吉澤:「かっけー! と思いました!」──モーニング娘。が語る新曲「悲しみトワイライト」(前編)
4月25日、モーニング娘。にとって実に33枚目となるシングル「悲しみトワイライト」がリリースされた。
亀井絵里:「かっこかわいい制服で、みんなミニスカートで実はちょっとセクシーなんです♥」
亀井の言葉どおり、同曲のPVでは、メンバーはかなり短めのスカートや露出高めな制服を身にまとい、高橋 愛と田中れいなにいたっては豪快に上段蹴りを決めている(ちなみに藤本美貴の下段蹴りも炸裂)。BARKSでも先週からPVを公開しているので、すでにその迫力ある映像を観たという人も多いことだろう。
今回の楽曲は、これまでモーニング娘。を牽引してきたリーダー・吉澤ひとみにとって、モーニング娘。としてのラスト・シングル。曲調としては、彼女たちの曲の中でもかなりロックテイスト強めで、歪んだギターとシンセがえらく爽快。あえて音で表すなら “スプラーッシュ!” な感じ。一度耳にして “気に入った!” という声もファンを中心に数多く聞かれる。
吉澤ひとみ:「(「悲しみトワイライト」を初めて聴いて)かっけー! と思いました!」
ところで、優れた歌に必要となる要素はいくつかあるが、その中でも “説得力” というのは、かなり重要な部分を占める。歌に説得力があれば、その歌によって我々は歌の世界を追体験し、感動し、共感する。では歌に説得力を持たせるには何が必要か? テクニック、ではない。経験こそがモノを言う。歌われている物語と同じ体験をしていなくても、年を重ねていくと似たような出来事が起こることがある。もしくは、当時はわからなかったけれど、後になってわかるという感情もある。そんな自身に起こった出来事や感情こそが、歌の説得力につながる。
脱線したので、話を「悲しみトワイライト」に戻そう。実は、私が初めてこの曲を聴いた時、サビの光井愛佳のパートで若干の違和感を覚えてしまった。なぜか? 彼女の実力が足りないからだろうか。否、そうではない。前作の「笑顔YESヌード」や、3月にリリースされた『SEXY 8 BEAT』の収録曲「春 ビューティフル エブリデイ」で彼女の歌を聴いた時に、私は “彼女の表現力は間違いなく一流だ” と確信した(やや荒削りではあったが)。ではなぜ今回、違和感を覚えたのか。
ここで、先に挙げた “説得力” と話が交差する。
今回の曲の歌詞の内容を一言でいうと “男に裏切られた女の叫び”。このような詞の曲こそ、人生経験がモノを言ってしまう。いや、人生経験と年齢を単純かつ強引に結びつけるつもりはないのだが、とはいえ、今まだ15歳、14歳の久住や光井が歌うにはいささか背伸びし過ぎている歌であることは確かだろう。つまり、私の違和感というのは、光井の実像と彼女が歌う曲の世界が乖離しすぎていたことで、このパートに少しだけ “説得力” の欠けが生じた。そしてそれを何の情報もなく初めて耳にした時に感じ取ってしまったからではないだろうか。
ただ実際、この「悲しみトワイライト」は、ファンの多くが認めている通り、歌詞に出てくる女性の悔しく切なく悲しい気持ちがダイレクトに伝わる良曲だ。では、この曲にトータルの “説得力” を持たせており、多くのリスナーから支持を集める要因、魅力を引き出しているのは誰か? それは相対的に、最年長の吉澤、そして藤本や高橋といった “大人の” メンバーということになる。
これは別の角度からも断言することができる。ヴォーカルのパート割りだ。曲の中で最も重要になるサビは全員参加の形がとられているが、リスナーが歌の世界観をイメージするきっかけとなるAメロは、1番2番ともに藤本と高橋がメイン(中でもリスナーの耳に一番最初に入ってくる歌い出しは、1番2番ともに藤本が担当)。そして後半に訪れる曲の盛り上がりの頂点、大サビのソロパートには吉澤が割り当てられているのだ。
そしてこの吉澤のソロパートこそ、本曲の本当の聴きどころといえるだろう。女の後悔や悲哀を込めた吉澤のシャウトは、すっとリスナーの心の中に入り込み、染み渡る。そして、さも歌詞の女性の魂が憑依したかのように、我々の感情をその奥底から揺さぶる。PV映像でも同フレーズは吉澤のソロカット。風になびく髪と凛としたその表情からは、悲しみに打ちひしがれつつも内なる激しさをぶつける強い女性の姿が浮かんでくる。
長くなってしまったが、結論を述べよう。
この「悲しみトワイライト」は、実際は吉澤ひとみがメインを張っている曲なのだ、と言いたい。もちろん、これは彼女にとってモーニング娘。ラストシングルという意味合いも含んでのこと。しかし、それ以上に、彼女とこの曲のトータルなイメージが見事に合致している。そして、藤本と高橋はもちろんだが、吉澤がいることによって、この曲は曲としての魅力が最大限に引き出されているのだ、と思う。
しかし、こう考えてみると、モーニング娘。というグループは実に懐の深いグループだと気づく。このような大人の歌を聴かせることができるだけでなく、逆にもっと若い歌、たとえば学生生活をモチーフにしたような歌も歌える(最年少の光井をはじめとして、現役の学生もいるし)。1アーティストが、たとえ曲を作ることはできても、ここまで器用に幅広い年代の様々な情景を歌うというのは、ほぼ不可能に近い。そして、この幅の広さこそ、モーニング娘。の強みなのだ。
⇒ カップリング「Hand made CITY」の話とメンバーのコメント比較!! 記事後半はこちら!
⇒ 亀井曰く「みんなミニスカートで実はちょっとセクシー」な制服姿はフォトアルバムで!
■ 「悲しみトワイライト」PV映像はこちら!
■ モーニング娘。のCD情報はこちら!
■ [関連] 写真満載!! 「「シャツの前がはだけて恥ずかしい…」───後藤真希」ニュースはこちら!
亀井絵里:「かっこかわいい制服で、みんなミニスカートで実はちょっとセクシーなんです♥」
亀井の言葉どおり、同曲のPVでは、メンバーはかなり短めのスカートや露出高めな制服を身にまとい、高橋 愛と田中れいなにいたっては豪快に上段蹴りを決めている(ちなみに藤本美貴の下段蹴りも炸裂)。BARKSでも先週からPVを公開しているので、すでにその迫力ある映像を観たという人も多いことだろう。
今回の楽曲は、これまでモーニング娘。を牽引してきたリーダー・吉澤ひとみにとって、モーニング娘。としてのラスト・シングル。曲調としては、彼女たちの曲の中でもかなりロックテイスト強めで、歪んだギターとシンセがえらく爽快。あえて音で表すなら “スプラーッシュ!” な感じ。一度耳にして “気に入った!” という声もファンを中心に数多く聞かれる。
吉澤ひとみ:「(「悲しみトワイライト」を初めて聴いて)かっけー! と思いました!」
ところで、優れた歌に必要となる要素はいくつかあるが、その中でも “説得力” というのは、かなり重要な部分を占める。歌に説得力があれば、その歌によって我々は歌の世界を追体験し、感動し、共感する。では歌に説得力を持たせるには何が必要か? テクニック、ではない。経験こそがモノを言う。歌われている物語と同じ体験をしていなくても、年を重ねていくと似たような出来事が起こることがある。もしくは、当時はわからなかったけれど、後になってわかるという感情もある。そんな自身に起こった出来事や感情こそが、歌の説得力につながる。
脱線したので、話を「悲しみトワイライト」に戻そう。実は、私が初めてこの曲を聴いた時、サビの光井愛佳のパートで若干の違和感を覚えてしまった。なぜか? 彼女の実力が足りないからだろうか。否、そうではない。前作の「笑顔YESヌード」や、3月にリリースされた『SEXY 8 BEAT』の収録曲「春 ビューティフル エブリデイ」で彼女の歌を聴いた時に、私は “彼女の表現力は間違いなく一流だ” と確信した(やや荒削りではあったが)。ではなぜ今回、違和感を覚えたのか。
ここで、先に挙げた “説得力” と話が交差する。
今回の曲の歌詞の内容を一言でいうと “男に裏切られた女の叫び”。このような詞の曲こそ、人生経験がモノを言ってしまう。いや、人生経験と年齢を単純かつ強引に結びつけるつもりはないのだが、とはいえ、今まだ15歳、14歳の久住や光井が歌うにはいささか背伸びし過ぎている歌であることは確かだろう。つまり、私の違和感というのは、光井の実像と彼女が歌う曲の世界が乖離しすぎていたことで、このパートに少しだけ “説得力” の欠けが生じた。そしてそれを何の情報もなく初めて耳にした時に感じ取ってしまったからではないだろうか。
ただ実際、この「悲しみトワイライト」は、ファンの多くが認めている通り、歌詞に出てくる女性の悔しく切なく悲しい気持ちがダイレクトに伝わる良曲だ。では、この曲にトータルの “説得力” を持たせており、多くのリスナーから支持を集める要因、魅力を引き出しているのは誰か? それは相対的に、最年長の吉澤、そして藤本や高橋といった “大人の” メンバーということになる。
これは別の角度からも断言することができる。ヴォーカルのパート割りだ。曲の中で最も重要になるサビは全員参加の形がとられているが、リスナーが歌の世界観をイメージするきっかけとなるAメロは、1番2番ともに藤本と高橋がメイン(中でもリスナーの耳に一番最初に入ってくる歌い出しは、1番2番ともに藤本が担当)。そして後半に訪れる曲の盛り上がりの頂点、大サビのソロパートには吉澤が割り当てられているのだ。
そしてこの吉澤のソロパートこそ、本曲の本当の聴きどころといえるだろう。女の後悔や悲哀を込めた吉澤のシャウトは、すっとリスナーの心の中に入り込み、染み渡る。そして、さも歌詞の女性の魂が憑依したかのように、我々の感情をその奥底から揺さぶる。PV映像でも同フレーズは吉澤のソロカット。風になびく髪と凛としたその表情からは、悲しみに打ちひしがれつつも内なる激しさをぶつける強い女性の姿が浮かんでくる。
長くなってしまったが、結論を述べよう。
この「悲しみトワイライト」は、実際は吉澤ひとみがメインを張っている曲なのだ、と言いたい。もちろん、これは彼女にとってモーニング娘。ラストシングルという意味合いも含んでのこと。しかし、それ以上に、彼女とこの曲のトータルなイメージが見事に合致している。そして、藤本と高橋はもちろんだが、吉澤がいることによって、この曲は曲としての魅力が最大限に引き出されているのだ、と思う。
しかし、こう考えてみると、モーニング娘。というグループは実に懐の深いグループだと気づく。このような大人の歌を聴かせることができるだけでなく、逆にもっと若い歌、たとえば学生生活をモチーフにしたような歌も歌える(最年少の光井をはじめとして、現役の学生もいるし)。1アーティストが、たとえ曲を作ることはできても、ここまで器用に幅広い年代の様々な情景を歌うというのは、ほぼ不可能に近い。そして、この幅の広さこそ、モーニング娘。の強みなのだ。
⇒ カップリング「Hand made CITY」の話とメンバーのコメント比較!! 記事後半はこちら!
⇒ 亀井曰く「みんなミニスカートで実はちょっとセクシー」な制服姿はフォトアルバムで!
■ 「悲しみトワイライト」PV映像はこちら!
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