Minuanoの新作『ある春の恋人』の極上っぷり

ポスト
2010年4月21日に発売となるMinuano(ミヌアノ)のニューアルバム『ある春の恋人』がすこぶるいい。さしずめ、ヴィレッジ・ヴァンガードでかかっていれば、その場でレジに直行してしまうだろう心地よさと柔らかさに包まれたラウンジ系シティーポップスとでも言えばいいだろうか。ファンシーな優しいボーカルには、f分の1ゆらぎが通常の数倍盛りで添加されているといった印象だ。

Minuanoは、パーカッショニストでありTakero Ogata名義でラウンジ系インスト作を発表する尾方伯郎が、Lampの榊原香保里をボーカルに全面フィーチャーしたポップスユニットである。尾方伯郎が作曲・アレンジの他、パーカッション、キーボード、ドラム、エレクトリックベース、コーラス等を担当し、榊原香保里が歌詞とボーカル、フルート他を担当。湿度感を帯びた叙情的な歌詞が浮遊感溢れるサウンドに舞い、まるで小春日和に見る白昼夢のような柔らかな感触と郷愁感あふれる世界を作り上げている。

決して刺々しくはないものの凛としたシャープさを持ち合わせたクロスオーバー感あるアレンジが、榊原のボーカルの透明度をさらに引き上げ、中毒性のある極上ポップスとなって聴き手をふんわりと包み込んでくれる。

木々のざわめきや風の匂いをも感じさせてくれる『ある春の恋人』は、前作同様にブラジリアンミュージック、ソフトロック、シティーポップスの要素もふんだんに盛り込みながら、よりグル―ヴィーに、よりキャッチ―に、ポップスとしての親しみやすさを増した作品となった。彼らのマイスペースにてぜひそのサウンドに触れてみて欲しい。

『ある春の恋人』
2010年4月21日
UVCA-2002 2,000円
1.宵街
2.曇りガラスに街が流れる
3.月下夜話
4.夜明けの冬
5.ペーパームーン
6.二十四時
7.昼下がりのメヌエット
8.夢のあと
9.ある春の恋人
※タワーレコード、ディスクユニオン他、一部店舗でMinuanoのCD購入者に、Minuanoの新曲「蜃気楼」の音源CD他がプレゼントされます。

<Minuanoタワーレコード新宿店インストア・ライブ>
2010年5月29日(土) 14:00スタート
@タワーレコード新宿店7Fイベント・スペース
[問]タワーレコード新宿店 tel 03-5360-7811

◆Minuanoマイスペース
この記事をポスト

この記事の関連情報