「Berryz工房が変わった!」 春ツアーファイナル公演レポ

2009年2月からという長期にわたって行なわれた今回のツアー。最中にはメンバーがインフルエンザにかかり名古屋公演が中止されるといったアクシデントにも見舞われたりもしたが、最終日の最終公演(夜公演)は、これまでのアクシデントを持ち前の団結力で乗り越えてきたという彼女たちの自信からか、彼女たちの成長と可能性を強く感じることのできるライヴ、言い換えるなら、Berryz工房がただのアイドルグループという存在から抜け出さんとしている、進化の片鱗のようなものがいたるところに見られたライヴとなった。
◆<Berryz工房 コンサートツアー2009春 ~そのすべての愛に~>ファイナル公演 フォトアルバム
“そのすべての愛に”というツアータイトルにふさわしい、レッドカーペットとバラのオブジェで彩られたステージ。そして開演前から流れるは、ショパンの「英雄ポロネーズ」をはじめとするクラシックの名曲。開演前は、さながら舞踏会でも始まるかのような様相だ。
ライヴは約10分遅れでスタート。ベートーヴェンの「交響曲第9番」が鳴り響く中、客電が落ち、オーディエンスのボルテージは一気に最高潮へ。オープニングのSEの中ステージ上に登場したBerryz工房のメンバー。ひとりずつにスポットライトが当たり、オーディエンスからは大きな歓声。そしてそのまま1曲目のBerryz工房19枚目のシングル「抱きしめて 抱きしめて」へ。

菅谷梨沙子が、より高い演出力を身につけたというのも注目すべきポイントかもしれない。Berryz工房の中でも、歌唱時に核となっているのが、夏焼 雅と菅谷梨沙子。最年少ながら歌手として高いセンスを持つ菅谷梨沙子だが、彼女のソロとして披露された「さぼり」では、歌声だけでなく表情や仕草(キュートなアヒル口を含む)でもオーディエンスを魅了するなど、完全に彼女のステージを作り上げていた。そして菅谷梨沙子の実力アップによって、グループ全体のステージングが底上げされたというのも明らかだ。
一方、魅了といえば、嗣永桃子は、歌の途中で見せる大人びた表情で我々を魅了した。いつまでも天真爛漫なキャラクターで普段、我々を楽しませてくれる嗣永桃子。MCコーナーでは、キャプテンの清水佐紀と“どちらのほうが大人の色気があるか”を競い、オーディエンスから“桃子には色気がない!”ともとれるような、お約束のブーイングを浴びていた彼女。そんな、童顔であるがゆえにいつまでも子供っぽくみられてしまう彼女が、歌の最中、多くは自分のパートが歌い終わった直後に見せる、涼しげで大人びた表情。“彼女はこのフレーズを歌い終わったら、次はどんな表情を見せるのだろう。” 瞬間的に見せる桃子の大人の女の表情を一度目にしてしまうと、ステージ上の彼女の一挙手一投足に釘付けとなってしまう。

そして、ライヴ全体を通してBerryz工房のメンバー全員が、オーディエンスと一緒にライヴを楽しんでいるというのが、同じ空間を共有して伝わってきたことだろう。ともにライヴを楽しみ、ともにライヴで燃え、そしてともにライヴで感動する。気持ちと気持ちのキャッチボールが交わされた最終公演の充実感は、エンディングで菅谷梨沙子が見せた涙が何より物語っていたはずだ。

ラストに薔薇の花びらが舞った「そのすべての愛に」まで、Berryz工房の今の実力を存分に見せつけたファイナル公演。余談だが、終演後のバックステージで、“Berryz工房が変わった!” “すごい!”という声が、ステージを観ていた複数のメディア関係者の口から聞かれたというのも、彼女たちが進化・成長している証といえるだろう。
“Berryz工房の今後に目が離せない。” 記事の最後に常套句として付加されてしまいがちなフレーズとしてではなく、今のBerryz工房にはこの言葉こそがふさわしい。次回我々が彼女たちのステージを目にするとき、今度はどんなBerryz工房を見せてくれるのか、非常に楽しみだ。
なおその際には、オーディエンスの体温を一気にグッと高めるため、再度“雅ビーム♥”が発射されることを切に希望したい。
◆iTunes Store Berryz工房(※iTunesが開きます)
◆Berryz工房「青春バスガイド」PV映像など
◆ハロー!プロジェクト オフィシャルサイト
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