【イベントレポート】“ももち劇場”と化した、Berryz工房の「アジアン セレブレイション」リリースイベント

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先日3月3日にデビュー9周年を迎えたBerryz工房が、去る3月14日に池袋サンシャインシティ噴水広場にて31枚目となるシングル「アジアン セレブレイション」のリリースイベントを開催。同曲が応援歌となっている映画『プリキュアオールスターズ New Stage2 こころのともだち』から、プリキュアオールスターズのメンバーも応援に駆けつけた。

◆<Berryz工房 「アジアン セレブレイション」リリースイベント> 画像

昨今、日本のみならず、東南アジア地域でも人気なのがBerryz工房。3月3日の桃の節句(ももちの日)に開催された<ひな祭りフェス>終了後、彼女たちはタイ・バンコクへと飛んで2度目となる単独公演<Berryz Kobo Concert Tour 2013 Spring in Bangkok>を実施。さらに帰国後は、関西地域と名古屋でリリースイベントを開催した。そんな大忙しな中で実施されたのが、今回のイベントだった。

噴水広場に鳴り響く「Berryz工房行進曲」のオープニングSE。10周年に突入するBerryz工房が須藤茉麻を先頭に堂々入場する。その姿に大歓声の観客。サンシャインシティという場所柄ゆえか、メンバーの名前を呼ぶ女の子たちからの黄色い歓声も実に多い。また、たまたま通りがかった女子高生らが「ももち? ももち?」なんて盛り上がりながら足を止めている姿もあった。そんな様子にBerryz工房のメンバーも少し驚き、そして嬉しそうな顔を見せる。

イベントの1曲目を飾ったのは、タイのファンを熱狂させて帰国したBerryz工房にピッタリの「cha cha SING」(タイの大人気歌手・BIRDの楽曲カバー)。軽快なサウンドと振り付けで、池袋にオリエンタルな雰囲気が漂う。

ところが、ここで熊井友理奈のマイクにトラブルが発生。もっとも、公開リハーサルの段階から若干音が入りにくい様子ではあったが、本番になって完全に音を拾わなくなってしまっていた。ワンコーラス終了後、パフォーマンスをしながらも熊井のマイクから音が出ないことに困惑を隠せないメンバー、そしてステージを取り囲むファンも異変に気づいている。

迎えたツーコーラス目、<いいわけなんてするんじゃない>の熊井のソロパートでも、はやりマイクは音を拾わない。しかし次の瞬間、このパートを歌う別の声が池袋に響いた。歌っていたのは、“ももち”こと嗣永桃子。そしてももちは、なんとなく眺めているくらいでは気づかないような、さり気ないアイコンタクトをステージ上で熊井と交わす。

それからは、サビの<愛叫び>のところも含め、メンバーの声を気にしながら音源を注意深く聴いていたり、ライブを何度も見ていないと気づかないくらい自然に熊井のパートをももちが歌っていく。10年近く同じグループとして活動し、幾多のステージを経験していたBerryz工房からできる、もしくは巷の“アイドル戦国時代”なる流行りの中で現れたアイドルグループでは決してできない、見事なフォローだった。

「みなさーん、盛り上がってますかー? それじゃあ続いての曲、いっちゃってもいいですかー?」

ももちが会場に呼びかける。会場で観ていた人はわかったかもしれないが、この一言にいくまでに少し間があった。そう、このMCも、実はももちのアドリブ。ももちがつないでいる間に、熊井のマイクが交換できたわけだ。

それからはBerryz工房はいつもどおり。各人の個性が、なかでもソロパートも多いももちの個性が存分に発揮される「ギャグ100回分愛してください」では、さっきまでのトラブルでのフォローもあってか、サビの<あなたが一番>に被せるように会場中から「桃子が」のコールが響く(ちなみにこの歌詞の後に<好き!>のフレーズが続く。)

自己紹介を挟んで、ステージにはプリキュアオールスターズも登場。『映画 プリキュアオールスターズ NewStage2 こころのともだち』応援歌である新曲「アジアン セレブレイション」をBerryz工房×プリキュアオールスターズで披露へ。

「アジアン セレブレイション」といえば、冒頭のダンスフォーメーションでセンターから颯爽と登場する夏焼 雅。その様子をひと目見ただけで、集まった観客の興奮度が一気に高まっていくのが手に取るようにわかる。そしてこのパーティーチューンに誰もが“Let's have a good time !”。曲中の<はーい、みなさん、調子はいかが?>という雅ちゃんの問いかけにも大きな歓声が上がる。さながらサンシャインシティはクラブになってしまったかのようだった(いや、この時、2000人が集まった噴水広場はピークタイムのフロアを彷彿とさせる盛り上がりと混み具合ではあったのだが)。

イベント終了後に報道陣の取材に応じたBerryz工房のメンバー。今回、プリキュアと8年ぶりのコラボしたことで、「私たちも成長したけど、プリキュアも32人に人数が増えていることにびっくりしました。」とキャプテン・清水佐紀。熊井友理奈と菅谷梨沙子は、今日のステージで「(プリキュアオールスターズが)一緒に踊ってくれていて、それが見ていて可愛いなって思いました。」と話す。また、雅ちゃんは「プリキュアはちびっ子に大人気なんですけど、Berryz工房も、もっともっとちびっ子に人気になれるようにこれからも頑張りたいと思います。」と、抱負を述べる。それは、大きなお友だちだけでなく小さなお友だちへも“みやビーム”を放射していく、という宣言のようですらある。

プリキュアとのコラボレーションを今か今かと待っていた、というももちは「実現できた今、さらに絆が深い“おとももち”になれて嬉しいなって思います。」と。1作目の『ふたりはプリキュア』から観ていたという徳永千奈美は、一緒のステージに立てたこと自体がもう嬉しそう。須藤茉麻は、「この『アジアン セレブレイション』で『プリキュア』を盛り上げたい。」と、“Berryzの母”と言われるだけあって、しっかりとしたコメントを残す。

さらに報道陣から、『プリキュア』との思い出を訊ねられたメンバー。雅ちゃんからは「小学生の頃にプリキュアがすごく好きで、コスプレをよくしてました。」という、ちょっと驚きの一言が飛び出す。「ピンクが好きだったので、なんだっけ? 最初の……」と、キャラクター名を思い出せない雅ちゃんに「キュアブラックです。」と、ももち(初代プリキュアはキュアブラックとキュアホワイト。キュアブラックは衣装に黒とピンクが用いられていた)。話を聞いていると「雅ちゃんがプリキュアなら、“ミヤキュア”か。いやいや、プリキュアの命名規則に則るなら、それはむしろ“キュアミヤビ”。名は体を表すという言葉通り、とても雅やかなキャラクターになるんだろう。」とか「そもそも初代のプリキュアは、クールビューティーなイメージだったのだから、雅ちゃんこそプリキュアにぴったりではないか。」なんて思った関係者もいたかもしれない。しかしそんな一部報道陣の想像や妄想、思考をよそに会見は進んでいく。ちなみに、ももちがプリキュアに詳しいのは、教育実習に行った2年生のクラスでみんなプリキュアが大好きだったから、とのこと。いや、正確にももちの発言を書き起こすなら、「ももちはあの、去年、教育実習に小学校行ってきたんですけども、その時に2年生担当だったので、子どもたちが『プリキュア大好き、“ももち大好き!”』みたいな感じだったので。」だそうだ。苦笑いするほかあるまい。

報道陣からは、先日訪れたタイでのエピソードについて質問も。これにももちは「空港に着いた時に“キャーキャー! ももち! Berryz工房!”みたいな感じで、日本ではなかなか味わえない優越感みたいなやつを味わえてすごい嬉しかったです。あと、日本では『許してにゃん』てやると、シーンとなるっていうか、スベってる感じ? スベってはないんですけど、笑いが起きないことが多いんですけど、タイではものすごい大歓声で、“でたー! 『許してにゃん』”みたいな感じで、すごいちやほやしてくださったので、なんか、タイ、向いているんじゃないかなって思いました。」と、コメントする。

そして訪れる沈黙。

話を変えるように報道陣は「今日はキャラクターがいっぱいいますが。」と、ももちに質問を投げる。するとももち、「そうですねー。プリキュアオールスターズのみなさん、みんな可愛いんですけどー、なんだかんだももちが一番可愛いので、『許してにゃん』って感じです。やったー、キマったー!」と嬉しそう。

そして再び訪れる沈黙。

さらにももちを振り切ろうと、報道陣は「アジアン セレブレイション」が応援歌という“応援”つながりで、WBC(WORLD BASEBALL CLASSIC)の話題に。すると「監督の山本浩二さんとは、実はホントにおとももちで、ももちにデレデレになっちゃう“こゆビーム”を撃ったら、本気でデレデレってしれくださった方なので、画面越しなんですけど“ももちエール”を送っています。」と、ももちも食いついてくる。ももち曰く、番組で一緒になった時に「ももちでーす。」と挨拶したら、山本監督が顔を“もも色”にしてくれたそうで、画面越しにも“ももちエール”は届いている、とのこと(現地時間の17日にサンフランシスコで開催された決勝トーナメント準決勝で侍ジャパンは惜しくもプエルトリコに敗れてしまったが)。

たまらず報道陣は、最終手段ともいえるキャプテン・清水佐紀に「ホントですか?」とエスケープ。「多分、ももの勘違いだと思います。本当に申し訳ございません。」と、キャプテンの謝罪の言葉、視線を足元に落として苦笑する雅ちゃんたちメンバーの横で、「ホントなんです! ホントなんです! 信じてくださーい!」と、ジタバタしているももちであった。

「他のグループってメンバーの入れ替わりとか卒業、加入とかがあるんですけど、Berryz工房はずっとこの同じメンバーできているので、これから先も7人で力合わせて、世界中で輝けるグループになりたいです。」── 清水佐紀

イベントは短い時間だったものの、Berryz工房は、集まってくれた観客の声援に応えて最後まで手を振ったり笑顔を見せたりと、それが充実したものであったことをうかがわせた。ステージの前方に来て、汗を浮かべながら4階までぎっしり埋まっていた様子を満足気に眺めていた雅ちゃんの、宝石のような瞳の輝きが、何よりそれを物語っていたはずだ。

Berryz工房は現在、春ツアーである<Berryz工房コンサートツアー2013春 ~Berryzマンション入居者募集中!~>を開催中。このツアーのファイナルは、4月29日の中野サンプラザ公演だ。

text and photo by ytsuji a.k.a.編集部(つ)


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