<Glastonbury '05>3日目レポート、ラストはイアン・ブラウンで号泣!

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晴れた、晴れたー!! ついに最終日、会場内を太陽が照らしてくれた。無駄に体中にエネルギーが満ちてくる。ありがとう神様。というわけでこの日、まずはこれまで行きそびれていた会場の隅々まで散策することに。

最初に向かったのは、会場内にあるストーン・サークル。もともとこのあたりのサマセット&コーンウォール一帯はアーサー王伝説が色濃く残っているエリアで、グラストのストーン・サークルがアーサー王の墓だという説もあるとか。てくてく風を感じながら歩いていると、ロックなエリアから一転し、ヒッピー風DIYな雰囲気が色濃く漂ってくる。名前も書いてない小さなステージでギターを弾くおじさん。その周囲には手作り商品を売っている小さな店や、木彫り教室、金属彫刻の教室なども(写真)。ホット・ヨガの教室もあれば、チャイに謎のハーブを混合した飲み物なども売るヒッピー・カフェも(“チルアウト”と名づけられてるチャイを私も飲んでみました。うーむ)。不思議な手作り巨大オブジェを点在させたエリアを抜けると、そこにストーン・サークル! のんびりした緑の中に、ありました。

その後、グラストの一番端にあるLost Vaguenessというステージへ向かう。ここで東京スカパラダイス・オーケストラが演るはずなのだが、初日に総合インフォメーションで聞いたところタイムテーブルを公表しないステージだそう。「行けばわかるから」と言われたが、ようやく最終日にたどり着き出演順を確認すると、スカパラはすでに終わっていた……。

Avaron、Circus、Cabaret、Jazz Worldとステージを転々とチェックした頃にはもう夕方。この日はサーティーン・センシズとディアーズ、ブレイヴリー、そしてルーファス・ウェインライトをちょこちょこ横目で見ただけだ。取り急ぎ19時のMyloを見るべく、Dance Eastステージへ向かうと……昨日までは泥地獄を生き延びるのに必死だったため、気づかなかったテントがそこに。「She/Pee」と書かれたそのテント、Peeとはイギリス英語で「おしっこ」のこと。行ってみると、なんと女性用の立ちション専用トイレ! 見つけたからには、やってみたくなる。詳しくは書かぬが、そしてきっと日本では流行らないだろうが、大変便利なシロモノではありました。

さて、Myloであるが……なんだこの人の多さは! テントの周囲にも人が山になっていて、人気の高さを物語る。なんとかテント内部に入るが、みんな背が高くて何一つステージは見えない。でもアルバムよりさらにアッパーなアレンジで、みんな大声で歓声をあげつつ踊り狂い、楽しいことこの上なし。見えないけど。お名残惜しいと思いつつ、この後はHard-Fiを見たかったのでJohn Peel Stageへ。しかしオンタイムででてきたのはJemちゃんだった。後で聞いたところ、Hard-Fiはメンバーの家族に不幸があって、急遽出演を取りやめたのだそう。うーむ、残念だ。

そして21時。ラ、ラ、ラ、ラーズ!! Other Stageにひょろりと現れたリー・メイヴァースは、なんだか不思議な空気をまとっていた。その音には思っていたよりずっとサイケデリックな凶暴さがあり、それでもメロディーは徹底的に美しい。コーラルのルーツはここにあったんだと再確認。むろん"ゼア・シー・ゴーズ"は会場中に轟く大合唱だ。ちょうど日暮れ時(日が長いので)、夕焼けがなんと感動的だったことか。

さて。この日は最終日ゆえ大渋滞が予測されるので、早めに戻らねばならぬ。しかしイアン・ブラウンの1曲目で「アイ・ウォナ・ビー・アドアード」が流れた瞬間、私の脳内はスパークした。立て続けに「サリー・シナモン」、「メイド・オブ・ストーン」、「エレファント・ストーン」とローゼズ名曲の大連発! 観客は超大歓声で応える。私も今回のグラストではじめて涙腺決壊、そこから先のことはよく覚えておりませぬ……。まさに最後を感動で飾ってくれたイアン、行ってよかった。

文●妹沢奈美


BARKSグラストンベリー・フェスティヴァル特集
https://www.barks.jp/feature/?id=1000008759
BAKRS夏フェス特集2005
https://www.barks.jp/feature/?id=1000010016
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