[短期集中全力レポート] Dir en grey in Europe 2007 デンマーク編(2)

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8月8日、午後11時15分、Dir en grey史上初のデンマークでのライヴは、熱狂的な歓声に包まれながら幕を閉じた。実のところ、VEGAという会場の規模は、昨夜、ストックホルム公演が行なわれたARENANよりもずっと小さいし、このライヴ自体は今回のツアー全体のなかでも取り立ててニュース性のあるものだとは言い難い。さらには音響的な環境もさほど良いわけではない。が、Dir en greyは、この夜もアタリマエのように強力なライヴ・パフォーマンスを披露してくれた。すでに各地での演奏曲目について情報が飛び交っている部分もあったようで、この欧州ツアーにおいては初めてセットリストに組み込まれることになった「audience KILLER LOOP」、「愛しさは腐敗につき」のイントロが聴こえてきたときには、ひときわ大きな歓声が巻き起こっていた。

写真は、この日、何度か遭遇したスウェーデンからやって来たというファン。3人のうち2人は18歳で、1人は19歳。全員、身長は確実に185cm以上だ。終演後、興奮気味に次のように語ってくれた。
「この1週間ほどは、素晴らしい体験の連続だった。ロンドンにも観に行ったし、地元のストックホルムでももちろん観た。正直、お金の都合をつけるのが大変だったけど、今日もコペンハーゲンに来て良かったと思う。Dir en greyのライヴは何度観ても最高だったし、特に今夜は、僕のこれまでの人生のなかでもいちばんグレイトなライヴだったと思う」

ちなみに真ん中にいる19歳の彼は、インターネットで7年前にDir en greyを知ったというツワモノ。3人とも「さすがにもうお金が続かないから、明日には家に帰らないとならない」と名残惜しそうな表情を見せつつも、「絶対にまた、スカンジナヴィアに戻ってきて欲しい!」と語っていた。

そして深夜、日付が変った頃、メンバーたちを乗せたツアー・バスは次の公演地であるドイツのドレスデンへと向かった。そして一行から離れて、単身コペンハーゲンに一泊した僕は、翌朝、ドイツのフランクフルト経由で帰国の途に就いた。もちろんその後もツアーは続いたが、以降、彼らにどんなことが起こったのかについては、また機会を改めてご報告したいと思う。

ちなみに、8月15日のミュンヘン公演を最後に今回の欧州ツアーを終了させた彼らは、この原稿が皆さんの目に届く頃には、おそらく皆さんと同じ日本の空気を吸っているはずである。

文●増田勇一
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