HIMEKA、白夜の北欧で地元オーケストラをバックに日本アニソンを熱唱

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7月15日~17日にフィンランドのヘルシンキ、トゥルク、エストニア共和国のタリンで、<フィンランド・エストニア公演2011~日本アニメ音楽コンサート>が開催、そのメイン・イベントとなったのが、HIMEKAと地元フィンランド青少年管弦楽団とのジョイント・コンサートだった。HIMEKAは自身のアニメ主題歌となったオリジナル曲に加え、現地でも有名な人気アニメ主題歌のカヴァーなどをクラシック・アレンジに変えて披露、現地メディアでも大々的に取り上げられ、大成功を収めた。

◆HIMEKA画像

このイベントは、在フィンランド日本大使館とフィンランドにゆかりのある日本人指揮者の野津如弘を中心に企画され、アニメを通して日本のポップ・カルチャーに興味のある若者との文化交流と日本語学習意欲を高めるために催されたもの。

カナダ出身で日本在住“青い目のアニソンシンガー”HIMEKAは、幼少の頃よりカナダのTVで観た日本のアニメに興味を抱き続け、独学で日本語を学びアニメ主題歌を口ずさみながら日本に想いを寄せてきた少女だ。2008年に一念発起し、ワーキング・ホリデーのビザで日本に渡ったHIMEKAは、<第2回全日本アニソングランプリ>(アニマックス主催)で3186人の中から見事グランプリを受賞、2009年にTVアニメ『戦場のヴァルキュリア』主題歌「明日へのキズナ」で日本メジャー・デビューを果たした、いわば“ジャパニーズ・ドリーム”の体現者。日本でアニソン歌手になるという夢をつかんだHIMEKAは、ジャパニーズ・アニメやアニソンが好きな海外の若者にとっては憧れの存在となっていることから、この企画が立ち上がったという。

ヘルシンキ公演の会場となったのは、19世紀のロシア駐屯軍の兵士へ提供するエンタテインメントの場所として造られた歴史的な建造物・アレキサンダー劇場で、普段はオペラやクラシックが演奏される由緒あるホールである。今回、その長い歴史の中でHIMEKAによって初めて“日本の歌が演奏される”ということで、会場は日本の文化に興味を持つ人やアニメ・ファンであっという間に埋め尽くされた。

クラシックな会場に合わせたドレスで登場したHIMEKAは、これまで発売した自身のアニメ主題歌に加え、世界中のアニメ・ファンの間で知られ、現地でも人気のアニメ主題「ムーンライト伝説」(美少女戦士セーラームーン)「残酷な天使のテーゼ」(新世紀エヴァンゲリオン)などをクラシック・アレンジに変えて披露。オーケストラによる壮大な演奏をバックに、その音量に負けない抜群の歌唱力で歌い上げたHIMEKAは、オペラ歌手のごとく荘厳な雰囲気でパフォーマンスを行なった。終演後の観客は、HIMEKAの流暢な日本語で歌うアニソンを口々に“アメイジング!”と賞賛、このコンサートの模様の一部が現地の夜のTVニュース番組でも放送され、翌朝の新聞などでもトップ・ニュースとして紹介されるほどの高い注目を浴びた。

なお2日目のトゥルクでは、北欧最大級のアニメ・コンベンション<アニメコン>のメイン・イベントに組み込まれ、そのコンサートのMCでは、HIMEKA自らもアニメを通じて日本語を勉強し、日本でプロの歌手としてデビューしたエピソードを話し観客の共感を得るシーンも。コンサート本編が終わると、シャイで普段はあまり感情を表に出さないフィンランド人には珍しく、スタンディング・オベーションとアンコールの拍手、さらに足で床を鳴らすなど、賞賛の音がアリーナ中に響き渡る中、コンサートは大成功に終えた。

「私と同じようにフィンランドの方も日本が好きな人が沢山いると思います。日本で仕事をする事は大変な事だと思い希望を失ってしまう人もいるかもしれませんが、夢を絶対にあきらめないで進んで下さい。また、北欧でオーケストラと一緒にアニソンを歌う事ができて、本当に気持ち良かったです。初めて一緒に合わせてリハーサルした時は、大変緊張しましたけれど、シンフォニック・アレンジで、オーケストラと一緒に歌うのは最高でした!でれば日本でも同じようなコンサートを行いたいと思います。ご招待いただけて、大変光栄でした。」──HIMEKA

「オペラは、ドイツ語やイタリア語など、大体の歌手は母国語以外の言葉で歌います。アニソンは日本語です。HIMEKAが歌うアニソンはそういった意味ではオペラのようなものですね」──野津如弘(指揮者)

「いつか、HIMEKAさんと同様に、日本のアニメを通じて日本に興味を持ったフィンランドの若者の中から、彼女のように日本でアーティストとして成功する方が現れることが私の夢です」──丸山博(駐フィンランド日本国大使)

HIMEKAはこのコンサートで得たものを年内発売予定の新作に反映させたいという。HIMEKAの存在は日本アニソン界にとって新鮮であるのみならず、海外にとっても斬新な先駆者として大きな注目を集めているのだ。

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◆HIMEKAオフィシャルサイト
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