ついに登場「Singer Song Writer 9 Professional」

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インターネットは、オーディオ&MIDIを統合した音楽制作ソフト「Singer Song Writer 9 Professional」を4月30日より発売する。

「Singer Song Writer 9 Professional」は、作曲、アレンジ、レコーディング、サウンドメイク、ミキシング、そしてマスタリングからリリースまで、音楽制作のすべてのワークフローをこなすためのオーディオ&MIDIを統合した音楽制作ソフト。国産の音楽制作ソフトとして貴重な存在で、とくに楽譜によるデータ入力やアレンジ機能で定評がある。しばらくバージョンアップがされていなかったが、2010年、ようやく新バージョンである9が登場することとなった。

新バージョンでは、ユーザーインターフェイスとオーディオ処理エンジン、MIDIエンジンを一新。さらに、待望のReWireへの対応(ホスト&クライアント両方)やVSTiの遅延補正、オーディオのルーティングの自由度向上など、待たされただけのことはあると感じられるほど充実した新機能を備えている。

まず、注目はオーディオ&MIDIが統合され、柔軟なトラック構成での作業が可能となった点。AUDIO、MIDI、EFFECT、GROUP、FOLDER、VSTi(インストゥルメント)、ReWireトラックを装備。AUDIO、VSTi、ReWire、GROUPトラックにはEQ、INSERTION EFFECT×8、SEND×8を、EFFECTトラックにはEQ、INSERTION EFFECT×8が装備される。前バージョンの不満はこれで解消という人も多いはずだ。各トラックは、任意に無制限に追加・削除が可能だ(MIDIは256トラックまで)。ソングエディタでは、各トラックの入れ替えや、コントロールトラックを任意に表示できるようになったほか、異なるコントロール間のコピー&ペーストやAUDIO、MIDIトラックのオートメーションの操作性が向上している。

また、エンジン刷新により、多くのエフェクト、VSTi使用時、トラック間のレイテンシーの違いを自動補正、同期精度がさらに向上したのもポイント。マルチコアCPUに対応で、オーディオプロセッシングを並列処理するので、マルチコアCPU搭載のPCでより威力を発揮する。AUDIO OUTは最大8ポート(ASIO使用時)、MIDI OUTは16ポートをサポート。各MIDIトラックの出力は同時に2ポートに出力し、1つのトラックを異なるMIDI音源(VSTi)で演奏することも可能だ。MIDI INは8ポートを装備。MIDIパッチング機能で複数のMIDIキーボードやMIDI機器の入出力を管理できる。

バーチャルトラックの装備も生録派にはうれしいところ。各AUDIOトラックは64トラックまでのバーチャルトラックを任意に作成可能。ループレコーディング時は録音を停止することなく自動でバーチャルトラックが作成され、録音後は各テイクからベストなものを選択できるようになっている。さらに、新開発のタイムストレッチ、ピッチシフト、スライス機能を搭載。フリーズ機能を使用すれば複数のエフェクト使用時のCPU負荷を軽減させることも可能だ。

エフェクトではSonnox社エフェクト搭載が光る。世界のプロフェッショナルなレコーディング現場でも高い評価を誇る英国Sonnox社製のEqualizer、Limiter、Reverbと自社開発の21種類のエフェクトを装備する。

VSTi(インストゥルメント)64個まで使用可能。付属プラグインではドイツLinPlug社のインストゥルメントが強力だ。10,000種類もの膨大なドラムサンプル、2,600のMIDIグルーブ、1,500のオーディオループを搭載した「RM V」や、オルガン音源「Organ3」、デュアルマトリクスシンセサイザー「OCTOPUS」、アナログシンセサイザー「ALPHA3」を用意。さらに「Roland Hyper CanvasなどのVSTi」を搭載する。MIDIグルーブパターンは、ソングエディタのトラックにドラッグ&ドロップして利用可能なのでカンタンだ。また、ReWire(ホスト、クライアント両対応)により、他のDAWやVOCALOID2など各種インストゥルメントと連携した制作環境が構築できる。

MIDIデータの入力・編集は従来同様充実している。エディタは、ステップ、スコア、ピアノロールを装備。スコア、ピアノロールでは、ウィンドウ内にステップエディタを同時に表示可能で視認性がよい。打ち込み、リアルタイムレコーディング、シングtoスコア(いわゆる鼻歌入力)など適した方法で入力をサポート。オートニュアンスやMIDIプラグインを利用して手軽にワンランク上のデータ制作が行える。新搭載のオートハーモニープラグインを使用すればアプローチコードを用いたメロディのハーモナイズがカンタンに行えるのも便利だ。

バッキングのアレンジにうれしいのがオーディオループ、MIDIフレーズを利用した独自のアレンジ機能。バリエーションに富んだ作曲&アレンジを支援してくれる。アレンジ機能はそのままに、アレンジエクスプローラをソングエディタに統合されたのも目新しい点だ。さらに、新搭載のフレーズウィンドウでは6,000種類ものオーディオループ、MIDIフレーズ、コード進行素材をドラッグ&ドロップで利用可能。新開発のタイムストレッチ&ピッチシフト搭載で、オーディオループのACIDファイルは、テンポやキーに合わせて高音質でストレッチ・エクスパンドやピッチシフトされるのもうれしいところ。MIDIアレンジデータ、フレーズは独自のアレンジアルゴリズム「C.A.E3」によるコード変換が行われ、伴奏パートの制作に利用することが可能だ。

今回発表されたバージョンは、「Professional」というグレードのみとなるが、通常パッケージのほか、アカデミック版やオーディオインターフェイス同梱のパッケージも用意。このほか、教育現場向けのボリュームライセンス販売なども行われる。

◆Singer Song Writer 9 Professional
価格:オープン(店頭予想価格 65,000円)
発売日:2010年4月30日
◆Singer Song Writer 9 Professional アカデミック
価格:オープン(店頭予想価格 52,000円)
発売日:2010年4月30日
◆Singer Song Writer 9 Professional -First Studio Pack -
※TASCAM US-144 MK IIを同梱
価格:オープン(店頭予想価格 69,800円)
発売日:2010年5月14日

◆Singer Song Writer 9 Professional 製品詳細ページ
◆インターネット
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