デュラン・デュラン「ネットはアーティストのカリスマを奪う」

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デュラン・デュランのベーシスト、ジョン・テイラーが、インターネットの良し悪しについてBBCにメッセージを寄せた。テイラーは、ネットの発達により時代や場所を問わず幅広い音楽が見聞きできるようになったのは素晴らしいが、その分、アーティストや作品のカリスマ性が希釈されているかもしれないと考えている。

「インターネットは間違いなく我々、とくに若い人たちに様々な場所そして時代の音楽をもたらしてくれている。それは素晴らしい」。しかしながら、アーティストが自分の思いや姿を頻繁にさらけ出したり、過去のパフォーマンスが簡単に見られるのはいいことばかりではないという。

「アーティストがあらゆる言動をTwitterしたり、全てのパフォーマンスを撮影するよう望まれるとなると、彼らの創造力や可能性、作品の永続性は薄まってしまうと思う」

なぜこう考えるようになったかというと、テイラーは1972年、ティーンエイジャーのときにロキシー・ミュージックのたった3分間のTVパフォーマンスを見て大打撃を受け、以来、彼らのデビュー・アルバムに取り付かれているからだという。それはいまのように簡単にアーティストにアクセスできなかったからこそ成せる技だと考えているそうだ。

「当時もし、あのロキシー・ミュージックのTV出演の映像を何度も見ることができたら、もし彼らの個人的な癖をなんでも知りえたら、もし彼らのパフォーマンスやリハーサル、インタビューの映像を繰り返し見ることができたら、(彼らへの)執着はとうの昔に消え去っていたと思う。ずっと前にファンであることを辞めていたと思う」

何もかも目にできないからこそ、隠れた部分が多いからこそ、惹かれてしまうことがあるのだろう。

テイラーはいまでもロキシー・ミュージックの1stアルバムに執着しているそうだ。「今でも買い続けている。恥ずかしいけど。輸入盤、記念盤、ペーパー・スリーブのついた日本盤、ダウンロード…。これが、第一撃の力だ」

Ako Suzuki, London
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