桜散る季節にBARKS編集部ガチンコ企画「この曲、自腹で買いました」BARKS編集長(か)編


デスクにはミニミニコンポが置かれているが、真剣モードではヘッドホンになる。そして僕にとって音楽と触れるための重要な時間帯が、移動中だ。通勤の電車でもできるだけ多くの作品に触れるよう、常にipodはフル稼働。高遮音性イヤホンでできるだけ外音をシャットアウトして、イヤパッドを耳の奥までグイっとねじ込む。…僕はそんな毎日に翻弄されていないか。
食事だって、素材が大事と言っても調理がムチャクチャだったらおいしく食べられない。いくら素晴らしい音楽でも、いい音で再生しないと、恐ろしくもったいないことをしているのではないか?
そんな疾病状態から脱却するべく、欲しいCDをガチで買い編集部にセットアップされている高級オーディオで堪能するという、セルフ・リハビリテーションを敢行した。

イヤホンのインナーを新調してiPodで堪能。嗚呼、素敵過ぎる。マーティン・ターナーのベース・ライン、もう世界一だ。…が、僕の知っている以上でも以下でもない日常的な感動は、それで収束してしまった。

ウィッシュボーン・アッシュの『ニュー・イングランド』は1976年発売。どアナログ時代に録られたロックサウンドをiTunesというデジタル・フォーマットで受け取り、それを真空管の載ったラックスマンのアンプSQ-N100でmhi(musical heart instruments)Evidence MM01Aを鳴らすという至極の環境。ちょっと多目にかかった「マザー・オブ・パール」のエコーの、初期反射がほとんどなくディレイ成分とリバーブが分離して音像を作り上げている様子が、目の前に広がって、鱗がぱらりと剥がれ落ちた。
空気を鳴らしたのはエビデンスのMM01A。オーディオを品評するスキルも知識もないが、ミュージシャンが込めたであろう思いやサウンドの意図が、できるだけ正しくオーディエンスへ届くことを夢描き設計されたのだろう。定位がぼけないのでグルーブを生み出すメンバーのプレイ・スピリットが目の前に仮想再現されたかのようだ。
音楽って、ほんとにすばらしい。そしてその巣晴らしさを存分に身に振りかけるには、素晴らしい音が欠かせない。音楽へ身を投じる桃源郷の心地よさは、『ニュー・イングランド』から次々と別の作品をプレイバック、心は少年に戻り、気付けばリハビリは見事な成果を出してくれていた。
◆Evidence MM01A詳細ページ
◆iTunes Store ウィッシュボーン・アッシュ『ニュー・イングランド』(※iTunesが開きます)
BARKSオーディオ

◆プレーヤー:LUXMAN「D-N100」
◆アンプ:LUXMAN「SQ-N100」
◆スピーカーケーブル:SUPRA「CLASSIC 6.0」
◆RCAケーブル:SAEC「SL-2000」
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