LUNACY復活、完全無料の東京ドームで<黒服限定GIG>

ポスト

とんでもないことが起こった。LUNA SEA REBOOTの狼煙は、東京ドーム2days公演と香港/台北各DVDのリリースだけではなかった。なんとLUNACYが一夜限りの復活を見せる。時は2010年12月25日(土)、場所は東京ドーム。しかもこれが完全入場無料ライブというから、聞いて耳を疑った。

◆LUNA SEA画像

LUNACYとは、LUNA SEAのオリジナルバンド名だ。1989年にLUNACYが誕生するも、それまでの前衛性の濃いスタイルから、よりロック色の強い音楽性へ変貌を遂げつつあった彼らは、イメージや意味合いをもっと深めることを目的に、ルナシーの表記をLUNACYからLUNA SEAへと変更した。1990年11月24日のことである。ほとんどのオーディエンスが“ナ”と“シ”にアクセントを置いてルナシーと呼ぶが、メンバーをはじめとした90年代を生き抜いたスタッフ連中は異口同音に“ル”にアクセントを置いて発音する。これは、“もともと彼らがLUNACYだった”ことに起因しているエピソードだ。

LUNACYはLUNA SEAと表記を変え、1991年4月21日YOSHIKIが設立したエクスタシーレコードからインディーズ1stアルバム『LUNA SEA』をリリースする。初回プレス1万枚が予約で完売するという伝説のこの作品が90年代のバンドサウンドの潮流を大きく変え、J-ROCKの歴史を牽引する引き金を起こした。その後のLUNA SEAの怒涛の活躍ぶりは皆さんご存知の通りである。

そして約20年のときを経て、前代未聞の2010年12月25日東京ドーム入場無料ライヴには、まさかのタイトルがついてきた。<黒服限定GIG>である。

かつてヴィジュアル系の戦闘服であり参戦への正装として、オーディエンスは黒服に身を包んだ。会場は暗黒の聖なる海原へと変貌し、サウンドと融合しうねりながらLUNA SEAとオーディエンスは共に唯一無二の世界を作り上げた。SLAVE(ファン)を第6のメンバーとするLUNA SEAとSLAVEの契りは、結成1周年を記念し町田プレイハウスで行なわれた<黒服限定GIG>でひとつの結実を迎えたのである。

まだドレスコードという概念すらもない時代に<黒服限定GIG>を3回決行したLUNA SEAだが、前代未聞のこの企画も、まもなく自ら破壊することになる。1992年<エクスタシーサミット>では漆黒に染まった会場に、彼らは純白の衣装に身を包みステージに登場する。絶頂にいるときにおいても彼らの反骨精神は一時たりともくすんだことはなかった。

終幕から10年、LUNA SEAは5つの個となって輝き磨かれ、アーティストとしてのスキルを格段に向上し続けてきた。第6のメンバーSLAVEは、その間もLUNA SEAを見守り続けていた。終幕後バンドの活動が完全に不透明であるときも、ファンクラブ「SLAVE」は存続、活動を続けてきていたのだ。

5人が集まりLUNA SEAにリブートがかかるとき、同時に再起動すべきにSLAVEがあるのは火を見るよりも明らか。第6のメンバーが、LUNA SEAとともにREBOOTする場を彼らはセッティングしてくれた。それが東京ドームの<黒服限定GIG>なのではないか。

「一回壊れてしまおう、正解なんていらない。黒服限定、無料ライヴ、こんな馬鹿げたことに東京ドームを使えるバンドはたぶん俺達しかいないんだから」──RYUICHI

「インディーズ時代にライヴ・ハウスで企画していた「黒服限定GIG」を東京ドームでやるなんて、やっぱり根がパンクなんだと思う。俺達の根底は変わりようがない」──SUGIZO

「過去何回も一緒にクリスマス・ライヴを過ごしたけれど、その中でも一番スペシャルなクリスマスになると思う」──INORAN

「刺激を求める自分らの欲求に忠実に、ドキドキできるものを探して、そしてそれを現実に変えていく。このとんでもないライヴにみんなで加担してもらって、どうか歴史の目撃者になってほしい。体験してほしい」──J

「勢いだけでやっていたあの時代となんら変わってないことが嬉しい」──真矢

もちろんこれが往年の黒服SLAVEだけを呼び寄せる企画であるはずもない。時代も変わり、バンドも変革を起こし、オーディエンスの幅は親子世代まで広がった。音楽の楽しみ方も自由、応援の仕方に決まりもない。シーンの尖端を突き進む現役の彼らだからこそ、2010年の音楽の楽しみ方が360度広がっていることはLUNA SEA自身が一番分かっているはずだ。

完全フリー、黒服限定…そんな馬鹿げたキーワードを叩きつけて、LUNA SEAはLUNACYとなり一夜の狂宴をぶちあげる。多くのバンドに多大な影響を与え続けたLUNA SEAだったが、長き歴史の中でLUNA SEAに刺激を与え続けてきたのは、他ならぬLUNA SEA自身だった。そしてREBOOTとともに2010年の彼らに大いなる刺激を与えるのは、LUNACYという伝説のバンドの出現だったわけである。

自らを鼓舞するのは己自身。LUNA SEAに一泡吹かすのはLUNACYか?LUNACYが放つ閃光を目撃するのは誰だ?12月23日、24日はLUNA SEAが、25日はLUNACYがドームを襲う。これまでになかった密度でLUNA SEAの魂が時の重みを携えて降り注ぐことになるだろう。

「それだけに、これを最後に封印される曲もかなりあると思う。ともかく、20年前に自分たちが作った音楽を、現在のスキルをフルに使ってやってみたい」──SUGIZO

「5人それぞれの個性と奇跡的なバランス、その火花を見てほしい。だからこそ生まれる音楽の素晴らしさ、だからこそ生まれるテンションを俺らはまだ信じている。それを見せたいし、それを味わいに来てほしいし、それがまた新しい俺達の未来を作っていくと思う。本当にすごい大きなエネルギーのうねりを感じる。それこそが、このバンドの持つ不思議な力だと思う」──J

最後に、どでかい爆弾をひとつ。2011年3月16日、彼らはアルバム『LUNA SEA』を投下する。10年ぶりに5人でレコーディングされるのは、原点『LUNA SEA』のセルフカバーだ。初期衝動から20年のときを経て、未だ変わらぬ音楽への衝動が時間の重みを携えて再構築されることになる。J-ROCKの潮流を生み出した歴史的『LUNA SEA』が、本人の手によって再び2010年日本のロックシーンにドロップされる。現在の音楽シーンを奮い立たせる激痛のカンフル剤となるだろう。これは、日本のロックが生んだ、未来への道標だ。

文◎BARKS編集長 烏丸哲也

<LUNACY 黒服限定GIG~The Holy Night~>
2010年12月25日(土)
@東京ドーム
開場15:00/開演17:00
全席指定:0円
●申込方法について
e+独占フリーライブ受付
【受付URL】 http://eplus.jp/lunacy/ PC・携帯共通
【受付期間】 12/1(水)10:00 ~12/9(木)18:00
【当落結果発表】 12/15(水)10:00~
【引換期間】 12/22(水)10:00 ~12/26 18:00 全国のファミリーマートにて
※お申し込みはお1人様1枚までとなります。
※受付ページ内・各メールで支払方法、料金合計覧に振込手数料(¥210)の記載が出ますが、本ライブは入場無料となります。
※受付にはチケット販売会社e+(イープラス)のプレオーダーシステムを利用いたします。先着順ではございません。期間内にお申し込みください。
(問)LUNA SEA 2010 制作委員会:0180-993-335

『LUNA SEA』
●初回生産限定PREMIUM BOX 10000円(税込)
CD+1989年1000本限定で発売された3曲入り2ndデモテープ「SHADE」復刻版カセットテープ+豪華PREMIUM GOODS
●CD+DVD 4000円(税込)
CD+ドキュメントDVD
●CD 3150円(税込)

◆LUNA SEAチャンネル
この記事をポスト

この記事の関連情報