INORANの疾走が止まらない!進化、熱狂、盟友との歴史的再合体――さまざまな名場面とともに全国ツアー終了

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7月26日、午後9時10分。場所は東京・渋谷O-EAST。セットリストの最後に配置された「Joshua」の余韻がまだ残るなか、少し前に視界から去っていったINORANは改めてステージ中央に戻り、フロアを埋め尽くしたオーディエンスに「また会おうぜ! See you next time!」と別れを告げた。その瞬間、去る6月30日に幕を開けた全国ツアー<Live Tour 2012“Dive youth, Sonik dive”>が着地点に到達した。

◆INORAN@渋谷O-EAST 2012.7.26~拡大画像~

今回のツアーは当然ながら、6月27日に発売された最新アルバム『Dive youth, Sonik dive』に伴うもの。INORANの脇を固めるというよりも、彼とともにロックを転がしてきたのは、同作の参加ミュージシャンであるYukio Murata(g)、u:zo(b)、Ryo Yamagata(ds)、そしてキーボードやプログラミングを担当するDaisuke Kikuchiといった気心の知れた仲間たち。ライヴ自体の軸となっていたのも当然ながらこの最新作であり、この夜のステージでもオープニングに据えられた「smoke」を皮切りに、もはや彼のライヴに不可欠な楽曲となりつつある「Get Laid」や「Hide and Seek」など、このアルバムの収録曲すべてが披露された。

実際、約1時間40分に及んだこの夜のライヴ・パフォーマンスが証明していたのは、この“バンド”がとても有機的な機能美を伴った状態にあるということ、そしてこの最新作に封じ込められていた熱のカタマリのようなロックンロールが、まさに生きもののように膨張し続けているということだった。筆者自身、このツアーの序盤にあたる7月3日に東京・渋谷クラブクアトロでの公演を目撃しているが、その時点ですでに感じられた生々しい進化と深化の匂いは、各地での公演を経た末に、より濃厚で説得力の強いものになっていた。

また、いくつか具体的に特筆しておくべき出来事もあった。ライヴの終盤、INORAN自身の紹介により登場したのは、YORKE.と名乗るパフォーマー。OLD CODEXなるユニットの一員として活躍する彼は、この夜のステージの背景を飾っていたバックドロップのグラフィック・アートも手掛けている人物。「Hide and Seek」の演奏開始とともに即興ペインティングをスタートし、ステージ後方に用意されたキャンバスに次々と演奏曲のタイトルを色鮮やかに浮かび上がらせていった。

そしてYORKE.と入れ替わるようにステージに招かれたのは、DJ BASSとKEN LLOYD。改めて説明するまでもないはずだが、KENは2002年にINORANと共にFAKE?を立ち上げたフロントマンであり、DJ BASSはそこでずっとターンテーブルを操ってきた男。今やFAKE?自体はKEN個人のプロジェクトとなっているが、この場で一夜限りの再合体が実現することになったというわけだ。

そこで披露されたのは、言うまでもなく「LEMONTUNE」。かつてFAKE?の楽曲として生まれたこのナンバーは『Dive youth, Sonik dive』にも“今”のINORANに似つかわしいものとして収録されている。また、INORANのソロ始動15周年にあたる今年は、FAKE?の誕生10周年の記念すべき年でもあり、8月1日に発売を迎える『FAKE? 2002-2012 Decade Selection』には、INORANの参加による新曲も収められている。ふたつのアニヴァーサリーが重なり合った今年だから起こり得た“7年ぶりの合体”に、場内に充満する熱はさらなる高まりをみせた。

結果、この夜のライヴはその「LEMONTUNE」を経ながら前述の「Joshua」へと繋がり、ラスト・シーンを迎えることになった。が、もちろんINORANの疾走はまだまだ止まりはしない。というか、おそらくこれは誰にも止められないだろう。この先、9月5日には、FEEDER のTAKA HIROSEらと組んでの日英米混合プロジェクト、Muddy Apesとしての第1作、『Crush It』のリリースも控えているし、8月末から9月にかけてはINORAN名義での初のヨーロッパ・ツアーも決定。9月29日には東京・渋谷公会堂でのバースデイ・ライヴも決まっている。すでにスウェーデン、オーストリア、ドイツ、フランスでのライヴ日程が発表されているが、今後もまだ公演は増える模様で、このツアーにもINORANは今回と同じ仲間たちと挑むのだという。そして、そこで得られた刺激が、前述のバースデイ・ライヴで新たな進化として提示されることになるというわけだ。敢えて言うまでもないことだが、そうした意味においてもこの渋谷公会堂公演は必見である。

この日のステージ終了間際、INORANは今回のツアーを通じて“素晴らしい宝物”を得たと語り、オーディエンスやスタッフに対して感謝の気持ちを述べた。が、そうした宝物が本当に輝き始めるのはこれからなのかもしれない。INORANの“笑顔を忘れない疾走”の、今後の行方に注目したい。そして、できればその動向を見守るだけではなく、あなた自身にもその渦に巻き込まれながら、彼の“熱”を体感して欲しいところである。

増田勇一

<"Seven Samurais" European Tour 2012>
8月31日 KGB Bar. Stockholm, Sweden
9月2日 Aera. Wien, Austria
9月5日 MTC Club. Cologne, Germany
9月8日 Headcrash. Hamburg, Germany
9月16日 Paris Manga. Paris, France
and more...

<Solo Works 15th Anniversary Year 3rd Stage INORAN BIRTHDAY LIVE -Code 929- 2012>
9月29日(土) 渋谷公会堂
[一般発売日] 8/25(土)
INFO.HOT STUFF PROMOTION 03-5720-9999

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・ イープラスによる抽選受付となります。
・ 事前にイープラスの会員登録(無料)が必要です。
・受付期間中に下記URLへアクセスし、ガイダンスに従いお申込ください。
【受付期間】 2012.8.1(水)19:00~2012.8.9(木)18:00
【受付URL】 http://eplus.jp/inoran0929-hp/  (PC&携帯共通)

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◆INORAN キングレコード レーベルサイト
◆BARKS ヴィジュアル系・V-ROCKチャンネル「VARKS」
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