福山雅治、『ホットスポット 最後の楽園』で感じた命の順応、進化、変化を語るロング・インタビュー


▲樹氷(日本)
福山雅治(以下、福山):2月に長野の上高地に初めて行ったのですが、樹氷に朝陽が当たってキラキラとまぶしく輝いていてすごく美しい自然の場所がこんなに近くにあることに驚いたのと、ものすごく寒いんですけど、ここに猿がいるっていうことも驚きでした。西表島は4月でしたね。西表島は、このロケ以外でも数年前にプライベートで行ったことがあって、好きな場所だったんです。その場所にあらためて行って、マングローブの林の中でカヤックを漕いだり、ジャングルの中をトレッキングして、新たに色々知ることができました。今、ちょうどナレーションを録ってきたんですけど……。ナガレタゴガエルとか、すごい面白いんです(笑)。メスだと思ったものに何でも飛びついていっちゃうっていう、なんかこう、男としてグッとくる……(笑)。
──日本も“ホットスポット”であるということは、福山さんはご存知でしたか?
福山:僕も正直意外でした。絶滅危惧種というものが、本当にたくさんいるんですよね。ちょうど全国ツアーをまわっているので、各地方でちょっと調べていて、色んな発見や情報を知ることができます。

▲ナガレタゴガエル
福山:光るアリ塚(ブラジル・セラードにて)っていうのは本当に美しい幻想的な景色だったし、美しい生き物でしたね。あとは、オスっていうのはやっぱり切ないなという(笑)。メスが選ぶんですよね、オスを(笑)。そういうところではナガレタゴガエル、マダガスカルのフォッサ。昇ってきたオスは全部受け入れるっていう(笑)。メスのためのオス同士の戦いが、とにかく大変。人間も、仕事を一生懸命にやるのは、仕事のためじゃなくて、やっぱりメスのためかなと(笑)。
──第6回の日本編で訪れられた上高地では、すごい雪の中でどんな動物に出会ったんですか?

▲ニホンザル
──西表島に訪れるのは2回目ということですが、こちらはいかがでしたか?
福山:西表島は、生き物というより、森、マングローブがメインだったので……。巨大シジミですかね、生き物は(笑)。
──番組では葉っぱを食べている場面がありましたが、あれは食べて欲しいという要請があったからなのか、それとも……?(笑)
福山:あれは、僕自身が食べたいと思って食べてるだけです(笑)。猿も食べるから大丈夫かなと思って。あと、僕達も貝を食べるから貝が食べてるものなら食べてもいいかなみたいな(笑)。やっぱり、貝が食べているものが、海水に当たって塩味がついてる分、割と食べやすかったです。他のはもう、とても食べられたもんじゃないです(笑)。この番組では、ありのままそこにたたずんでカメラの中に存在している。だから、何もかもが無理がないというか、不自然な感じがないんです。誇りとするならば、そういう作為的なものがないっていうのが貫かれていることじゃないかと思います。リアクションとかも求められなかったですし。

▲日本・西表島
福山:繰り返されてきた地球の歴史、地球という生き物の歴史ですが、ひとつの説があって……。元々アフリカもオーストラリアもくっついていて、それが長い長い歴史をかけて、地殻変動によってどんどんどんどん分裂していったという。そういうふうにナレーションで読んだり、CGで説明していたんです。今回も、日本列島が何メートルか動いたという話になっていますが、そういう地球というものをひとつの生命体と考えた場合、その生き物がどんどん変化していくなかで、我々は地表という場所を借りて生活しているわけなので、誰も、何も責められないということをあらためて感じました。そこで起こることというのは、地球そのものの活動なんだ。それを分かったうえで、今後どうやって我々人間が知恵を絞って生きていくかということが試されていると思うんです。
──NHKの自然番組では、今回のようにメッセージ性のある終わり方をすること、あるいはそのような内容の番組はこれまであまりなかったと思うんです。それは、福山さんご自身がそういうことを発しようと思って出てきたものなんでしょうか?

▲タガメ(日本)

▲オオサンショウウオ
福山:ワクワクしてもらえたら一番良いと思います。当たり前に思っていることっていうのが、じつは全然当たり前じゃないっていう。10代、20代の子にも、自転車に乗れなかったのに乗れるようになった瞬間があったと思うんです。言葉を喋れるようになった瞬間もそうですが、出来なかったことが出来るようになるっていう瞬間こそがまさに“順応”であり、“進化”の根源であるということで言うと、生き物達が繰り返していることは、より極限状態に置かれた、生きるか死ぬかの瀬戸際での“順応”と、“進化”と、“変化”だと思うんです。でもそれは人間もじつは多かれ少なかれやっている。本当は人見知りで口ベタなんだけど、営業に異動した事によって喋れるようになった人とかも、それはある種生き物としての“進化”なわけですから。自分自身も“変化”、“進化”するのが可能であるということを、この様々な生き物達の“変化”や“進化”と照らし合わせてみてもらえるとすごくワクワクできると思うんです。

▲日本・長野・上高地
福山:そうですね……。昔のVTRを見る機会があって、細いんですよね(笑)。華奢だったんです。2000年ぐらいからトレーニングを始めるようになって。コンサートでも、やっぱり体力がないと続かなくなるなんて話を先輩方から聞いていたものですから、じゃあ早めにやっていこうと思って。今、42歳ですけど、3時間ほどステージをやってますが、たぶん何もトレーニングしてなかったら今みたいなステージはできてなかったかなとは思います。たまに、旅先でバッティングセンターに身体を動かしに行ったんですが、僕より10歳近く若いマネージャーは2ゲームぐらいしかやってないのに、1週間ぐらい身体が痛いって言ってるんです(笑)。でも、僕はやるときは10ゲームぐらいやるんですが、平気(笑)。身体をちゃんと使ってるというか、トレーニングしてるとこういう差が出るんだなっていうのを感じてます。引き続き、力強いパフォーマンスをするためのトレーニングは続けるだろうなと。そうやって身体を鍛えて、順応させていかなければ。その年代なりに進化させていかないと、やりたいパフォーマンスというのは出来ないんだなっていうことは、毎年実感しています。
◆福山雅治 オフィシャルサイト
◆NHK『ホットスポット 最後の楽園』オフィシャルサイト
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