| ――素晴らしいアルバムができましたね。
KING(B):いやほんとにいいっすよねぇ。自分でもすっげー聴いてます(笑)。
――今回はコンセプチュアルな要素も濃厚で。曲と曲がリンクしてたり、すごく面白い作りになってますね。例えば7曲目の「カレイドスコープ」では子供の頃に空想してた未来が描かれてて、8曲目の「kaleidoscope eyes」では大人になってからの現実が対照的な感じで表現されてたり。
UKI(Vo):そうですね。あれはサビのメロが一緒なんですけど、片方は優しい感じで、片方は激しいみたいな、ギャップ系の表現をやってみたくて。で「kaleidoscope eyes」の最後はまた幼少時に戻るというか、再びカレイドスコープを覗いて見えたものっていうのが「Ladybug」だったりして。だからアルバムの中でちょっとずついろんなお話が繋がってるんですよね。「BEAN STALK」だったら、「between YOU and ME」(既発マキシ)の中の「88 ROYAL SKA」の続きだったりするし。あと「手ノヒラ宝石」と「morning」も、同じ曲のアレンジ違いなんですよ。「手ノヒラ宝石」の方がさっきまで一緒にいた2人の、男の人の気持ちで、「morning」の方は女の人の気持ちだったりとか。
――え? 「手ノヒラ宝石」と「morning」が同じ曲?
UKI:そう、実はメロが一緒なんですよ、あの2曲って。
――全然気がつきませんでした!
TAKE-C(G):曲って、アレンジ次第でどんなヴァージョンにもなり得ますからね。パンクにもバラードにも。だから、その曲をいかに一番いい形に持っていくかっていうのは、ジャッジメントですよね。
――そのジャッジメントには、経験とかライヴの場数とか音楽的知識とか、そういうものも大きく関係してきそうですね。
UKI:そうですね。経験値が上がれば、それだけ選択肢も増えると思うし。そういう意味では、バンドの成長がそのまま曲に出るっていうか。
TAKE-C:あと、自分達のマインドもそのまま出るよね。例えばハードロックにハマってる時は、そういうマインドが曲に強く出たりとか。
――その辺、正直だから。
TAKE-C:そう、正直だから自然と出ちゃうんですよ(笑)。だからギターに関して言うなら今回、結構アコギを使ってたりするんですけど、そういうのも自分の今のマインドが出たのかもしれないなって。最近俺、アコギものを聴く機会が多いから。
――じゃあ「piece of cake」ではスクラッチが入ってたりしますけど、ああいうのも… …。
MAH(Dr):ドラムマシーンと“こすり”の融合はね、ずっとやってみたいと思ってたんですよ。で(前作)『CLUTH』の時にもちょっとやったんだけど、その時はターンテーブルがなくて、仕方なくありものの音源を使ってやったんですよね。そしたら数が少なくて音源が選べなくて、“まぁこれでヨシとしとくか”的な。それが自分的にすっごい悔しかったから、『CLUTH』のレコーディングが終わった後ソッコー、ターンテーブル2つ買いに行って、家で夜な夜な練習して。それが今回やっと日の目を見たっていう(笑)。
――『CLUCH』の時のリベンジを果たしたんだ? しかし……悔しかったから即ターンテーブル2個買っちゃうってとこがすごい(笑)。
MAH:(笑)オーケストラにしてもそうなんですよ。1stアルバムの時、「CROSS THE BORDERS」って曲でオケを入れたかったんだけど、当時はバンドに体力もないし、お金もないし(笑)っていうのもあって、鍵盤でオーケストラみたいにしてやったんですよね。でもそれが安っぽ~い音になっちゃったから、今度は絶対本物を入れるぞ!って。
――てことは、今回入ってるあのストリングスは本当のオーケストラ?
UKI:うん、呼びました、8人。
TAKE-C:そしたらキンちゃん、影響されまくって。あやうくチェロを購入しそうになりました(笑)。
KING:そう。本気でチェロ買いにいきましたもん俺(笑)。だけど“5万円くらいから買える”って聞いて店に行ったら「15万円からです」って言われたんで、結局ウッドベースの弓だけ買って帰ってきたんですけど(笑)。
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