128MBのSD-RAM内蔵、最大2GBの音色拡張が可能なフラッグシップシンセ「MOTIF XF」がブラックボディで登場
ヤマハは、デジタル楽器の新製品として、ヤマハ ミュージックプロダクションシンセサイザー「MOTIF XF(モチーフ エックスエフ)」(MOTIF XF8/MOTIF XF7/MOTIF XF6の3品番)を2010年9月15日より発売する。
「MOTIF XF」は、2001年に初代が登場した「MOTIF」シリーズの4代目となるモデル。音のクオリティ、ユーザーインターフェースなど基本機能をブラッシュアップし、さらに音色拡張機能を搭載したのがポイント。増設可能なフラッシュメモリーに、ウェブなどからダウンロードした音色コンテンツを取り込むことで、最大2GBのコンテンツ拡張が可能となっている。音源・シーケンス機能などの仕様は共通としながら、演奏スタイルに応じて鍵盤仕様を選べる3モデルをラインナップ。「MOTIF XF6」は61鍵、「MOTIF XF7」は76鍵のFSX鍵盤を採用、「MOTIF XF8」は88鍵のBH(バランスドハンマー)鍵盤を採用する。
「MOTIF XF」では、ピアノやキーボード、ドラムなどの新規波形を追加し、合計741MB(16bitリニア換算)もの大容量波形を搭載。なかでもピアノ音色は、ヤマハコンサートグランドピアノの音色に加え、あたたかく深みのある音色で力強さと繊細さを併せ持ったヤマハグランドピアノS6の音色を搭載する。また、クラビネット、オルガン、シンセサイザーなどの新規波形も追加。ドラムについては、ヤマハアコースティックドラムで定評のあるドラムサウンドや、パーカッション、R&Bセットなど、さまざまな音楽ジャンルに対応するキットを搭載する。さらに、XA(Expanded Articulation)機能により、楽器特有の奏法を実現。ピアノなどの離鍵音、ギターのスライドやハーモニックス、弦楽器のピチカートのような演奏中の奏法をリアルタイムで切り替え可能。このサウンドエンジンの性能を引き出すため、出力アナログ回路にもチューニングを施しているのも注目だ。
カラーLCDを使ったユーザーインターフェースでは、配色や音色名の表示位置などをカスタマイズ可能となったのが大きな変更点。ライブステージなどのさまざまな照明のもとでも見やすさを維持できるようになっている。また、今回より本体色がブラックになったのも大きな変更点だ。
新規音色と同様、注目したいのがフラッシュメモリーによる最大2GBのコンテンツ拡張だ。別売のフラッシュメモリー(FL512M、FL1024M)を最大で2枚搭載可能。フラッシュメモリーに取り込んだデータは、電源を消しても失われないため、内蔵の音色と合わせて2GB以上の音色をスタンバイしておくことができるというわけだ。この音色は、ウェブからダウンロードすることも可能で、最新の音色ライブラリやサンプリングした楽器のオーディオループ、ボーカルデーターなどを取り込んでおくことも可能だ。
音楽制作のための機能の充実も光る。従来より好評だったアルペジエーターは7,881タイプに増加。ソングデーターの一部をパターンに取り込んだり、パターンの順番を記録してソングに展開する機能も有する。また、128MBのSD-RAM内蔵で、別売メモリーなしでも外部オーディオ音声をサンプリング(録音)することが可能だ。さらに、Integrated Sampling Sequencerにより、取り込んだサンプリング素材をシーケンサーのテンポに合わせて同期再生させるなど、MIDIデーターと同様の感覚でサンプリングデーターを取り扱うことができるようになっている。
また、「MOTIF XF」本体のコントローラーを使ってパソコン上のDAWソフトウェアを操作するリモートコントロール機能も、各種DAWテンプレートや簡単なセットアップ機能により使いやすい仕様にブラッシュアップ。付属の「MOTIF XF Editor VST」ソフトウェアでは、細かい音色エディットを視覚的に確認しながら編集することができ、コンピューターと「MOTIF XF」のどちらを操作してもパラメーターが完全に同期、従来のハードウェア音源では考えられなかった快適な操作性を実現する。「Cubase 5」と同等のエンジンを持つ専用のバンドルソフトウェア「Cubase AI」の付属もうれしいところだ。別売りのFirewireエクスパンジョンボード「FW16E」装着で、「MOTIF XF」をオーディオインターフェースとして16トラックのオーディオデータをDAWソフトウェアに録音することも可能となっている。
8月2日に行われた発表会では、キーボーディストの福田裕彦氏が登場し、「MOTIF XF」搭載の新音色を解説した。たとえば、前モデルの「MOTIF XS」ではLFOで表現されていたストリングスのトリルが、「XF」ではフルの波形でよりリアルに再現できるようになったほか、ティンパニーやアコーディオン、ヴィブラフォン、ハープ、クラビネットのバリエーションが増えたことに感激した様子。
また、トランペットのグロウルや、サックスのベロシティによる音の変化といった金管楽器のリアルさや、追加音色のピアノのリアルさも絶賛。多彩なアルペジエイターにより「楽器が弾けなくてもプレイできる」のもMOTIFシリーズのよさだが、「MOTIF XF」はよりプロのライブユースに向いたプレイアビリティの高いシンセであることを実感させてくれた。
◆MOTIF XF8 / MOTIF XF7 / MOTIF XF6
価格:オープン
発売日:2010年9月15日
◆MOTIF XF 製品詳細ページ
◆ヤマハ
◆BARKS 楽器チャンネル
「MOTIF XF」は、2001年に初代が登場した「MOTIF」シリーズの4代目となるモデル。音のクオリティ、ユーザーインターフェースなど基本機能をブラッシュアップし、さらに音色拡張機能を搭載したのがポイント。増設可能なフラッシュメモリーに、ウェブなどからダウンロードした音色コンテンツを取り込むことで、最大2GBのコンテンツ拡張が可能となっている。音源・シーケンス機能などの仕様は共通としながら、演奏スタイルに応じて鍵盤仕様を選べる3モデルをラインナップ。「MOTIF XF6」は61鍵、「MOTIF XF7」は76鍵のFSX鍵盤を採用、「MOTIF XF8」は88鍵のBH(バランスドハンマー)鍵盤を採用する。
「MOTIF XF」では、ピアノやキーボード、ドラムなどの新規波形を追加し、合計741MB(16bitリニア換算)もの大容量波形を搭載。なかでもピアノ音色は、ヤマハコンサートグランドピアノの音色に加え、あたたかく深みのある音色で力強さと繊細さを併せ持ったヤマハグランドピアノS6の音色を搭載する。また、クラビネット、オルガン、シンセサイザーなどの新規波形も追加。ドラムについては、ヤマハアコースティックドラムで定評のあるドラムサウンドや、パーカッション、R&Bセットなど、さまざまな音楽ジャンルに対応するキットを搭載する。さらに、XA(Expanded Articulation)機能により、楽器特有の奏法を実現。ピアノなどの離鍵音、ギターのスライドやハーモニックス、弦楽器のピチカートのような演奏中の奏法をリアルタイムで切り替え可能。このサウンドエンジンの性能を引き出すため、出力アナログ回路にもチューニングを施しているのも注目だ。
カラーLCDを使ったユーザーインターフェースでは、配色や音色名の表示位置などをカスタマイズ可能となったのが大きな変更点。ライブステージなどのさまざまな照明のもとでも見やすさを維持できるようになっている。また、今回より本体色がブラックになったのも大きな変更点だ。
新規音色と同様、注目したいのがフラッシュメモリーによる最大2GBのコンテンツ拡張だ。別売のフラッシュメモリー(FL512M、FL1024M)を最大で2枚搭載可能。フラッシュメモリーに取り込んだデータは、電源を消しても失われないため、内蔵の音色と合わせて2GB以上の音色をスタンバイしておくことができるというわけだ。この音色は、ウェブからダウンロードすることも可能で、最新の音色ライブラリやサンプリングした楽器のオーディオループ、ボーカルデーターなどを取り込んでおくことも可能だ。
音楽制作のための機能の充実も光る。従来より好評だったアルペジエーターは7,881タイプに増加。ソングデーターの一部をパターンに取り込んだり、パターンの順番を記録してソングに展開する機能も有する。また、128MBのSD-RAM内蔵で、別売メモリーなしでも外部オーディオ音声をサンプリング(録音)することが可能だ。さらに、Integrated Sampling Sequencerにより、取り込んだサンプリング素材をシーケンサーのテンポに合わせて同期再生させるなど、MIDIデーターと同様の感覚でサンプリングデーターを取り扱うことができるようになっている。
また、「MOTIF XF」本体のコントローラーを使ってパソコン上のDAWソフトウェアを操作するリモートコントロール機能も、各種DAWテンプレートや簡単なセットアップ機能により使いやすい仕様にブラッシュアップ。付属の「MOTIF XF Editor VST」ソフトウェアでは、細かい音色エディットを視覚的に確認しながら編集することができ、コンピューターと「MOTIF XF」のどちらを操作してもパラメーターが完全に同期、従来のハードウェア音源では考えられなかった快適な操作性を実現する。「Cubase 5」と同等のエンジンを持つ専用のバンドルソフトウェア「Cubase AI」の付属もうれしいところだ。別売りのFirewireエクスパンジョンボード「FW16E」装着で、「MOTIF XF」をオーディオインターフェースとして16トラックのオーディオデータをDAWソフトウェアに録音することも可能となっている。
8月2日に行われた発表会では、キーボーディストの福田裕彦氏が登場し、「MOTIF XF」搭載の新音色を解説した。たとえば、前モデルの「MOTIF XS」ではLFOで表現されていたストリングスのトリルが、「XF」ではフルの波形でよりリアルに再現できるようになったほか、ティンパニーやアコーディオン、ヴィブラフォン、ハープ、クラビネットのバリエーションが増えたことに感激した様子。
また、トランペットのグロウルや、サックスのベロシティによる音の変化といった金管楽器のリアルさや、追加音色のピアノのリアルさも絶賛。多彩なアルペジエイターにより「楽器が弾けなくてもプレイできる」のもMOTIFシリーズのよさだが、「MOTIF XF」はよりプロのライブユースに向いたプレイアビリティの高いシンセであることを実感させてくれた。
◆MOTIF XF8 / MOTIF XF7 / MOTIF XF6
価格:オープン
発売日:2010年9月15日
◆MOTIF XF 製品詳細ページ
◆ヤマハ
◆BARKS 楽器チャンネル
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