現代人のココロの在り方を問う最新作『LIFE IN DOWNTOWN』

ポスト
NEW ALBUM
『LIFE IN DOWNTOWN』
TOCT-26000  \ 3,059(税込)
発売中

1 いつでも帰っておいで
2 Naked
3 ほんの少しだけ
4 星の光
5 ゥンチャカ
6 月の石
7 親指を隠さずに
8 店じまい
9 明けない夜が来ることはない(ALBUM VERSION)
10 チキンライス
11 尼崎の夜空を見上げて
12 ココロノコンパス(ALBUM VERSION)
13 遠く遠く~'06ヴァージョン
14 WHAT A WONDERFUL WORLD ♪

※M.13&M.14は初回盤のみ収録

★“♪”は試聴できます

MESSAGE

槇原敬之さんの最新コメントをお届け! 画像をクリックしてチェック!


★ライヴなど最新情報はホームページをチェック!
オフィシャル

──オリジナルのフル・アルバムとしては約1年半ぶりの作品『LIFE IN DOWNTOWN』が完成しました。まず、この山口晃さんが描かれたジャケット! とてもパラレルな世界観ですが、アルバムの雰囲気を的確に伝えている素晴らしいジャケットだと思います!

槇原敬之(以下、槇原):(笑)ありがとうございます! 山口さんの絵の中って、貧しいとか富んでるとか、そんなこと関係なく、人と人が共存してるんです。チョンマゲ結ってる男の子と、原宿のそのへん歩いてる男の子が、一緒に縁側で本読んでたりとかしてて。つまり、ファンタスティックでもあって、サイバーでもあるっていう架空なもの。“こういう感じ、いいじゃん”って感じ。実はぼく、今回のアルバムのそもそもの始まりって、山口さんの画集を見て、“この方にお願いしよう”って思ったことなんじゃないかって思ってるんです。


細部まで描きこまれた、イラストレーター山口晃さんによる今回のジャケット。この虫眼鏡で、細部までジックリ見ちゃいましょう!
(応募締切:2006年3月31日)

⇒画像をクリック
──ということは、今回のアルバムのテーマは、このジャケットのイラストと密接に関係しているということですね?

槇原:うん。実は……下町がテーマなんですよ。もっと言うと、そこにある人情みたいなもの。僕自身、家が電気屋なんで、商店街で育ってるんです。親に叱られると別のお店をやってる友達んとこ行ったりしてね(笑)。するとそこんちのオバさんが、“もう遅いから帰りな。もうきっと、あんたのお母さんも怒ってないよ”、みたいに言ってくれる、そんななかで育ちましたから(笑)。

──現代社会がなくしてしまった、良き共同体のあり方ですよね。“モノ”より“気持ち”とか重視されているというか。現代では、都市部はもちろん、地方でもなかなか難しいのかもしれませんし。

槇原:車のハンドルでいう“遊び”のようなものですよね。それはとても大切なものなのに、どんどん無くなってきてしまっている。そんな時、僕は母が生きてきた時代とかを想ったわけですよ。あの頃って、貧乏な状態から抜け出すことが第一に考えられていたと思うんですけど、でも、それが貧乏な状態に付随するすべてのもの、つまり習慣とかそういったものもすべて捨ててしまう、みたいに考えられてたんじゃないのかなって。もちろん、たいへんな時代だったのはわかるんだけど、何も全部変えなくても良かったんじゃないのかなぁ、とも思ったりしたんですよね。

──このアルバムには、そういった下町的な“人情”という部分に加えて、そこからもうちょっと先のテーマが歌われていますよね。


槇原:さっきの近所のおばちゃんの話でもそうなんだけど、人んちの子供も、自分ちの子供と同じように可愛がれないと、なんかすごく卑屈じゃん、みたいなのは思ってて。つまり子供=命、というか、そこに行き着いたんです。人の命は平等の重さを持ってると思えば、例えば目の前で車に轢かれそうな人がいたとして、何の迷いもなく助けに行ける自分になれる筈じゃないですか? でもまだまだ“どうだろう……。なりふり構わず行けるのかな?”って、そう考える自分がいて、それ以上には辿り着いてないんですよね。そのことも解ったアルバム作りだった。でもハッキリ言えるのは、“そういう自分になりたい”という事ですよね。

──今回のアルバムには、これまで作ってこなかったような「親指を隠さずに」や「尼崎の夜空を見上げて」といった楽曲が収録されていますね。

槇原:何を歌うのか、それがハッキリしていて、そこに確固たる自分の気持ちさえあれば、その歌は強いんだなって思ったからなんです。“これならみんなが解ってくれるだろう”みたいなこと、中途半端に歌うよりもね。そのほうが全然、人の心に届くんだって…。今回ボ-ナス・トラックとして「遠く遠く」の“'06ヴァ-ジョン”を入れましたけど、あの歌を作ったときがそうでしたから。お蔭様で沢山の人達に聴いてもらえた曲になりましたけど、作った当時はもう、聴く人がどうとかより、当時の槇原敬之にしかなかった感情…、“強がって言わなかったけど、実はさぁ…”みたいな、そんな想いを歌にしたものでしたから。


構成●バークス編集部
この記事をポスト

この記事の関連情報