再び未来を見つめ、6年目の活動へと突き進んでゆく。

取材・文◎宮本英夫 撮影◎HAYATO

<Superfly 5th Anniversary Super Live GIVE ME TEN!!!!!>
2013.4.21@さいたまスーパーアリーナSET LIST
1.ハロー・ハロー
2.Hi-Five
3.マニフェスト
4.恋する瞳は美しい
5.1969
6.凛
7.Secret Garden
8.Nitty Gritty
9.アイデンティティの行方
10.Deep-sea Fish Orchestra
11.My Best Of My Life
12.タマシイレボリューション
13.平成ホモサピエンス
14.How Do I Survive?
15.嘘とロマンス
16.Get High!!~アドレナリン~
17.Alright!!
18.Force
19.輝く月のように
20.スタンディングオベーション
encore
21.Beep!!
22.愛をこめて花束を
23.Rollin' Days

『Force~Document & Live~』
4月3日Release(DVD,Blu-ray同時リリース)
【DVD(2DVD)】WPBL-90205/06 ¥4,830(税込)
【Blu-ray(BD)】WPXL-90015 ¥5,880(税込) *Blu-rayは1枚組
■Disc.1「Studio Force」
アルバム制作ドキュメント映像、ファンクラブツアーライブ映像
■Disc.2「Live Force」
<Superfly Tour 2012-13 "Live Force" supported by VO5>
東京国際フォーラム
01.Force
02.No Bandage
03.Wildflower
04.The Bird Without Wings
05.Nitty Gritty
06.愛をくらえ
07.終焉
08.あぁ
09.愛をこめて花束を
10.919
11.平成ホモサピエンス
12.I My Me Mine Mine
13.Free Planet
14.Get Hight!!~アドレナリン~
15.Alright!!
16.輝く月のように
-Encore-
17.タマシイレボリューション
18.終わりなきゲーム
19.スタンディングオベーション

◆Superflyオフィシャルサイト
この記事をポスト

この記事の関連情報