【ライブレポート】八代亜紀、“ジャズ・シンガー”としてヘレン・メリルと共演、魂の歌唱でNYの観客を魅了

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八代亜紀が、現地時間の3月27日(水)夜、ニューヨークにてジャズ・ライヴを開催した。

◆八代亜紀 画像

2012年、八代亜紀が演歌歌手としてデビューする前のクラブシンガー時代に思いを馳せ、スタンダード・ナンバーをカヴァーしたジャズ・アルバム『夜のアルバム』。大ヒットを記録した同作品は、日本のみならず米国を含む世界75ヵ国で配信されたが、それを受けて、1983年以来じつに30年ぶりとなるアメリカ公演、しかも念願だったジャズの本場ニューヨークでのライヴが実現する運びとなった。

会場となったマンハッタン44丁目の『バードランド』は、数多くの著名ミュージシャンが出演する名門ジャズ・クラブで、ライブ当日の500枚のチケットはソールドアウト。場内は立ち見が出る程の超満員で、開演前からたいへんな熱気に包まれた。そして、この日のために結成されたトップ・クラスの現地ジャズメンによるバンドとともに、大歓声に迎えられステージに上がった八代亜紀。なんと、いきなり代表曲の「雨の慕情」をアカペラで歌い出し、一気に観客の心をわしづかみにした。

その後は「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」や「ジャニー・ギター」「枯葉」など、『夜のアルバム』収録ナンバーを次々と披露。途中、グラミー受賞アーティストのカート・エリングやレジーナ・カーターとの華やかな共演も繰り広げた。

「すてきな会場で、すてきなバンドと、すてきな観客のみなさまの前でライヴができて、今日は夢のような1日です」。そうMCで語ったステージの終盤には、八代亜紀がクラブシンガーを志していた16歳の頃より憧れ続けてき現役最高齢の女性ジャズ歌手、ヘレン・メリル(82歳)が登場。ヘレン・メリルは『夜のアルバム』に推薦コメントを寄せるなど八代亜紀の才能を高く評価しており、今回のニューヨーク公演でもゲスト出演を快諾してくれた。

ステージでは、ヘレン・メリルの大ヒット曲「ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ」と、八代亜紀の故郷・熊本に伝わる民謡「五木の子守唄」をデュエット。じつは、ヘレン・メリルは1960年代後半に数年間熊本に住んだことがあり、かねてからこの民謡をレパートリーとしてきた。「ニューヨークのため息」という称されるヘレン・メリルと、「トーキョーのため息」の八代亜紀。魅力的なハスキー・ヴォイスを持つ二人のハーモニーは、本場ニューヨークの観客を大いに魅了した。

そして、代表曲「舟唄」で本編を締めくくると、観客からは割れんばかりの拍手が巻き起こる。アンコール含め11曲を披露し、何度も「とってもとっても幸せです。サンキュー!」と言いながらステージを後にした八代亜紀に、終演後にはライヴを観た現地のジャズ・ファンから、「ワンダフルなパフォーマンス!」「ニューヨークでのライヴが初めてだなんて驚き」「メランコリックな曲に合うすてきな声だ」と絶賛の声が寄せられた。

小学5年生のときにジャズと出会ってクラブシンガーを志した八代亜紀にとって、今回のライヴは50年来の夢が叶った一夜となった。終演後に八代亜紀は、「一流のメンバーと、本場ニューヨークの一流のクラブで歌えて、本当に幸せで夢のようです。客席からも音楽を一緒に楽しむ姿勢がひしひしと伝わってきて、音楽に国境はないんだなと思いました」と語った。なお、今回のニューヨーク公演の密着取材を含む、八代亜紀のジャズ・ドキュメンタリー番組が、4月29日(月・祝)午後10時よりNHK総合テレビにてオンエアされることも決定している。

Photo by Shino Yanagawa

『夜のアルバム』
発売日:2012年10月10日
CD:UCCJ-2105 \3,150(税込)
アナログ盤LP:UCJJ-9005 ¥3,600(税込)

◆八代亜紀 ユニバーサル ミュージックオフィシャルサイト
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