【ライブレポート】マーシャ・クレラ、2013年ツアー開始

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2012年11月に初の来日公演を果たしたマーシャ・クレラ。マーシャはドイツ・ベルリンのインディー・ロック、ポスト・ロック、エレクトロニカ・ポップ、オルタナティブ・ロックを代表する女性アーティスト。彼女の2013年の<マーシャ・クレラ・ヨーロッパツアー>が、2月3日のエスリンゲンを皮切りにいよいよスタート!今日は2月15日(金)、ドイツのイェーナにあるテアターカフェ(Theatercafe)で行われたライブレポート。

◆マーシャ・クレラ画像

イェーナはベルリンの南西200キロメートルに位置するドイツの小さな街で、ドイツ文学の父「ファウスト」の著者ゲーテや、シラー、ドイツ哲学の父ヘーゲルなどが教鞭をとったことで有名な街。グリム童話に描かれているかの如き、レンガ造りの古い建物と石畳の路地が郷愁を誘い、癒しを与えてくれるような小じんまりとした風景のなかに、マクドナルドやサブウェイのような現代を象徴するかのコンビニエンスストアが並んでいる。その風景は、マーシャ・クレラの音楽が持っている何かしらの感触と、どことなくシンクロするように思える。

マーシャ・クレラ・バンドは2012年のツアーと同様、
・マーシャ・クレラ(Vocal, Guitar, Bass)、
・セバスチャン・ネーエン(Sebastian Nehen: Keyboards, Harmonica, Percussion)
・ロバート・クレッチマー(Robert Kretzschmar: Drums, Vocal)
の編成。演奏曲目は、2012年の日本ツアーの時期から不動のラインナップとなっているレパートリー。最新アルバム『Analogies』から「Take Me Out」「Crooked Dreams」「Fishing Buddies」や「Talk to the Trees」「Welcome to the City」「Don't Stop the Dance」「14 Reasons」「I don't Like her」、マーシャが在籍したContrivaのナンバー「Next Time」など。

この日のライブも、マーシャ・クレラ・バンドはその本領を発揮!マーシャの15年を超えるミュージシャン・キャリアから生まれた不動のラインナップとなっている楽曲たちは、ウィットに富んだ演奏手法で変型され、2013年のマーシャ・クレラの新しい音楽となって提示される。マーシャの音楽もイェーナの街並みも、人々に対して、ただただカタルシスと癒しを後ろ向きな方向で与えるだけではなく、ミュージシャン、聴き手を含めた人々の“大切な何か”を、新しい明日に向けて変型させていくような力を持っている。それは、決して説教がましくなくて、何かを白だ黒だと決めつけるわけではなくて、押し付けがましくないかたちで、ゆっくりと何かを再生させていくような包容力と優しさ。イェーナの街並みに僕が感じたマーシャの音楽との親近性はたぶんこれなのだろう。

2月から3月にかけて、オーストリア、ハンガリー、ポーランド、オランダ、ドイツとマーシャ・クレラのヨーロッパ・ツアーは続く!

文:Masataka Koduka

◆マーシャ・クレラ・2013年ツアー情報
◆マーシャ・クレラ・オフィシャルサイト
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