スラッシュ、「近いうちに会おうぜ!」

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ついに『スラッシュ』が3月31日に発売となる。スラッシュにとって巨大なプロジェクトとなる今作『スラッシュ』には、プロデューシング・パートナーとしてエリック・バレンタイン(クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジ、オール・アメリカン・リジェクツ)、そしてリズム・セクションのベーシストはクリス・チェイニー(ジェーンズ・アディクション)、ドラムスはジョシュ・フリース(ex.ナイン・インチ・ネイルズ)というメンバーで固められている。

ほとんどのアレンジと作曲をスラッシュは自ら行い、ゲスト出演アーティストも自分で選んだ。そして参加者たちはスラッシュと共に曲を仕上げていった。「参加してくれたのは全員俺が一緒に音楽をやりたいと感じ、共同で何かクリエイティブなものを生み出したいと思ったアーティストたちだ。彼らが見せてくれた実力にはとても感銘を受けたよ。みんな素晴らしい仕事をしようという意欲にあふれ、とても楽しくレコード制作ができた」。

オジー・オズボーン、イギー・ポップ、キッド・ロック、デイヴ・グロール、ファーギー…どんなリクエストも断れるほどの大物たちだが、全員がイエスと即答した。そして生まれたのが『スラッシュ』だ。

「彼らが参加してくれたことを光栄に思っている」とスラッシュは話す。「何人かは俺の若い頃のヒーローだ。レミーは確実にそのうちの1人だ。オジーとイギーとレミーだ。みんな楽しむために来てくれたけれど、いい仕事をしようととても真剣になってくれたことに心から感銘をうけた」という。

そんなスラッシュに今回話を訊くことができた。サウンドのこと、作品のこと、ボーカリストのこと…、ひとつひとつに丁寧に答えてくれたスラッシュの言葉を紹介しよう。

──『スラッシュ』では、どんな機材を使用しましたか?

スラッシュ:今回使ったのはオリジナルの“Appetite for destruction”レスポール、80年代のマーシャルJCM800に、30ワットのセレッションが4発入ったストレート・キャビネットだ。基本的にエフェクトは使わなかったが、所々でDunlopのMXRディストーション・ブーストペダルを使った。クリーンサウンドには昔のフェンダー・プリンストンを使ったよ。

──伝説的なヴォーカリストから現代的なシンガーまでが、ひとつのアルバムに結集したのは、まさに奇跡ですね。

スラッシュ:今回のアルバム作りは多くの才能豊かなアーティストと仕事ができて非常に楽しかった。そして結果にも大変満足している。マイルス・ケネディの「Starlight」は俺にとって目がさめるような作品となったね。彼のヴォーカルはとにかく素晴らしい。彼があのように歌うのを聞いたのは初めてだ。

──想像通りの作品に仕上がって満足した作品、予想外の展開に刺激的だった作品はどれですか?

スラッシュ:どの曲もいい意味で驚きがあり刺激的だったが、最終的にはどれも想定していたサウンドに出来上がった。もっとも予想外だったのは「Watch This」だ。当初、インストゥルメンタルは考えていなかったが、この曲は非常にかっこよく出来上がったんだ。

──今作のコラボレーションの中で、新たな自分を発見することはありましたか?

スラッシュ:シンガーを選ぶ前に曲は書き上げていたので、歌う相手によってスタイルが影響されたということはないよ。でもアダム・レヴィーンが歌った「Gotten」はアルバムの中でもっとも異色なスタイルをもった曲だった。彼はこの曲にはぴったりのシンガーだったね。

──B'zのKOHSHI INABA(稲葉浩志)は、日本でも屈指のロック・シンガーです。一緒に作品を作っていかがでしたか?

スラッシュ:Koshiはとにかく真のプロフェッショナルだ。彼は自分がやりたいことをしっかりわかっていて、それをどうやるのかも見えている。彼との仕事は非常に楽しかったし、彼は本当に才能あるシンガーだと思うよ。

──ツアーの予定がありますが、これだけのバリエーションに富んだ作品を、誰が歌うのですか?

スラッシュ:マイルス・ケネディがツアーでは歌ってくれる。彼は見事な音域を持っているんだ。俺のソロ作品とガンズ・アンド・ローゼズとヴェルヴェット・リヴォルヴァーから数曲ずつ演り、スラッシュズ・スネイクピット時代の曲も少しやるつもりさ。

──気の早い話ですが、『スラッシュ』に続く『スラッシュ2』が早くも楽しみです。次の作品への構想はありますか?

スラッシュ:今はまだ新作については考えていない。ツアーで頭がいっぱいだし、とても忙しい。それに2011年はヴェルヴェット・リヴォルヴァーの活動を計画しているからね。

──最後に、ロック大好きなリスナーへメッセージを。

スラッシュ:日本で久しぶりにショーができることをとても楽しみにしているよ。新作は絶対に気に入ってもらえる自信があるし、この作品の曲や他の曲をライブで披露するのが待ち遠しい。近いうちに会おうぜ!
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